goo blog サービス終了のお知らせ 

喫茶 輪

コーヒーカップの耳

刑務所でのたばこ

2022-08-27 09:11:11 | 完本 コーヒーカップの耳
今朝の神戸新聞の片隅の記事。

「留置場でたばこ」とあります。
これを見て思い出しました。
昔、うちの店「喫茶・輪」の常連客 、元㋳の加賀繁躬さんのチョーエキ時代の話。
「蛇の道は蛇の喩え通り、手に入りまんねん。タバコ。トイレで喫うんやけど、煙が出たらバレる。そやから吸うて、そのまま腹に収めてしまうんや」と。
この話、『コーヒーカップの耳』には収録していない。
本当にそんなことができるのか、わたしはマユツバだったので取り上げなかったのだ。
出来たとしても、タバコそのものから立ち上る煙はどうするのだ?ということもある。
さてどうなのだろう?
今さら彼に聞けない。10年ほど前に遠い所へ行ってしまった。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

来訪「折り紙」の人

2022-03-12 17:48:20 | 完本 コーヒーカップの耳
久し振りに東口さん来訪。
一年以上ぶりかな?
彼は『完本コーヒーカップの耳』の重要登場人物です。
85ページの「折り紙」の語り手として。

  「折り紙」
生きて生まれて来たん 一人だけやってん。千八百グラムの女の子。死んどったんは千七百グラムと十八グラム みんな女やった。十八グラムの子ォは マッチの軸みたいな足の骨あってなあ この子が早よ死んでくれとったから 一人でも生きて生まれたらしい。よォ生まれてくれた思う。その子ォと千七百グラムの子の顔が よォ似とんねん。
お寺さん頼んでやってん。死んで産まれた子の葬式してやってん。二人並べてやろ思て 柩はひとつだけ。そやけど俺アホやから 旅立ちに着せてやる服も 一着しか用意せんかったんや。気がついて あわててもう一着買ォてきて 十八グラムの子ォにも着せてやった。着せるゆうても くるんでやるだけやけどな。
ほんま 折り紙の人形みたいな子ォやった。その子のこと 医師(せんせ)はシヨウジて言いよんねん。カミの様な子て書くんやて。そやから俺は神様児かと思たんや。神様の子ォやと思たんや。そやけどおかしい。それやったらシンヨウジになるはずやろ。ほんまは紙様児やねんて。
その子の命日が 生きて生まれた子の誕生日といっしょや。なんか複雑な気持ちやで。うれしいのか悲しいのかわからん けったいな気持ちや。
*紙様児=双生児胎児の死亡した一方で、他方の胎児の成長によって子宮壁に押し潰されたもの。(ステッドマン医学大辞典)
 

哀切極まる話です。

今日、マルナカ(現ダイエー)まで来たついでに寄ってくれました。元気そうでした。
明日は早朝(午前2時出発で)から奈良まで渓流釣り(アマゴ)に行くのだと。
その餌(新鮮なイクラ)をクーラーボックスを準備して買いに来たとのこと。
忘れずに顔を見せてくれて、うれしいことです。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

歯医者さんと助ちゃんたち。

2022-03-01 12:09:29 | 完本 コーヒーカップの耳
昨日、歯医者さんの治療終了。
抜かずにやってくださった。
その歯医者さんに、この前『完本コーヒーカップの耳』を呈上しておいた。

というのも、「喫茶・輪」の盛業中、常連さんの何人かをこの歯医者さんに紹介したのを思い出したからである。
助代さん、原さん、村中さん。
この三人は『完本コーヒーカップの耳』の主要登場人物。すべて仮名だ。
で、この人たちが登場するページに付箋をつけて、「ここにきていた患者さんです」と言って呈上した。
昨日行くと、「面白かった」と。
そこで、「この人たちの本名です」と用意していたメモをお見せした。
すると、三人ともをよく覚えておられた。
「一人はいま種子島、一人は定年退職して京都、もう一人は仕事先で急死」とお教えした。
すると、「それで急に来られなくなったのでしたか」と。
「もう一度読んでみます」とおっしゃった。

『コーヒーカップの耳』 助代さんたちが躍動する。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

二年前の日記。

2022-02-26 08:46:50 | 完本 コーヒーカップの耳


2年前の日記。
   電話をかけて来てもらった人に「亮介」の若松さんがある。
   ちょっと思い出話をしたのだが、助代さんの話になった。
   実は助代さん、その後の人生に辛いものがある。そこで若松さん、
   「俺みたいな悪い人間が楽しく暮らしてるのに、なんで助ちゃんみたいなエエ人が苦労するんやろ?」と。
   と、こんなことを書いてる今、種子島に住む助ちゃんから電話。
   「読ませてもろた。泣けてきた」と。
   「輪」でのことが思い出されて、涙が止まらないと。


『完本 コーヒーカップの耳』が発売されて直後の話だ。
あの本の重要登場人物の二人と電話で話したのだった。
「チョコレート」の助代さんと、「亮介」の若松さん。
助代さんとはしばらくご無沙汰だ。
どうしてるかな?この前は身内に悲しい出来事があったとのことだったが。
若松ちゃんとは、長く連絡を取っていないなあ。元気かなあ?

