初心者のクラシック

有名な曲からおすすめの曲まで、できるだけ初心者にも分かり易く紹介します。

「楽聖」ベートーヴェン(第4話)

2007年04月20日 | 作曲家の生涯
たまには、作曲家の生涯にふれてみてはいかがですか?

今日は「楽聖」ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(第4話)です。

≪作曲家の肖像≫
不滅の恋~シネマ・ベートーヴェン
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団, ベートーヴェン, ショルティ(サー・ゲオルク), シカゴ交響楽団, アシュケナージ(ウラジミール)
ユニバーサルクラシック

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【Ludwig van Beethoven】

演奏旅行からウィーンへ戻ったベートーヴェン。今日はそのつづきからです。

(第4話)【名作・恋愛、そして苦悩…】
ウィーンへ戻ったベートーヴェンは、この頃から数々の作品を生み出していきます。ピアノソナタやヴァイオリンソナタを作曲し、1798年には初期の代表作とも言えるピアノソナタ第8番「悲愴」を完成させます。

作曲活動に勢いが付いてきたこの頃、演奏旅行先で知り合ったハンガリーの貴族の娘テレーゼとヨゼフィーネがウィーンを訪れた際にベートーヴェンは二人にピアノレッスンをほどこし、その後も親交が続くようになります。この時期にはこの二人だけではなくベートーヴェンの実力を認めた貴族たちが、彼のレッスンを希望する人が増えてきたようです。

そして、1800年には遂に交響曲第1番を完成させます。この年には現在でもピアノ教則本でおなじみのツェルニーがベートーヴェンに弟子入りします。
そして同年4月には、交響曲第1番を含めた演奏会を行います。それまでとは違い、初のベートーヴェン主催による演奏会で自らが指揮を振り、ピアノも演奏したこの演奏会は大成功を収め、いよいよ交響曲を含めた本格的な作曲家としての活動が始ることになります。

交響曲の作曲から更に勢いをつけると、1801年にはヴァイオリンソナタ第5番「春」、そして、ピアノソナタ第14番「月光」を完成させます。こ「月光」は当時ウィーンに引っ越してきた17歳の少女ジュリエッタ・グィチャルディに献呈しています。ピアノの教え子だったジュリエッタの事を、友人に宛てた手紙の中で「この少女を愛している」と打ち明けていたようです。「月光」のロマンチックなメロディは彼女の事をイメージして作曲していたのでしょうか?しかし、「月光」の悲しくも儚いメロディのように、「叶わぬ恋」として終わってしまいます。伯爵令嬢であるジュリエッタは間もなく別人と婚約してしまうのでした。

更に、友人の依頼でバレエ音楽「プロメテウスの創造」を完成させ、初演が行われると、これも人気を集めていきます。こうして、現在でも名曲と呼ばれる作品を次々に生み出していくのでした。

しかし、名曲を完成させる一方でこの頃からベートーヴェンにとっては正に運命的とも言える「難聴」に悩まされるようになっていたのでした。
聴力を失いつつあるベートーヴェンは1802年5月になるとウィーン郊外のハイリゲンシュタットにこもり、作曲に専念するのでした。

ここでは、弟に宛てた有名な手紙「ハイリゲンシュタットの遺書」を残しています。この手紙の中で、作曲家としては致命的な耳が聴こえない事の苦悩、そしてそれを決して他人には悟られまいとするベートーヴェンの悲痛の叫びとも取れる嘆き、悩んだ挙句、自殺をほのめかすような記述・・・。しかし、それを強く思い留まらせるのは唯一音楽だけであるとして、この本望を遂げるまでは死んでも死にきれない・・・として失いつつある音をたぐりよせるような苦悩の日々を綴ったこの記述は、結局、生前には誰にも読まれる事はなく、ベートーヴェンの死後、遺品の中から発見されたという。

しかし、この遺書に綴られたように音楽を「生きる糧」として選んだ、正に不屈の精神がその後の名作を生み出す原動力となっていくのでした。


名作を生み出していく矢先に耳の病と向き合う事になってしまったベートーヴェン。人知れず「遺書」までしたためますが、その想いを音楽へぶつけていきます。このつづきはまた明日。(ガンバレ!ベートーヴェン!!)


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「楽聖」ベートーヴェン(第3話)

2007年04月19日 | 作曲家の生涯
たまには、作曲家の生涯にふれてみてはいかがですか?

今日は「楽聖」ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(第3話)です。

≪作曲家の肖像≫
ベートーヴェン : チェロ・ソナタ全集
ビルスマ(アンナー), インマゼール(ジョス・ファン), ベートーヴェン
ソニーミュージックエンタテインメント

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【Ludwig van Beethoven】

ボンでネーフェに学び、ハイドンで作品を認められたベートーヴェン。いよいよウィーンへ向かう事になります。今日はそのウィーンでの出来事です。

(第3話)【憧れのウィーンへ】
1792年11月ベートーヴェンは駅馬車でウィーンへ向かうのでした。ウィーンへ到着すると、音楽家としての活動を始めます。当時ウィーンではモーツァルトをはじめとする軽妙で歯切れの良いスタッカートの聴いたリズムが主流だったようですが、ベートーヴェンの伸びやかでレガートなフレーズがウィーン市民にも新鮮に聴こえ、人気を得ることに成功したようです。

勿論ピアノの師ネーフェの練習に鍛えられた成果もあったことでしょう。そして、ウィーンの名門貴族だったワルトシュタイン伯爵との親交がウィーンでも功を奏し、ウィーンの貴族邸で行われていたピアノ演奏会では人気を集めていくのでした。

一方、ベートーヴェンのウィーンでの目的はピアニストとして、ではなく作曲家としてハイドンに学ぶ事でした。ハイドンはベートーヴェンに課題を出して、ベートーヴェンはそれに従って曲を作り上げていくスタイルで作曲を学びますが・・・、次々と課題を提出するベートーヴェンに対して、ハイドンは自分の仕事が忙しかったせいか、単純にベートーヴェンがあまり気に食わなかったのか、ベートーヴェンの提出した課題にそれほど熱心に添削した様子が無く、実際に提出された課題に添削や訂正箇所が施された部分は半分にも満たなかったようです。

ウィーンに来て1年もすると、自分の指導に対する熱心さに欠けるハイドンが演奏旅行に出かけると、ウィーンに居る他の作曲家たちに指導を受けるようになっていくのでした。

こうして、作曲技法を身に付けていくと、それまでは貴族の私邸で行っていた演奏会から、ピアニストとしての公開演奏会を行うのでした。

1795年、3日間の演奏会では自作のピアノ協奏曲第2番とモーツァルトのピアノ協奏曲を演奏していたようです。この演奏会が大成功を収めると、ベートーヴェンの名もウィーンで一躍有名になっていくのでした。

同年、ロンドンの演奏旅行から帰ったハイドンを招いてリヒノウスキー侯邸で行われた演奏会では3つのピアノソナタをハイドンに献呈します。

翌1796年、このリヒノウスキー侯と演奏旅行をしているようです。初めはプラハに向かい、2ヶ月ほど滞在すると、リヒノウスキー侯と別れて単身でドレスデンへ向かい、ザクセン選帝侯の前で演奏を披露します。さらにライプツィヒではプロイセン国王フリードリヒ・ウィルヘルム2世の下で御前演奏を行い、自らもチェロをたしなむウィルヘルム2世にチェロソナタを献呈すると、いくらかの下賜金をもらう事になります。

ライプツィヒを離れ、次にベルリンへ向かうとここでも演奏会を開催し聴衆からの支持を受ける事ができたようです。こうして半年近くヨーロッパ各地を演奏会をしながら渡り歩くと再びウィーンへ戻ってくるのでした。


ウィーンでハイドンに学びますが、その他の作曲家からも学び、その技量を身に付けると、作品と共にピアニストとしての評価をモノにするベートーヴェンですが、このつづきはまた明日。

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「楽聖」ベートーヴェン(第2話)

2007年04月18日 | 作曲家の生涯
たまには、作曲家の生涯にふれてみてはいかがですか?

有名な作曲家にはその真偽はともかくとして、たくさんの興味深いエピソードがあります。
そんな興味深いエピソードを中心に作曲家の生涯をたどっていきます。

今日は「楽聖」ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(第2話)です。

≪作曲家の肖像≫
アダージョ・ベートーヴェン
オムニバス(クラシック), ケンプ(ヴィルヘルム), ベートーヴェン, メニューイン(ユーディ), ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団, カラヤン(ヘルベルト・フォン), フェラス(クリスチャン), アマデウス弦楽四重奏団
ユニバーサルクラシック

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【Ludwig van Beethoven】

父親の厳しい練習と、ネーフェの指導の下、宮廷オルガニストの職を手に入れたベートーヴェン。徐々に頭角の片鱗を見せ始めますが、今日はその続きからです。

(第2話)【数々の出会い】
1787年、ベートーヴェンは音楽の都ウィーンを目指して旅立ちます。当時ウィーンでも人気を集めていたモーツァルトの元を訪ねると、モーツァルトから主題(テーマ)を与えられたベートーヴェンはその場で即興演奏を行います。この演奏を聴いたモーツァルトは、「彼は将来、必ず素晴らしい音楽家になるだろう」と言い残したという、有名なエピソードを作り出します。

ウィーンで2週間ほど過ごしていると、故郷ボンにいる父から「母重体」の報せが届くきます。ベートーヴェンはこの報せを受けてすぐにボンに引き返します。ベートーヴェンの必死の看病も虚しく、母マリア・マグダレーナは同年7月に世を去ってしまうのでした。

貧しいながらも、いつも優しく家族に接してくれた母がなくなった事はベートーヴェン一家に大きく影響を与えていたようです。父ヨハンは妻を失った事に気を落とし、以前にも増して酒乱の気が強くなり、生き甲斐を失ったように仕事もろくにしない日々が続いたようです。

そのため、若い成年ベートーヴェンは残された弟二人の面倒を見なければならなくなるのでした。生活費を捻出するためにベートーヴェンは再びボンの宮廷オルガニストの仕事を始めると同時に、貴族の子女たちにピアノレッスンを始めるのでした。

そんなピアノレッスンを行っていた貴族のひとつにブロイニング家がありました。ブロイニング未亡人はベートーヴェンを自分の息子のように可愛がってくれたようです。

また、ブロイニング家には多くの貴族が訪れていたため、ベートーヴェンも多くの貴族と出会っていたようです。後にピアノソナタを献呈する事になるワルトシュタイン伯爵と出会ったのもこのブロイニング家でした。音楽を愛し自らもピアノを弾くというワルトシュタイン伯爵とはその後もベートーヴェンと親交を深めていったようです。

1789年5月にボン大学に入学すると、ちょうどフランス革命前夜という事もあり、革命思想がヨーロッパ中を席巻していたため、ボン大学でも革命思想の「自由・平等・博愛」の精神が講義で行われると、ベートーヴェンをはじめ、学生たちは熱心にその講義に耳を傾けるのでした。
更にこの頃、ボンでモーツァルトの歌劇「フィガロの結婚」や「ドン・ジョバンニ」が初演されると、ベートーヴェンもウィーンへ向けた思いを募らせていたようです。

1792年にイギリスから帰国してウィーンへ向かう途中のハイドンがボンを訪れると、ベートーヴェンはすかさず自作を巨匠ハイドンに見せ、ハイドンへの弟子入りを許可されるのでした。
選帝侯から宮廷音楽家としての職務に1年の休暇をとる事が許されると、いよいよハイドンのいるウィーンへ旅立つことになるのでした。

ベートーヴェンのウィーン訪問が決まると、友人たちはこぞって激励の送別会を開いてくれるのでした。かねてから親交のあったワルトシュタイン伯爵もウィーンへ旅立つベートーヴェンに対して、「ウィーンでは努力を惜しまず、モーツァルトの精神をハイドンから受け取って来い!」と激励の言葉を受け取るのでした。


早くから母親を失い、困難の続いたベートーヴェンでしたが、周りの暖かい支援を受けながら、その才能を認められついにウィーンへと旅立つことになりましたが、このつづきはまた明日。

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「楽聖」ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(第1話)

2007年04月17日 | 作曲家の生涯
たまには、作曲家の生涯にふれてみてはいかがですか?

