神戸新聞読書欄に太田治子さんの記事が写真と共に。
新しい著書『夢さめみれば』について。副題が「日本近代洋画の父・浅井忠」となっていて、洋画家、浅井忠の評伝である。取材は神戸新聞記者の平松正子さん。平松さんもよく頑張っておられる。
と、そんなことは別にして、この太田さんが書かれた『明るい方へ―父・太宰治と母・太田静子』という本、ちょっと前に幻の詩人「北山冬一郎」のミニ評伝を書く時に参考に読みました。そこで発見があり、読んで良かったと思ったのでした。
太田さんは、あの太宰治の娘さんです。ただし正妻の子ではありません。
ある人のブログに昔の詩誌「馬」の写真がアップされていた。わたしは懐かしかった。その人は実物を入手することができずコピーを入手したとある。
「馬」はかつて西宮夙川に在住しておられた井本木綿子さんが主宰する詩誌だった。もう30年も昔である。井本さんは震災で家屋が倒壊し、東京へ移住された。後、わたしは接触がなくなっていた。
今日、この詩誌の写真を見てネットで調べてみたら一昨年に東京で亡くなられていることが分かった。
この「馬」という詩誌、たしかわたしの書棚のどこかにある筈と探してみた。5冊が見つかった。そのむね、そのブログにコメントを入れると、そのうち2冊のコピーをお願いしたいと。その人、M岡さんには以前お世話になっている。いい本を頂いてもいる。明日、早速コピーをお送りするつもり。
その「馬」です。
書き手が素晴らしい。もう亡くなられている人も多い。清水正一、永瀬清子、小島輝正、天野忠、寺島珠雄、君本昌久、浜田知章、富士正晴。そのほか、杉山平一、荒川洋治、安水稔和、森本敏子、朝比奈宣英、藤村壮、石浜恒夫、安西均、などなど。
今、改めて、錚々たる人が書いておられたのだなあ、と驚き。
しかし、5冊しか見つからなかったのが残念。あと2冊はどこかにある筈だが。
今回22回目ですが、この連載まだまだ続きそうです。お会いした時に聞いた話では、「50回、一年間位になるかなあ」と仰ってたが、もっと延びるかも。
「神戸新聞」のこの「わが心の自叙伝」という欄はもう長い。兵庫県の名だたる文人が書きついでおられる。何冊かの本にもなっている。わたしの尊敬する足立先生も書かれた。しかし足立先生は自叙伝を本にはしておられない。他の『虹滅記』や『親友記』などたくさんの著書の中でご自分のことを書いておられるので、特別に自叙伝を出すことがなかったのだ。わたしは切り抜きを全て残している。
そして我が宮崎修二朗翁は絶対に自叙伝を書かれない。ご自分のことは書かれない。触媒に徹しておられる。だからわたしが力及ばずとも代わって書かねばならない。
『KOBECCO』2月号が出ました。
「触媒のうた」は今回久坂葉子を取り上げております。
神戸っ子出版のHPから立ち読みすることができます。
ページプレビューからめくって行って下さい。
http://kobecco.oide.or.jp/2012/12-02/nk1202/nk1202_06/nk1202_06.htm
先日「ゲキトバ」のことで書いた高島俊男さんが、今日届いた岩波書店のPR誌『図書』に「北杜夫さんの『茂吉あれこれ』」と題して書いておられて驚いた。
(向って左が高島氏)
高島さん、二年前に「輪」にご来店の時には、「もう書くことがない。今は囲碁三昧」と仰っていたのに、その後もしっかりと書いておられる。
今回『図書』に書いておられるのは、北杜夫さんのこと。北さんは昨年亡くなられた作家で、歌人齋藤茂吉の二男さんです。わたし、若いころ長編『楡家の人びと』を読んだ。今もその大冊がある。
これ、その本に挟んであったパンフレット。古書価格をネットで調べてみたら、この紙片が有るのと無いので大違いだった。有ると、かなりの高額。
と、そんなことはいい。高島さんの文章は格調が高いのに読みやすい。見事なものです。3段組み6ページにわたって書かれています。もう一度『楡家の人びと』を読みたくなった。
今年もたくさんの年賀状を頂きました。それぞれ個性的な賀状が多く、楽しませて頂きました。
中で、「はっ!」とさせられたのが、作家の出久根達郎さんからのもの。
さすがにいい字を書かれますが絵もまたいいですねえ。
いや、わたしが「はっ!」とさせられたのはそんなことではありません。書き添えられていた言葉です。
「宮崎様の神戸新聞時代の作家のおつきあいはゼヒ記録しておいて下さいまし。」
心に深く沁みました。わたしごときにこんな風に言って下さる。ありがたいことです。がんばって勉強します。
この正月はずっと出歩いていて、やっと今日から勉強です。
宮翁さんの録音を聞いて、本を確かめて、メモを取る。これ、久しぶりでちょっと疲れます。
『KOBECCO』新年号が出てます。
今号の「触媒のうた」は「関西探偵作家クラブⅡ」です。
日本のSF小説の黎明期に宮崎修二朗翁が関わっておられたという話です。正に翁は若き日からの「触媒人生」です。
『KOBECCO』新年号にはもちろん、NHK大河ドラマの「平清盛」の記事が大きく載ってますが、ほかに、井戸知事と作家の有川浩さんの対談記事が載ってます。『阪急電車』のことはチラッとだけ出て来ます。
阪神間の主な書店に売ってますが、HPからも読むことができます。
http://kobecco.oide.or.jp/