初心者のクラシック

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交響曲第5番「宗教改革」 (メンデルスゾーン作曲)

2007年04月22日 | その他の作曲家
たまには、クラシック音楽を聴いてみてはいかがですか?

今日はメンデルスゾーン:交響曲第5番「宗教改革」です。

この曲はアウグスブルクで開催されるルターの宗教改革300年祭のために作曲されたようです。しかし、この曲が完成して演奏する事になると、その作曲法がパリの管弦楽団からの評価を得られず、演奏を拒否されてしまったというエピソードがあるようです。

そのため、実際には交響曲第1番の次に作曲されてはいたものの、結局生前には出版される事はなく、その死後20年近く経ってからようやく出版された曲のようです。


 第1楽章:静かな雰囲気の中から弦楽器が浮かび上がるようにそうっと流れます。
 フルートがさわやかに響くと、とても心地よいフレーズに聴こえます。
 やがてトランペットや金管楽器が徐々に近づいてくるように大きくなり緊張感
 を持った曲調になっていきます。
 静かな弦楽器のフレーズに響く金管楽器はどこと無く虚しく響くように聴こえます。
 そして、ティンパニ(大太鼓)のドラムロールから、厳しい表情のフレーズが
 始ると、苦悩を表すような弦楽器の激しいフレーズが鳴り響きます。
 激しく強く、訴えかけてくるこのフレーズが鋭い曲調で荒れ狂う嵐のように
 吹きすさんでいきます。
 終盤に、ようやく激しい曲調が収まり再び弦楽器の落ち着いた大人しいフレーズ
 が流れはじめると、絶望感のような感覚さえ覚えてしまいます。
 そしてラストはありったけの力を振り絞って、弦楽器をはじめとしたオーケストラ
 がメインテーマを歌ってティンパニのドラムロールと共に曲を終えます。 

 第2楽章:それまでとは打って変わって、スッキリと晴れ渡るようなさわやかな
 フルートのメロディが明るく流れ始めます。
 そしてホルンで勢いをつけると、弦楽器は更に明るく大きなフレーズを鳴らし、
 曲を盛上げます。大胆なフレーズと、明るく可愛らしいオーボエやフルートの
 音色が絶妙なハーモニーを生み出すと、とても明るく前向きな気持ちになれます。
 
 第3楽章:弦楽器の寂しげな音色が切なく響きます。ヴァイオリンの悲しくも
 美しい音色は何を物語っているのでしょうか?
 繊細で透明感のあるヴァイオリンの音色が、しなやかに曲を作り出すと、
 同情をせずにはいられないような、とても切なく胸を締め付けられるような
 美しいメロディを聴かせてくれます。
 終盤にはティンパニがひとつ、強く何かを投げかけてきますが、力無く、
 打ちのめされるように曲を静かに終わります。
 
 第4楽章:さわやかな朝を思わせるようなフルートの音色が始ると、オーボエや
 クラリネットがフルートを包むように曲を作り出します。
 しなやかな弦楽器が表れると、生気にあふれ、光が差し込むような晴れやかな
 雰囲気になります。
 ティンパニがなり始めると、曲に勢いがつき、ダイナミックなオーケストレーション
 が始っていきます。
 そして、一度フルートが曲を仕切りなおすと、軽やかなメロディラインから
 チェロのしなやかな響き、そしてクラリネットがまろやかなソロを聴かせて
 再び壮大なオーケストラのテーマが流れ出します。
 トランペットが華やかに響き、弦楽器が賑やかに歌うと最後はティンパニが鮮やかに
 鳴り響き見事にラストを飾ります。

一般的には、比較的マイナーな部類に入るこの曲ですが、久々に聴いてみると、なかなかドラマチックな展開があって様々な展開が彩り豊かに表現された聴き所のある曲だと思います。ただ、どうしても第1楽章が暗めで激しいフレーズなので、自分も最初はあまり聴いていない曲だったんですが、改めて聴いてみるといろんな魅力を再発見できる曲なのかもしれません。
作曲依頼の経緯があったので仕方が無いのかもしれませんが、「宗教改革」というタイトルが、どうも堅苦しいイメージを増幅させる感がある気もしますが、曲を聴くだけなら、その辺はあんまり気にしない方が、曲に集中して聴けるのかもしれません。


≪オススメCD≫
アシュケナージとベルリンフィルでどうぞ。
メンデルスゾーン:交響曲第1番・第5番「宗教改革」 アシュケナージ/ベルリン・ドイツso.
メンデルスゾーン, ヴラディーミル・アシュケナージ, ベルリン・ドイツso.
ユニバーサルミュージック

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【コレってどんな曲】
喜:☆☆☆★★
怒:☆☆☆★★
哀:☆☆★★★
楽:☆★★★★

≪おすすめシチュエーション≫
それぞれの楽章の移り変わりが聴き所かも


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