有名な作曲家にはその真偽はともかくとして、たくさんの興味深いエピソードがあります。
そんな興味深いエピソードを中心に作曲家の生涯をたどっていきます。

今日は「楽聖」ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(第1話)です。

「運命」「第九」「田園」など多くの有名な交響曲を生み出し、現在ではクラシック音楽の代名詞的な存在ともされるベートーヴェン。没年からすると、実は何気に今年は「没後180年」のようですが、さほど騒がれてはいないような気もするベートーヴェンはどんな生涯を送ったんでしょうか?

≪作曲家の肖像≫
500円クラシック(1)ベートーヴェン
オムニバス(クラシック), ニコラウス・エステルハージ・シンフォニア, ドラホシュ(ベーラ), ベートーヴェン, ソコライ(バラーシュ), ヤンドー(イェネ)
エイベックス・マーケティング・コミュニケーションズ

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【Ludwig van Beethoven】

【ドイツ】
【1770~1827】
【古典派】

(第1話)【宮廷楽師の息子】
1770年12月ベートーヴェンはドイツのボンに生まれます。父親は宮廷音楽家でテノール歌手を務めるヨハンで、母親は料理人の娘マリア・マグダレーナでした。

ベートーヴェンの祖父も宮廷音楽家で、楽長を務めていた事もあって、ベートーヴェンが音楽に接するのも当然の環境となっていたようです。そして、父ヨハンも息子ベートーヴェンに才能があると見たのか、宮廷音楽家の息子なら当然と思ったのかベートーヴェンにクラヴィア(ピアノの前身の楽器)を教え込むのでした。

父ヨハンのクラヴィアの教え方は、かなりスパルタだったらしくベートーヴェンが泣きながら練習をする姿を見たという話も残っているようです。また、アルコール中毒であったとされる父ヨハンは酔っ払って帰宅すると、寝ているベートーヴェンを起こして朝まで練習をさせるという話まであるようですから、相当過酷な練習をさせられていたようです。

そんな苦労の練習の成果を披露しようと父ヨハンは演奏会を開催するのでした。1778年ベートーヴェンは既に7歳になっていましたが、当時はモーツァルトが既に「神童」として世間を賑わしていたいた事もあって、年齢を偽って6歳としてケルンの演奏会にデビューさせるのでした。

しかし、モーツァルトが大喝采を受けてその後、演奏旅行を行ったのに対してベートーヴェンはさすがに「神童」とまで呼べるほどの評価は受けられず、その後特に演奏旅行という事にはならなかったようです。

しかし、その後も父の所属する宮廷楽団のメンバーから指導を受けクラヴィアの技術を磨いていくのでした。更に国民劇場の音楽監督だったクリスチャン・ネーフェがボンに訪れると、父ヨハンも当然これに目を付けて息子ベートーヴェンへの指導を依頼するのでした。

ネーフェはベートーヴェンへの課題としてバッハの「平均率クラヴィア曲集」を課していたようですが、ベートーヴェンはこれを見事に弾きこなしていたようです。更に宮廷オルガニストも務めていたネーフェは、自分が留守にした際にオルガン演奏をベートーヴェンに任せるなど、ネーフェの指導の下にめきめきとその実力を発揮していくのでした。

更に成長するベートーヴェンの才能を見抜いたネーフェはベートーヴェンの作曲したピアノソナタ「3つの選帝侯ソナタ」などの出版の面倒を見るのでした。

1784年選帝侯が他界し、マックス・フランツが新しい選帝侯に着任すると、財政再建のため宮廷楽師たちにも大規模なリストラが行われますが、ネーフェの指導の甲斐もあってベートーヴェンは見事に宮廷楽師として第2オルガニストとして任命されて、初めて俸給を受ける身分になるのでした。こうして14歳の少年ベートーヴェンの音楽家としての人生が始っていくのでした。



宮廷音楽師の一家に生まれ、音楽家になることは半ば運命付けられていたような生い立ちですが、早くから厳しい父親の指導を受け、ネーフェ氏と出会ってからはその実力を開花させてきたようですが、その後はどうなるのでしょうか?このつづきはまた明日。

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歌劇「魔弾の射手」序曲 (ウェーバー作曲)

2007年04月16日 | 序曲と前奏曲
たまには、クラシック音楽を聴いてみてはいかがですか?

今日はウェーバー:歌劇「魔弾の射手」序曲です。


ウエーバーの代表作とも言える、歌劇「魔弾の射手」です。ストーリーは・・・、ボヘミアの森林近くに住む狩人マックスが、森林官の娘アガーテと結婚しようとしますが、その条件として射撃大会で優勝する事が父親の森林官から言われているのでした、ところが最近射撃の腕前の調子が悪いマックスは、同僚カスパールにその事を相談すると、カスパールは「悪魔に魂を売って“魔弾”を手に入れろ」と言うのでした。

「魔弾」の命中率は百発百中ですが、最後の一発は悪魔の望むものに命中してしまう呪われた弾なのでした。
恋人の不振を心配するアガーテの気持ちをよそに、マックスとカスパールは悪魔を呼び出し「魔弾」を手に入れるのでした。
そして「射撃大会」の当日マックスは魔弾の力を借りて見事な成績を収めます。すると領主はマックスに「あの鳩を撃て」と命じられマックスが最後の魔弾を放つと、それはアガーテにあたってしまいます。
しかし、アガーテは花冠のおかげで無傷でしたが、変わりにカスパールが魔弾の犠牲になっていたのでした。マックスが事の真相を領主に話すと、追放処分になりかけますが、どこからともなく表れた森の隠者のとりなしによって、1年の執行猶予の後にアガーテとの結婚を許される。というお話のようです。

