たまには、クラシック音楽を聴いてみてはいかがですか?
今日はシューベルト:冬の旅(第2部)です。
さて、昨日に引き続き「冬の旅」の第2部です。
ちなみにシューベルトは、当初12曲で完成していたようですが、ミュラーの詩に続編がある事を知ると、その後第2部として更に12曲に曲をつけます。
今回の第2部もオススメCDの歌詞カードを元に文量を約5~8割程度に略してお送りします。(歌詞のみ)
13:郵便馬車
郵便馬車のラッパが響く、何故舞いあがるのか?心よ
手紙など来るはずもない、何故高鳴るのか?心よ
郵便馬車は彼女の住む土地から来たのだ、心よ
尋ねたいのかあの町の様子を、心よ
14:白い頭
霜が髪に白さをふりまくと、僕は老人になったかと喜んだ。
霜が解けると黒髪に、自分の若さがおそろしい。墓場までなんと遠い事か。
夕焼けから朝日がのぼるまでに、白髪になる人が大勢いるという、
信じられるものか?僕の頭は長旅の間に白くならないのに。
15:鴉
鴉が一羽、町から着いてきた。
鴉よ、僕を見捨てないのか?僕の体を餌食にしようとしてるのか?
これ以上さすらいの杖にすがる事は無い。
鴉よ、墓場まで誠実さを僕に示してくれ。
16:最後の希望
木立の枝に色づく葉が何枚も見える。その前に沈み立ちすくむ。
僕はその一枚の葉に希望をかける。
風がたわむれれば、僕は震える。そして葉が落ちれば希望も絶える。
僕も地面にくずれ、希望の墓に泣き伏す。
17:村にて
犬たちは吠え鎖が鳴る。
人々はベッドで眠り、持たぬものを夢に見て満足に浸る。
明日の朝には空しくなるのに。それもよかろう、一応楽しいのだから。
そして、その楽しみを布団の上で思い出そうとしているのだ。
吠えつづけろ犬どもよ!寝る時も僕を休ませないでくれ!
僕は夢とお別れだ―。何故眠る人の中に留まろうとするのか?
18:嵐の朝
激しい嵐は、灰色の衣を引き裂く。疲れ切った雲が空一面に飛んでいく。
その雲間をぬって、赤い光の炎が差す。
これこそ僕の気持にぴったりの朝だ!
この空に自分の姿が描かれているように見える。
それはまさに寒く厳しい冬そのものだ!
19:幻
明いものが僕の前を舞い上がっていく。
僕はその光に着いていきながら気付く、それが旅人を惑わそうとしている事に。
みじめな僕は、このまやかしに身を任せる。
そのまやかしは、氷と夜と恐怖の彼方に明く暖かい家を示す。
その家には愛しい人が――
幻だけが、僕の手に入るものだ。
20:道しるべ
他人の通る道をなぜ僕は避けるのか?雪に隠れた道を探すのか?
他人を怖れるような悪事を働いた訳ではない。
なんと馬鹿げた欲求が僕を駆り立てるのか?
道しるべは方々の町へ通じる道を示す。
僕はあてもなく、休まずに歩きつづけ、休息を求める。
ひとつの道しるべが見える。誰も戻らなかった道を行かねばならない。
21:宿屋
道に導かれたある墓地で宿を取ろうと考えた。
墓にかかる緑の花環は、宿屋へ招く目じるしになるかもしれない。
この宿屋は満室か?僕は致命傷を負って疲れて倒れそうだ。
無慈悲な宿屋よ、それでも僕を拒むのか?
ならばひたすら先へ進もう、忠実な杖よ。
22:勇気を!
雪が吹けばふるい落とし、心がぐちを言えば明く歌う。
心の声に耳を傾けたりしない。心の嘆きなど感じない。
嘆きは愚か者のする事だ。
風と嵐に逆らってハツラツと世の中へ、
神が地上にいなければ、僕たち自身が神になろう!
23:幻日
空に太陽が三つ見えた。それを長く見つめていた。
太陽はまるで僕から離れたがらないようにそこに居る。
おまえたちは僕の太陽じゃない、覗くなら他の人にしてくれ!
確かにこの前まで僕も太陽が三つあった。
今では二つ欠けて残るひとつも消えればいい!
暗闇の方が僕にはずっと快いだろう。
24:ライアー回し
村はずれにライアー回しが立っている。
彼にできる曲を回している。
氷上を裸足で行ったり来たりする。しかし、彼の皿は空のままだ。
誰も彼に目を向けず音楽を聴かない。そして犬どもがこの老人を囲んで唸る。
老人は全てを身に任せ回す。ライアーは決して静まらない。
変わった老人と一緒に行くのか?
僕の歌でライアーを回してくれるのか?
※ライアー=ハーディ・ガーディ(リュートやギターみたいな形をして下にはハンドルがついており、それを手で回して弦を鳴らす楽器)地域によって呼び名が変わるらしい。
詩の内容もそうですが、曲もかなり暗く、結構地味な曲です。かなりネガティブな内容ですし、初心者向きとは言えない曲かもしれません。
ピアノの伴奏一本で、男声が淡々と歌うこの曲ですが、全曲を通して激しく盛り上がったり、悲しく消えるように静かになったりと、かなり起伏の激しい曲でもあります。
なので、最初聴くとちょっとあまりの暗さに引いてしまうかもしれませんが、それを分かった上で聴くとかなり奥の深い曲です。
改めて歌詞を見直してみると女性より男性の方が失恋のショックから立ち直るにはかなり時間がかかるのかな?なんて思ったりして。
かなりロマンチックでナルシスト的な印象を受けます。
背中に影のあるシブイ男の哀愁漂う後ろ姿といったところでしょうか?
しかし、歌曲の中でも1・2を争う名曲として現在でも人気の歌曲ですから、何かの機会に一度聴いてみるのもいいかもしれません。
≪オススメCD≫
デュースカウなら十八番?
【コレってどんな曲】
喜:★★★★★
怒:☆☆☆☆★
哀:☆☆☆☆☆
楽:☆★★★★
≪おすすめシチュエーション≫
フラれたときの男心が分かるかも?
今日はシューベルト:冬の旅(第2部)です。
さて、昨日に引き続き「冬の旅」の第2部です。
ちなみにシューベルトは、当初12曲で完成していたようですが、ミュラーの詩に続編がある事を知ると、その後第2部として更に12曲に曲をつけます。
今回の第2部もオススメCDの歌詞カードを元に文量を約5~8割程度に略してお送りします。(歌詞のみ)
13:郵便馬車
郵便馬車のラッパが響く、何故舞いあがるのか?心よ
手紙など来るはずもない、何故高鳴るのか?心よ
郵便馬車は彼女の住む土地から来たのだ、心よ
尋ねたいのかあの町の様子を、心よ
14:白い頭
霜が髪に白さをふりまくと、僕は老人になったかと喜んだ。
霜が解けると黒髪に、自分の若さがおそろしい。墓場までなんと遠い事か。
夕焼けから朝日がのぼるまでに、白髪になる人が大勢いるという、
信じられるものか?僕の頭は長旅の間に白くならないのに。
15:鴉
鴉が一羽、町から着いてきた。
鴉よ、僕を見捨てないのか?僕の体を餌食にしようとしてるのか?
これ以上さすらいの杖にすがる事は無い。
鴉よ、墓場まで誠実さを僕に示してくれ。
16:最後の希望
木立の枝に色づく葉が何枚も見える。その前に沈み立ちすくむ。
僕はその一枚の葉に希望をかける。
風がたわむれれば、僕は震える。そして葉が落ちれば希望も絶える。
僕も地面にくずれ、希望の墓に泣き伏す。
17:村にて
犬たちは吠え鎖が鳴る。
人々はベッドで眠り、持たぬものを夢に見て満足に浸る。
明日の朝には空しくなるのに。それもよかろう、一応楽しいのだから。
そして、その楽しみを布団の上で思い出そうとしているのだ。
吠えつづけろ犬どもよ!寝る時も僕を休ませないでくれ!
僕は夢とお別れだ―。何故眠る人の中に留まろうとするのか?
18:嵐の朝
激しい嵐は、灰色の衣を引き裂く。疲れ切った雲が空一面に飛んでいく。
その雲間をぬって、赤い光の炎が差す。
これこそ僕の気持にぴったりの朝だ!
この空に自分の姿が描かれているように見える。
それはまさに寒く厳しい冬そのものだ!
19:幻
明いものが僕の前を舞い上がっていく。
僕はその光に着いていきながら気付く、それが旅人を惑わそうとしている事に。
みじめな僕は、このまやかしに身を任せる。
そのまやかしは、氷と夜と恐怖の彼方に明く暖かい家を示す。
その家には愛しい人が――
幻だけが、僕の手に入るものだ。
20:道しるべ
他人の通る道をなぜ僕は避けるのか?雪に隠れた道を探すのか?
他人を怖れるような悪事を働いた訳ではない。
なんと馬鹿げた欲求が僕を駆り立てるのか?
道しるべは方々の町へ通じる道を示す。
僕はあてもなく、休まずに歩きつづけ、休息を求める。
ひとつの道しるべが見える。誰も戻らなかった道を行かねばならない。
21:宿屋
道に導かれたある墓地で宿を取ろうと考えた。
墓にかかる緑の花環は、宿屋へ招く目じるしになるかもしれない。
この宿屋は満室か?僕は致命傷を負って疲れて倒れそうだ。
無慈悲な宿屋よ、それでも僕を拒むのか?
ならばひたすら先へ進もう、忠実な杖よ。
22:勇気を!
雪が吹けばふるい落とし、心がぐちを言えば明く歌う。
心の声に耳を傾けたりしない。心の嘆きなど感じない。
嘆きは愚か者のする事だ。
風と嵐に逆らってハツラツと世の中へ、
神が地上にいなければ、僕たち自身が神になろう!
23:幻日
空に太陽が三つ見えた。それを長く見つめていた。
太陽はまるで僕から離れたがらないようにそこに居る。
おまえたちは僕の太陽じゃない、覗くなら他の人にしてくれ!
確かにこの前まで僕も太陽が三つあった。
今では二つ欠けて残るひとつも消えればいい!
暗闇の方が僕にはずっと快いだろう。
24:ライアー回し
村はずれにライアー回しが立っている。
彼にできる曲を回している。
氷上を裸足で行ったり来たりする。しかし、彼の皿は空のままだ。
誰も彼に目を向けず音楽を聴かない。そして犬どもがこの老人を囲んで唸る。
老人は全てを身に任せ回す。ライアーは決して静まらない。
変わった老人と一緒に行くのか?
僕の歌でライアーを回してくれるのか?
※ライアー=ハーディ・ガーディ(リュートやギターみたいな形をして下にはハンドルがついており、それを手で回して弦を鳴らす楽器)地域によって呼び名が変わるらしい。
詩の内容もそうですが、曲もかなり暗く、結構地味な曲です。かなりネガティブな内容ですし、初心者向きとは言えない曲かもしれません。
ピアノの伴奏一本で、男声が淡々と歌うこの曲ですが、全曲を通して激しく盛り上がったり、悲しく消えるように静かになったりと、かなり起伏の激しい曲でもあります。
なので、最初聴くとちょっとあまりの暗さに引いてしまうかもしれませんが、それを分かった上で聴くとかなり奥の深い曲です。
改めて歌詞を見直してみると女性より男性の方が失恋のショックから立ち直るにはかなり時間がかかるのかな?なんて思ったりして。
かなりロマンチックでナルシスト的な印象を受けます。
背中に影のあるシブイ男の哀愁漂う後ろ姿といったところでしょうか?
しかし、歌曲の中でも1・2を争う名曲として現在でも人気の歌曲ですから、何かの機会に一度聴いてみるのもいいかもしれません。
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喜:★★★★★
怒:☆☆☆☆★
哀:☆☆☆☆☆
楽:☆★★★★
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