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脳の掃除屋:不要物食べる細胞を解明=九州大学、山梨大学

2007年04月05日 | 脳、神経
 「脳内の掃除屋」と呼ばれるミクログリア細胞が働く仕組みを、井上和秀・九州大教授(神経薬理学)と小泉修一・山梨大教授らのグループが動物実験で解明し、5日発行の英科学誌「ネイチャー」に発表した。アルツハイマー病などの治療薬開発につながると期待される。

 ミクログリアは、脳細胞の大半を占める「グリア細胞」の一種で、脳内の免疫をつかさどっている。例えば、アルツハイマー病の原因とされるたんぱく質「アミロイドベータ」の脳への蓄積をミクログリアが除去することは分かっているが、具体的な仕組みは判明していなかった。

 研究チームは、生きたラットに神経障害を起こす薬を注射し、記憶にかかわる脳の「海馬」という部分を調べた。薬物刺激によって脳神経細胞が死にかけると、細胞内からDNAの材料として使われている「UDP」という物質が流れ出し、ミクログリアが活性化した。ミクログリアが死んだ細胞に近寄って食べる様子も観察できた。このように脳内の不要物を片付けることによって、新しい神経回路網を作りやすくしているとみられる。

 井上教授は「ミクログリアが脳の健康を維持している仕組みが分かった。これを利用してミクログリアの働きを制御する薬ができれば、アルツハイマー病などの治療に貢献できるかもしれない」と話している。【元村有希子】

[毎日新聞 / 2007年04月05日]
http://www.mainichi-msn.co.jp/science/news/20070405k0000m040170000c.html

九州大学大学院薬学研究院 医療薬科学部門 薬理学分野 のページ(New!)
http://210.233.60.66/~yakkou/


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