 
 弦楽器が不安を感じるような、フレーズから始ります。曲調が落ち着いてホルンの
 やわらかい響きが始ると、森林を臨む大自然の中に居るようなさわやかな空気を
 感じます。
 しかし、弦楽器は再び不安を感じさせるざわついたフレーズを奏でると、テンポも
 速くなり、緊張感を持った激しいフレーズが渦巻いていきます。
 そしてホルンが大きく叫ぶと、クラリネットのソロが始ります。最初は悩ましげな
 表情ですが、それはやがて明るいものに変わり曲調も明るくなっていきます。
 明るい曲調がトランペット等を加えていき、だんだん派手になっていくと、激しい
 曲調は再び緊張感を持った厳しいものになっていきます。
 そして一瞬、静かになったかと思うと、トランペットと共にオーケストラが大きな
 フレーズをひとつ。そこから派手に盛上がって曲を締めくくります。
 
 
人里から遠く離れた平和な田舎町で、ふとしたきっかけで起きた大事件みたいな感じのストーリー展開をそのままに、序曲の方もとても劇的な展開を聴かせてくれる内容になっていると思います。
CDでは、「序曲集」みたいなオムニバス版に収録されている事が多いようです。



≪オススメCD≫
名盤トスカニーニの1枚でどうぞ。
運命の力~オペラ序曲集
NBC交響楽団, ウェーバー, トスカニーニ(アルトゥーロ), ヴェルディ, トマ, スメタナ, エロール, モーツァルト
BMG JAPAN

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【コレってどんな曲】
喜:☆☆☆☆★
怒:☆☆☆☆★
哀:☆☆★★★
楽:☆☆☆★★

≪おすすめシチュエーション≫
ドラマチックな展開が凝縮された序曲です。


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ゲーム「ブラボーミュージック」

2007年04月15日 | テレビでクラシック
たまには、テレビでクラシックを楽しんでみてはいかがですか?

今日はゲーム「ブラボーミュージック」です。


テレビで・・・と言っても今回はテレビ番組ではなく、ゲームでクラシック音楽を楽しむわけですが・・・、今回紹介するブラボーミュージックは、2001年に発売ですから、かなり前の作品ですし、既にこのゲームで遊んだ人も多いのかもしれませんが・・・、クラシックファンでも意外と知らない人も多いと思うこのゲーム。
せっかくなので、ちょっと紹介してみたいと思います。

一応ストーリーがあって、ブラボータウンのシンボルだった音楽堂が取り壊されることになり、そこに住んでいた妖精のシンフォニーが、主人公タクトのもとにやってきて、「あなたのオーケストラの演奏で音楽堂を救って!」と訴えるのでした・・・。
ただ、この妖精シンフォニーがいきなり英語で「Ⅰ'm Symphony nice to meet you!」とか言い出すので、最初は間違えて英語版か何かを買ってきたのかな?とか思ってだんですが、ちゃんと下には字幕がついてましたから、一安心でしたが、どうなんだろう?

【ゲームの内容】
ゲームのやり方としては指揮者になったつもりで、クラシック音楽のテンポにあわせて、ボタンを正確に押していきながら、ボタンを押す強弱を押し分けていき、曲をひたすら進めていくとてもシンプルなゲームでなんですが、1小節ごとにBravo!(おみごと)good(よろしい)bad(ちょっとマズイ)baaad(サイテー)(カッコ内は雰囲気で異訳してます。)の4段階に評価されていき、Bravo!やgoodの評価を続けてもらうと、画面左にあるテンションメーターが上にいる天使に向かって増えていきます。
逆にbadやbaaadの評価をもらってしまうと、テンションが下がり、テンションメーターが無くなってしまうとゲームオーバーになってしまいます。
最終的には1曲中にテンションメーターを上げていって、曲が終わった時点でメーターが満タンになっていればステージクリアとなります。
そして一度メーターが満タンになると多少失敗しても、次の小節でgoodを出せば問題ありませんが、しばらくbad以下の評価が続くと、メーターが紫色の悪魔メーターに変わってしまい、せっかく溜めたメーターも半分くらいになってしまいます。

とは言え、ゲームだし、クラシックの有名な曲ならたいてい知ってるし、まあお遊びくらいの感じで、面白かったら友達にこのゲームを勧めて、それがきっかけで本物のクラシック音楽を聴いてもらえればなぁ!?くらいで初めてみたんですが・・・、


【実際にやってみると】
最初のステージはデートの待ち合わせをした二人のアニメーションをバックに「ブラームスのハンガリー舞曲第6番」を演奏するんですが、普通は第5番の方が有名なのに…とか重いながらも、まあそんなに大した変わりは無いから、そんなに聴いたことのない曲だけど、「まあ雰囲気で出来るだろう!」とタカをくくっていたんですよ・・・。
それで、曲が始ると・・・、これが結構難しい、ひし形の4つのポイント(4拍子とか2拍子)に曲のスピードによって移動するボールが重なったときにボタンを指定された3段階の強さで押せばいいだけなんですが、1拍ごとにタイミングと強さが合っていて、はじめて○(マル)をもらい、1小節(ボールが1週すると)のうちに全部が○でgood全部が◎だとBravo!の評価をもらえるんですが、タイミングがズレているとslow(遅い!)とか音量(ボタンを押す強さ)が違うとダメで、

同時に流れている、アニメーションでは遅刻して待ち合わせ場所に待たせていたハニーの機嫌を取りながら勧めていくんですが、badなんかが、みるみるうちにたまっていって、メーターが下がる下がる、なんとか機嫌を取ろうとするダーリンはハニーにひっぱたかれるし、そうかと思うと、カフェのパラソルは閉まるし、乗ってきた車は壊れるし、挙句の果てには空も曇って家まで廃れてきたりします。そんな演奏を続けているうちにメーターが無くなってしまい、最後まで曲を演奏させてくれなかったりします。(ゲームオーバーなんですね。)
で、どうにか最後まで演奏できた!と思っても最後にメーターが満タンになっていないと、ダーリンがハニーに花束を渡してもフラれてしまいます。

一方、ちゃんとテンポと音量が合っていると、Bravo!とgood評価が付いて、メーターが満タンになると、ハニーもダンスを踊り出し、花壇の花は咲き乱れ、おまけに家まで踊り出すから、やっていると気分がいい!ってな具合です。演奏が終わった時点でテンションメーターが満タンならばダーリンはハニーに花束を受け取ってもらい、二人は熱い抱擁でハッピーエンドになります。
無事に1曲演奏して見事Bravo!の評価を受けると

Bravo!! 25%
Good! 44%
Bad! 22%
Baaad!! 9%
 総合評価  Bランク  
と演奏に評価を付けてくれます。(くぅぅうナマイキィ~!)

こんな具合で各ステージごとにいろんなアニメーションがありますが、(面白いんだけど)それに見とれていると、曲をしっかり演奏できなくなってしまいます。

【感想は・・・、】
最初は、「だいたい聴いたことある曲が多いし、テンポと強弱を付けるだけだから、クラシックならそこそこ知ってるし、そんなにてこずる事は無いだろう。」と、ハッキリ言ってナメてかかってたんですが、思いの他難しいですコレ!
しかもゲームなので、曲も原曲にアレンジが付けてあるようですから(当たり前なんだけど、)初めてやると、「そこでそうなるのね・・・。」なんて事もあります。
なので、何回かやって出来ないと、「チクショ~!!」と思ってムキになってやってましたが、(模範演奏なんかを聴いて)慣れてきてコツが掴めてくると、結構ハマってしまいました。

今回、この記事を書くにあたって久々にやってみましたが、やっぱり最後まで演奏するのに結構時間がかかってしまいました。(トホホ…。)

【ポイント】
難易度は2種類でEASYとNOMALがあって、最初は別にノーマルでいいやと油断してやっていましたが、ノーマルでも結構難しいです。イージーで感覚を掴むとノーマルでもなんとなくゲームのリズムが掴めるので、最初はイージーでやってみた方がいいかも?

収録曲は全部で34曲ありますが、いずれも1曲あたりは、5~10分程度ですし、ゲーム用に微妙にアレンジされていますから、原曲に慣れている人はちょっと注意が必要かも?

最初から収録されている全曲が演奏できる訳ではなく1ステージで1曲ずつクリアしていかないと、次の曲が演奏できないので、そこもご注意を!

ストーリーでステージクリアするためにはゲームの指定したテンポと音量(ボタンを押す力加減)で演奏しなければならないので、最初から自由なテンポで演奏するとステージクリアは難しくなります。(各ステージクリア後には自由なテンポと強弱で演奏しても最後まで演奏できるようになります。)


【やり込むと】
ステージが進むとフェルマータ(ほどよく伸ばす)がゲーム中では☆記号で出てきたりとか、→(矢印)記号が出てきてシンバルの方向とか、新しい楽器の表れる指示を出したりとかしながら、難易度が上がっていきます。1ステージをクリアすると、その曲を何度でも演奏できるようになり、Free PlayモードでテンポナビをOFFにすれば、自分の好きなタイミングと強弱を付けて指揮者気分で演奏することができるようになります。
1曲あたりほぼ原曲に忠実にアレンジされているようには思いますが、演奏時間はだいたい5分程度の曲が多いようです。

11ステージ(11曲)をクリアすると、それまでの11曲が順不同で自由に演奏できるようになり、再度(2周目に)その曲の序盤にBravo!やgoodを連発してメーターを満タンにすると、途中から新しい曲に変わりその曲をテンションメーター満タンで最後まで見事に演奏すると、新しい曲が演奏できるようになります。

【収録曲目】
ハンガリー舞曲第6番:ブラームス作曲
ハンガリー舞曲第5番:ブラームス作曲
魔法使いの弟子:デュカス作曲
雷鳴と稲妻:ヨハン・シュトラウスⅡ世作曲
動物の謝肉祭から「フィナーレ」:サン・サーンス作曲
フィガロの結婚:モーツァルト作曲
白鳥の湖から「情景」:チャイコフスキー作曲
「カルメン」から「闘牛士の歌」:ビゼー作曲
組曲「惑星」から「火星」:ホルスト作曲
はげ山の一夜:ムソルグスキー作曲
剣士の入場:ユリウス・フチーク作曲
星条旗よ永遠なれ:スーザ作曲
「くるみ割り人形」から「マーチ」:チャイコフスキー作曲
「くるみ割り人形」から「トレパーク」:チャイコフスキー作曲
スラヴ舞曲第7番:ドヴォルザーク作曲
「天国と地獄」序曲:オッフェンバック作曲
組曲「展覧会の絵」から「バーバ・ヤーガの小屋」:ムソルグスキー作曲
組曲「惑星」から「木星」:ホルスト作曲
「白鳥の湖」から「4羽の白鳥の踊り」:チャイコフスキー作曲
組曲「ペールギュント」から「朝」:グリーグ作曲
ラコッツィ行進曲:ベルリオーズ作曲
ウィリアムテル序曲:ロッシーニ作曲
ラデツキー行進曲:ヨハン・シュトラウスⅠ世作曲
威風堂々:エルガー作曲
クシコスポスト:ネッケ作曲
おもちゃの行進曲:レオポルト・モーツァルト
アイネ・クライネ・ナハトムジーク:モーツァルト作曲
「くるみ割り人形」から「葦笛の踊り」:チャイコフスキー作曲
「アルジェリア組曲」から「フランス軍隊行進曲」:サンサーンス作曲
熊蜂の飛行:リムスキー・コルサコフ作曲
ディベルティメントK113:モーツァルト作曲
組曲「展覧会の絵」から「殻のついたひなの踊り」:ムソルグスキー作曲
「アルルの女」から「ファランドール」:ビゼー作曲
組曲「ペールギュント」から「山の魔王の広間にて」:グリーグ作曲