『コーヒーカップの耳』懐かしい人たちがいっぱい。みんなどうしているかなあ。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

一昨年の今日

2022-02-20 11:40:37 | 完本 コーヒーカップの耳
一昨年の今日は印象的な日でした。

発売日

退院日


『完本コーヒーカップの耳』の全国発売日と妻の退院日が同時だったのでした。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

一昨年の今日

2022-02-14 09:38:02 | 完本 コーヒーカップの耳


一昨年の今日のブログです。『完本コーヒーカップの耳』の装幀。

二年前、ワクワクしていたのでした。
東京神田町のブックカフェでの出版記念イベントを朝日新聞出版社さんが準備してくださっていて家内と行く予定をしていました。
ところが、思いもしないコロナ禍。
二度延期になり、ついに中止となってしまいました。
ドリアンさんは今も、「コロナが収まったらやりましょう」と言ってくださっています。
是非、そんな日が一日も早く来てほしいものです。

『コーヒーカップの耳』 おもしろうてやがて哀しき喫茶店。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

もうお一人の百四歳

2021-11-23 16:29:51 | 完本 コーヒーカップの耳
今年も次々と年賀欠礼のハガキが舞い込む季節になりました。
その中で昨日は「百四歳で」というのがありました。
驚くなかれ「百四歳」、今年二枚目です。
一枚目は『KOBECCO』9月号に「百四歳の人」と題して書いた人、竹本忠雄さんです。
そして二枚目は『完本コーヒーカップの耳』に「鹿塩豊さんのこと」(182ページ)と題して載せた、鹿塩さんのお母さんでした。
豊さんは2000年に56歳でなくなったのでした。若すぎました。
お母さんは短命だった豊さんの分を長生きされたのだ。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

野の書ギャラリーさん

2021-10-02 20:09:29 | 完本 コーヒーカップの耳
こんなブログを上げてくださってます。
「野の書ギャラリー」

村上翔雲師のご息女のブログです。

『コーヒーカップの耳』を取り上げてくださってます。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

待合室で

2021-09-07 14:34:41 | 完本 コーヒーカップの耳
今日はかかりつけのクリニックでの予約受診日。
予約時間が午前11時45分とほぼお昼。
待合室はもう待つ人は減っているかな?と思っていたら、とんでもない。
たくさんの人だった。
家内と並んで座っていたら、家内がその向こうに座っている女性と話している。
「松本さんはお元気かな?」と尋ねられている。
「お亡くなりになりました」と答えている。
6月に95,6歳で亡くなられた。
うちの店の開店当初からの常連さんだった。
『完本コーヒーカップの耳』の32ページの「握り飯」に登場する人。

その家内と話している人が、会計窓口に呼ばれて行ったので、家内に、
「だれ?」と訊いてみた。
「○○さんやないの」と言われた。
もうだいぶ昔だが、一時よく見えてたお客さんだった。
いつも一緒に来られてた木谷さんも『完本コーヒーカップの耳』に何度か登場の人。
特に印象的な話は、62ページの「お父ちゃん」だ。スゴイ話です。
「あ、そうか。うちの店で加賀さんに『眉毛、入れ墨してはっしゃりますやろ』と言われて、『してない!』ときつく怒った人やったな」と、わたし。
この加賀さんも、やはり『完本コーヒーカップの耳』に登場する。
巻末に付録のように書いた「塀のうちそと」の人なのだ。
それにしても家内はよく人の顔を覚えているものだ。
わたしは全く分からなかった。

ところで、診察室に呼ばれたのは、予約時間から一時間ほど遅れた12時40分ごろだった。
先生二人でフル回転しておられて、よく繁盛しているクリニックである。
他にエコーや内視鏡の検査室も忙しい。
みなさん40代ぐらいの働き盛りの先生たち。

あ、書き忘れてはいけない。
前に受けた、胃と大腸の内視鏡検査の結果。
それぞれ一カ所の疑問点はどちらも異状なかったとのこと。
やれ一安心。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

盆栽の桃の実

2021-08-22 09:38:44 | 完本 コーヒーカップの耳
昨年、『完本コーヒーカップの耳』を出版していただいた時に、I井さんからお祝いにと戴いた桃の盆栽に実が生りました。



