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再生医療、薬理学、生理学、神経科学、創薬

塩分取り過ぎ 脳に“抑え役”、濃度検知の細胞=基礎生物研究所

2007年04月05日 | 脳、神経
 脳内の情報伝達を担う神経細胞に栄養分を与えるなどの役目を持つ「グリア細胞」が、体液中のナトリウム(塩分)濃度の上昇を検知し、神経細胞を通じて塩分摂取を抑制させるなどの働きを持つことが、自然科学研究機構・基礎生物学研究所(愛知県岡崎市)の野田昌晴教授らの研究で分かった。高血圧や胃がんの要因といわれる塩分の取り過ぎを抑える新薬開発に役立つ可能性もあるという。4日の米科学誌「ニューロン」(電子版)に掲載された。

 これまでグリア細胞は、神経細胞の支援役と考えられてきたが、今回の研究で、体液中のナトリウム濃度上昇の検知をコントロールしていることが初めて明らかになった。

 野田教授らは、体液中のナトリウム濃度の上がった際に開くセンサーがグリア細胞にあることを発見。濃度上昇は、細胞内のグルコース(糖)代謝を活性化させ、それに伴い作り出された乳酸が、神経細胞に働きかけ、塩の過剰摂取を抑制するように指示するなどの体内信号が出るという。

 野田教授は、「グリア細胞の役割が分かったことで、塩分摂取を抑制する新薬の開発につながる可能性もある」と話している。

[読売新聞 / 2007年04月05日]
http://chubu.yomiuri.co.jp/news_top/070405_2.htm


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