【補足】
やっぱりゲームなので、さすがに音は本物ではなく、電子音ですがそれなりの音に聴こえますし、なんと言っても集中してしまうと、気にならないというか、気にしてる余裕がなくなります。
ステージをクリアするごとに演奏できる曲目が増えていきます。



【最後に】
確かこのゲームは発売当初からすぐ購入して結構やっていたと思っていたんですが、久々にやってみると、なかなかどうして、苦戦してしまった自分がちょっと悔しかったりなんかして・・・、しかも、まだ全部クリアしてなかったので、もう一回やり直してみようかな?なんて思ったりしてます。

クラシックを知らない人でも、模範演奏が聴けますから、単純にゲームとしてアニメーションを楽しむのも面白いと思いますし、クラシックファンの人で、「所詮ゲームだし、この程度の短い曲ばかりなら、だいたい知ってるし、自分ならすぐに全部クリアできるんじゃない」とか思ってたら大間違い!結構大変です!!(自分だけなのかなぁ?)自分みたいにムキになってハマってしまって、周りの人に八つ当たりとかしないように、くれぐれも注意してください。(なんちゃって。)

≪ブラボーミュージック≫
現在は中古品しか無いようですが、安いから時間のある人は試しにやってみると結構ハマってしまうかも?
ブラボーミュージック

ソニー・コンピュータエンタテインメント

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交響曲「イタリアのハロルド」 (ベルリオーズ作曲)

2007年04月14日 | その他の作曲家
たまには、クラシック音楽を聴いてみてはいかがですか?

今日はベルリオーズ:交響曲「イタリアのハロルド」です。

この曲はもともとパガニーニがヴァイオリンの名器ストラディヴァリウスのヴィオラを手に入れたのをきっかけに、ベルリオーズに「ヴィオラ協奏曲」の作曲を依頼しますが、ベルリオーズが第1楽章を完成させてパガニーニに出来栄えを見てもらうと、パガニーニの気に入った内容になっていなかったため、その後ベルリオーズは後半を交響曲風に作曲したという、ちょっと変わった経緯のある曲です。

しかし、上記のエピソードは最近の研究によると、どうも「まゆつばもの」らしいとも言われています。
それにしても、パガニーニのヴァイオリン協奏曲を聴けば分ると思いますが、彼の作風は終始ヴァイオリンが大活躍していますから、ベルリオーズの作曲したオーケストラの活躍を交えたものが気に入らなかったらしい、と言われれば、確かに納得できるような気もしますが…、どうなんでしょう?

ベルリオーズは、この曲のタイトルにもある「ハロルド」をイギリスの詩人バイロンの詩「チャイルド・ハロルドの巡礼」を下に作曲しているようですが、そのストーリーはオリジナルのものを作ったようです。
せっかくなので、どんなお話なのか紹介しようと思ったんですが…、調べ切れなかったのでごめんなさい。しかし、各楽章にはサブタイトルがついていますから、そこからいろいろ想像して聴いてみると、面白いのかもしれません。


 第1楽章(山中のハロルド、憂愁、幸福と喚起の場面):
 おどろおどろしい低音のコントラバスが、怪しげに鳴り響くと、その後を更に
 怪しげなフレーズでファゴット、オーボエが続きます。
 ひたひたと後ろから迫るような、いかにも怪しいゆっくりとした少し長めの
 前奏(イントロ)が終わると・・・、
 フルートがさわやかに響き、ハープのポロポロン♪というやわらかい音が聴こえ、
 うっとりとするような、ヴィオラの甘いソロが始ります。
 それまでの暗い曲調はまるで嘘だったかのように、暖かくしなやかなヴィオラ
 の音色はとても深みのある情感たっぷりのフレーズを聴かせてくれます。
 ソロを挟みながら、ダイナミックなオーケストレーションが華やかに曲を飾り、
 勢いのあるオーケストラサウンドと、なめらかなヴィオラが交互に掛け合いながら
 賑やかに歌い、派手に盛上がると鮮やかに曲を終えます。

 第2楽章(夕べの祈祷を歌う巡礼の行列):
 おだやかなホルンがポーンと鳴ると、伸びやかなオーボエが後に続きます。
 弦楽器が徐々に加わってくると、ヴィオラのソロが表れます。
 ヴィオラはやや、伴奏風なフレーズですが、オーケストラともバランスの
 取れたコジョンビネーションはヴィオラらしい音を聴かせてくれます。

 第3楽章(アブルッチの山人が、愛人に寄せるセレナード):
 フルートピッコロが軽やかに跳びはねるような可愛いフレーズから始ります。
 イングリッシュホルン、フルートがなだらかなソロを聴かせると、ホルンは
 やわらかな音色で合わせ、ヴィオラは裏方に徹します。
 やがて、ヴィオラがフルートやオーボエを誘い出すようになめらかなフレーズを
 奏でると、管楽器のソロがなしなやかなフレーズでそれに応えます。
 そして、3楽章冒頭のピッコロ、フルートのフレーズが始ると、ようやく
 控え目なヴィオラが恥ずかしそうに胸の内を語るようにソロを聴かせていきます。
 
 第4楽章(山賊の饗宴、前景の回想):
 いきなりシンバルがバシーン!と響き勢い良く始ったかと思うと、1楽章冒頭の
 低音の弦楽器のフレーズが始ります。ヴィオラがソロでつなぐと、
 迫力のサウンドは収まり、ます。そして、2楽章、3楽章の緩やかなフレーズを
 ヴィオラが聴かせながらも、合間にはシンバルを強調した迫力のサウンドが
 渦巻きます。
 シンバルに加え、トランペット、トロンボーンの迫力あるファンファーレに
 ピッコロがピリリとスパイスを加えながら、ヴァイオリンが劇的な盛り上がりを
 聴かせると、トロンボーンが豪快なファンファーレを力いっぱい聴かせてくれます。
 ファンファーレが終わると、一旦、落ち着きますが、再びタンバリンが激しく
 打ち鳴らされると、オーケストラは盛大に盛り上がります。
 派手なオーケストレーションが、しばらく続き壮大な迫力を味わえます。
 ようやく静かになってヴィオラのソロが表れたかと思うと、やっぱり最後も
 派手に盛り上がり、めまぐるしいばかりの迫力でオーケストラサウンドを
 これでもかと、言わんばかりに浴びせて派手に終わります。
 
 
情感たっぷりに様々な表情を聴かせてくれるこの曲は、とてもドラマチックな曲です。作曲のいきさつから、後半ではほとんどヴィオラの影が薄くなってしまっていますし、曲名も「交響曲」を冠する事になりましたが、分りやすいフレーズが、聴きやすいのは聴きやすいですから交響曲とか協奏曲とかのジャンルを超えた素晴らしい作品になっていると思います。
演奏時間が40分前後と、若干長めな事と冒頭が恐ろしいほど暗いので、最初はちょっと抵抗があるかもしれませんが、あの「幻想交響曲」を思わせるダイナミックな迫力は、充分に聴き応えのある一曲だと思います。


≪オススメCD≫
迫力のサウンドを是非お楽しみください。
ベルリオーズ:交響曲「イタリアのハロルド」
インバル(エリアフ), フランクフルト放送交響楽団, バシュメト(ユーリ), ベルリオーズ
コロムビアミュージックエンタテインメント

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【コレってどんな曲】
喜:☆☆☆★★   →賑☆☆☆☆☆
怒:☆☆☆★★
哀:☆☆★★★
楽:☆☆☆★★

≪おすすめシチュエーション≫
劇的でドラマチックな展開が楽しめます。


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交響曲第1番「古典交響曲」 (プロコフィエフ作曲)

2007年04月13日 | その他の作曲家
たまには、クラシック音楽を聴いてみてはいかがですか?

今日はプロコフィエフ:交響曲第1番「古典交響曲」です。

この曲はプロコフィエフが「もしもハイドンが生きていたらこんな曲をかいただろう」というコンセプトの下に作曲した曲です。
ハイドンは古典派の作曲家ですから、「古典交響曲」というネーミングになったようです。

確かにプロコフィエフの他の曲とは違った作風ですが、ハイドンの古典的な要素を入れつつも、明らかににそれとは違ったプロコフィエフ独自の曲調は、ある種変わった新鮮な曲に聴こえてきます。

とても賑やかな曲ですが、それ程派手になりすぎる事も無く、全体的には軽快な曲調を保ちながら、いろいろ聴かせてくれる曲です。


 第1楽章:勢いよく始ると、弦楽器の小刻みなリズムにあわせてフルートなどの
 木管楽器が楽しく流れ出します。
 やがてリズムがコミカルなファゴットに変わっていきます。
 ひと通り終わると弦楽器の層も厚くなり、トランペットを加えて激しく盛上がって
 いきますが、だんだん曲調が落ち着いてくると、最後もきれいにまとめて
 終わります。

 第2楽章:中音の弦楽器が静かに始ると、ヴァイオリンの高い音色が鮮やかに
 響き渡り、なだらなかメロディを聴かせます。
 そしてファゴットとピチカートのリズムがどこまでも続いていきます。
 そのリズムはやがて大きくなり盛上がっていきます。
 リズムが再び小さくなると、ヴァイオリンの音色が表れます。
 木管楽器が彩りを加えながらだんだん大人しくなり静かに終わります。

 第3楽章:ヴァイオリンがギクシャクしながら流れるように、独特のフレーズ
 を奏でていきます。
 木管楽器のリズムになると、オーボエの軽妙なソロが表れます。
 その後はフルートのおどけたようなソロが鳴ると、静かに終わっていきます。
 
 第4楽章:バスドラム(大太鼓)がひとつ響くと、それを合図に勢い良く素早い
 弦楽器のメロディがどんどん駆け出すように流れます。
 フルートはそのスピードのために風になびくようにヒラヒラと踊るように
 鳴ります。まるでスピード命のように勢いを止める事無くどんどん曲を前に
 勧めていきます。
 軽快に次々と流れる弦楽器に木管楽器もそれをはやし立てるように盛り上がり
 るとアッという間に終わります。
 
 
演奏時間も1楽章あたり3分前後と、交響曲としては非常に短く、全曲あわせても15分足らずですから、聴くのに時間はかからない交響曲です。
終始軽妙なリズムが続き、なんだか、からかわれているような気もする曲ですが、面白おかしく聴ける一曲だと思います。


≪オススメCD≫
このジャケットみたいなイメージの曲です。
プロコフィエフ:交響曲第1番&第5番
レヴァイン(ジェイムズ), シカゴ交響楽団, プロコフィエフ
ユニバーサルクラシック

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【コレってどんな曲】
喜:☆☆☆☆☆
怒:☆☆★★★
哀:☆★★★★
楽:☆☆☆☆★

≪おすすめシチュエーション≫
ちょっと変わった雰囲気の面白い曲です。


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ジャズ組曲第1番 (ショスタコーヴィチ作曲)

2007年04月12日 | その他の作曲家
たまには、クラシック音楽を聴いてみてはいかがですか?

今日はショスタコーヴィチ:ジャズ組曲第1番です。

この曲は「ジャズ」というタイトルがついていますが、現在言われているいわゆるジャズの曲とはちょっと雰囲気が違うようです。
CDの解説によると、1930年代にソ連でジャズ音楽(厳密な意味でのジャズではなく広義のダンス音楽全体をさしている)の人気が急激に上昇したことを受けて、ショスタコーヴィチが作曲した・・・曲のようです。

独特のリズムと軽妙なニュアンスがなんとも微妙な雰囲気を味わえる、ある種変わった様相の曲が、とても面白おかしく聴ける曲なんだと思います。


 ワルツ:ズンタッタ♪のリズムに乗せてトランペットが怪しげなメロディを奏でると
 その後をソプラノサックスとヴァイオリンが続きます。
 そして、少し軽妙な雰囲気に変わると、ヴァイオリンが小走りなフレーズを聴かせ
 ながらテナーサックスと掛け合います。
 後半はヴァイオリンを軸にサックスと絡みながら独特の雰囲気を作っていきます。

 ポルカ:トランペットが軽く鳴らすと、シロフォン(木琴)が愉快なメロディを
 歌います。軽快なテンポに乗って、コミカルなトランペットが楽しく入ります。
 その後もテナーサックスがとぼけたように響きます。
 最後はヴァイオリンがキリッと締めて曲を終わります。

 フォックストロット:スネヤドラムのリズムにトランペットが合わせると、
 テナーサックスの妖艶な雰囲気が怪しく迫ります。
 トランペットの間奏を挟んで低音のヴァイオリンが響くと今度はトロンボーン
 がスライドを巧みに使ったメロディを聴かせます。
 再びトランペットが入ると軽妙な雰囲気になります。
 そしてトロンボーンがのんびりとフレーズを聴かせ、最後にサックスを聴かせて
 曲を終わります。
 
個人的には「ジャズ」と言うより「昭和歌謡」(ちょっと違うのかな?)のにおいが漂う独特の雰囲気を持ったこの曲は結構好きです。クラシックともジャズとも違うような別なジャンルのようにも思えますが、当時の雰囲気がなんとなく味わえるようなとてもユニークな曲だと思います。
その意味ではとても新鮮な感覚を味わえる一曲です。
演奏時間も1曲当たり3分前後ですから、すぐに聴けてしまう曲ばかりです。


≪オススメCD≫
ショスタコーヴィチの交響曲と一緒に入ってます。
ショスタコーヴィチ:交響曲第11番
ヤンソンス(マリス), フィラデルフィア管弦楽団, ショスタコーヴィチ
東芝EMI

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【コレってどんな曲】
喜:☆☆★★★
怒:☆★★★★
哀:☆☆☆★★
楽:☆☆☆★★

≪おすすめシチュエーション≫
なんとなく懐かしい雰囲気を味わえます。


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組曲「マ・メール・ロワ」 (ラヴェル作曲)

2007年04月11日 | ちょっとした曲
たまには、クラシック音楽を聴いてみてはいかがですか?

今日はラヴェル:組曲「マ・メール・ロワ」です。

この曲はラヴェルがマザーグースを題材にピアノのために作曲した作品ですが、いわゆるピアノ連弾作品で、1台のピアノに二人並んで仲良く弾くための作品です。
ラヴェルはこの曲を友人の子供(兄妹)のために作曲したようです。なので、特に難しい技法が使われている事もないので、比較的簡単に弾ける作品のようです。(ピアノ弾けないので実際はどれくらい難しいかは分らないんですけど、)

全5曲にはそれぞれタイトルがついていて、組曲のスタイルで作曲されています。また、後にはラヴェルによってオーケストラ用にも編曲されていて、更にそのオーケストラ版とは別にバレエ音楽としても編曲された作品があるようです。


 第1曲(眠りの森の美女のパヴァーヌ):しとしとと降る小雨のような少し悲しい
 ピアノがゆっくりと流れます。
 やがて曲がテンポに乗って流れてくると、とても不思議なメロディが淡々と
 聴こえてきます。幻想的な雰囲気はとても神秘的です。
 森の中をてくてくとどこまでも歩いていくようなそんな曲です。

 第2曲(おやゆび小僧):軽やかなリズムに乗って、可愛らしいフレーズが
 流れてくると、小さな小人が駆け出していくように聴こえます。
 中盤では無鉄砲に走り出した小人が、道に迷ってしまったようにさまよう
 ようなフレーズも聴こえますが、すぐに元の道に戻ってまた走り出して
 いってしまうようです。

 第3曲(パゴダの女王レドロネット):静かにそうっと響くピアノは、
 おしとやかな女王様と言うより王女様みたいな感じに聴こえます。
 たいくつな女王様は、ぼうっと窓の外を眺めているようなそんな曲です。
 
 第4曲(美女と野獣の対話):低音の響きは野獣でしょうか?そして途中から
 流れてくる高音は美女の方かな?二人の話は口論になり、野獣が美女を
 問い詰めていくように聴こえてきます。
 しかし、口論に疲れた二人はふっとため息をついて最後は大人しく静かに
 終わります。
 
 第5曲(妖精の園):中低音のけだるいフレーズが、流れてきます。
 仲間とはぐれてしまった妖精が寂しそうにひとりぼっちになってしまった
 んでしょうか?
 寂しくなった妖精はキラリと輝くような涙を落とすように高音のピアノが
 流れるフレーズが聴こえてきますが、後半ではようやく仲間にめぐり会えた
 ようにおおはしゃぎで、仲間の元へ駆け寄っていくような、
 そんなハッピーエンドで曲を終わります
 
タイトルがついていますから、おそらくマザーグースに出てくるお話に沿ったイメージでラヴェルが作曲していると思いますが、
上の記事の内容は、書くときに特にマザーグースを読んで書いた訳ではなく曲を聴いた感じで、なんとなく雰囲気を想像しながら書いてみました。なので実際にラヴェルがマザーグースから感じた内容ではありませんから、一応、誤解の無いようにお願いします。

それにしても、こんな風にタイトルと聴こえてくる曲をいろいろ感じて聴いてみるのも面白いんじゃないでしょうか?(どうだろう?)
 

≪オススメCD≫
その他ラヴェルのピアノ作品もいろいろ聴けます。
ラヴェル:ピアノ全集(1)
フランソワ(サンソン), ラヴェル
東芝EMI

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【コレってどんな曲】
喜:☆☆☆★★
怒:☆★★★★
哀:☆☆☆☆★
楽:☆☆★★★

≪おすすめシチュエーション≫
ラヴェルの幻想的な世界を楽しめます。


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