甘くいい匂いがしてます。
いいことがあるでしょう。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

松本さん逝く

2021-08-10 16:54:46 | 完本 コーヒーカップの耳
『完本コーヒーカップの耳』32ページに登場する松本さんがお亡くなりになったとの情報が入る。家族葬で済ましたと。
たしか大正15年のお生まれ(ご自分では「昭和元年生まれや」と言っておられたが)なので、95歳か96歳のはず。
「輪」の最も古いお客様の一人。
コロナの間に親しかった人が次々と逝かれてしまう。
淋しくて仕方がない。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

レスリング

2021-08-03 15:32:04 | 完本 コーヒーカップの耳
オリンピックの時しか見ることのないレスリングをテレビで見ていて思い出した。
『完本コーヒーカップの耳』に登場する原さんの「レスリング」。
その後半です。

《俺がグレずにすんだんは レスリングやなあ。高校でレスリングに熱中したんや。(略)インターハイで四位になったことがある。その時は惜しかったなあ。これに勝ったら三位以内が確定という試合で 審判のミスで負けにされたんや。俺はグレコローマンスタイル(下半身は使えない)やったんやけど 相手を完全に抱え上げて 後はフォール勝ちというときに そいつが足を思いっきりバタバタさせよって それが俺の足にからんで倒れてしもたんや。グレコは足使たら反則やから その時点で俺の勝ちや。そやけど審判が見落としよった。世の中 なんぼ真面目に清く正しくやっとっても報われるとは限らんからなあ。まあ相手にすれば 最後まで諦めずに頑張ったらエエことがあるということやけどな。そやけど俺は 後になって思た。あの時 勝たんで良かったと。もし優勝でもしとったら 誘われて大学に行きたくなったかもしれん。それは俺には耐えられんことやから。今 こないして たまに売られたケンカを買うてるんが 俺には似合うてるんやな。》

「大学に行きたくなったかも…」ということの事情は前半にあり、そこがこの話の核でもあるのだが、それは省略。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「手話」

2021-07-15 17:19:34 | 完本 コーヒーカップの耳
今朝お見えになったH淵さん、お帰りになるとき、「これから手話のサークルに行きます」と。
コロナで休みだったが再開したのだという。
手話をやっておられるのだ。偉いなあ。
ところでこの「手話」だが、買っていただいた『完本コーヒーカップの耳』の中にこのタイトルの話がある。

ちょっと聞いてえ。めっちゃ腹立ってねえ。この前から手話の勉強に行ってるてゆうてたでしょ。今日 身体障害者のこと習ったんやけど どう表現すると思う? 自分の手で自分の手を切るみたいなマネするんよ。手を刀にして パッパッて。それから こともあろうに 割り箸をへし折るような恰好するんよ。役に立たんていわれてるみたいやん。
それから もっと腹立ったことがあってん。手話習ってる仲間とバイクに乗ったまま歩道で喋っててん。手話でね。そしてらそこへお巡りさんがやってきてね。私を見て片足をトントンと踏み鳴らすの。そして 両手でバツ印するんよ。歩道でバイクに乗ったらあかんていうつもりでね。その動作が いかにも人を見下げた感じがして 腹が立ってね。わたしにというより 聾唖者に対しての侮辱でしょ。「あんた なにしてるのん?」てゆうてやってん。そのお巡り「なんや 話せるんか」てびっくりして 今度は怒りだしてね。バカにされたように感じたらしくて ケンカになってん。そうなったらわたし 負けてないやん。立て板に水 壊れたブレーキ 止まらへん。「謝りなさい。侮辱やわ。わたしはこうして喋れるから抗議できるけど これが聾唖者やったら悲しいよ。聾唖者に謝るつもりで わたしに謝りなさい」て さんざん叱ってやってん。 (高井さんの話)
  ㊟ 「手で手を切る」などは彼女の誤解。
    「障害」を表す手話には、内に向けた左掌に、右手を突き当てる動作があるが、彼女には切るように見えたということか。

 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

兵庫県の図書館では

2021-07-07 10:05:34 | 完本 コーヒーカップの耳


兵庫県の図書館情報を時折チェックするのですが、
『完本コーヒーカップの耳』が常時数人の人に貸し出されています。出版されてから、もう一年半にもなるのに。
一人でも多くの人に読んでいただきたいので、ありがたいことです。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

木津川計さんの語り

2021-06-17 08:35:14 | 完本 コーヒーカップの耳

昨年の今日、木津川計さんがNHKラジオで『完本コーヒーカップの耳』を語ってくださったのだった。
「ラジオエッセイ」という番組で。
「これが面白い!巷は笑いの洪水であり、面白い話の宝庫であります。」と言ってくださってます。

『完本コーヒーカップの耳』
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする