ラットは今日も、きみのために。

マウスも研究者も頑張っています。
医学研究関連記事の新聞紙面から切り抜き
再生医療、薬理学、生理学、神経科学、創薬

乳酸菌:アレルギーの抑制力解明 症状緩和も=東京大学

2008年01月04日 | 食品・栄養
 腸内に存在する乳酸菌の一種が、アレルギーの原因となる免疫細胞を細胞死(アポトーシス)に導くことを、東京大などのグループがマウスの実験で突き止めた。乳酸菌はアトピー性皮膚炎や花粉症などのアレルギー症状を抑えることが報告されているが、メカニズムの一端が明らかになった。欧州の免疫学専門誌「イムノバイオロジー」に掲載された。

 体内では免疫細胞である「Th1」と「Th2」の均衡が保たれているが、バランスが崩れてTh2が増えると「IgE」と呼ばれる抗体が過剰に作られ、アレルギー反応が起きる。アレルギーの人はTh2が過剰な傾向がみられる。一方、アレルギー症状のある子どもは、乳酸菌のビフィズス菌やラクトバチルス菌が腸内に少ないという報告がある。

 東大の八村敏志准教授らのグループが、培養したマウスのTh2細胞にラクトバチルス菌を加えたところ、何も加えない場合に比べてTh2が1割程度多く細胞死を起こすことが分かった。マウスにこの菌を食べさせる実験でも、同様の結果を確認した。

 八村准教授は「乳酸菌はTh1を増やす働きが知られていたが、Th2の細胞死を促してアレルギーを抑える仕組みもある。乳酸菌摂取が症状緩和につながる可能性がある」と話した。【下桐実雅子】

[毎日新聞 / 2007年01月04日]
http://mainichi.jp/select/science/news/20080104k0000e040046000c.html


「乳酸菌摂ってると身体に良いよ~」なニュースは多いですね。

例の「あるある」のような胡散臭いテレビ番組は嫌でしたが、こういう記事は一定の需要があるのでしょうか。意に反して(食品・栄養)カテゴリーも、ずいぶん増えてしまったようです。
乳酸菌、腸内細菌はやっぱり大切なんでしょうね。共棲は他の多くの生物も観察されています。
大きな目で見たら地球環境も人間社会も、一つの共棲システムに組み込まれているように思います。
ファーストフードばっかり食べていないで、今日はチーズとヨーグルトを買って、そしてちょっとエコロジーな週末を過ごそうかと思います。

あなたの眠り 何点? 睡眠計を考案…大阪バイオサイエンス研究所

2008年01月04日 | 心のしくみ
耳から脳波測定 2年内に実用化目指す
 耳に装着して脳波を測り、睡眠の状態を調べる携帯型の「睡眠計」を、大阪バイオサイエンス研究所(大阪府吹田市)の裏出良博・研究部長らが考案し、試作品を完成させた。睡眠の質と量を正確に把握して点数化することも可能で、裏出部長は「家庭での健康管理や居眠り運転の防止などに活用できる」として、2年以内の実用化を目指す。



 裏出部長らは、睡眠時に脳波の成分の一部が消失して単純な波になり、頭の広い範囲で同種の脳波が計測できることに着目。筋肉が収縮する時に発生する信号が計測を妨げるため、信号の影響が少ない耳につける脳波計を作った。

 脳波の波形から、主に体を休める「レム睡眠」と、脳を休める4段階の「ノンレム睡眠」を判別。マウスの実験をもとに、睡眠の深さと覚せいを自動的に判定する解析ソフトを開発し、人間に応用した。

 今後、携帯電話などを介して「睡眠解析センター(仮称)」に伝送、点数化した解析結果を数分で返送するシステムを作る予定。点数が一定以下だと車の運転をやめたり、不眠症の人が自分に合う睡眠導入剤の選別に利用したりすることにも役立つ。データを集積し、年齢や性別、地域ごとに分類した「睡眠脳波データベース」を作ることも検討している。

 健康・体力づくり事業財団などの調査では、日本人の4~5人に1人が不眠と回答し、60歳以上では約30%に上る。睡眠障害は、うつ病、循環器の病気などの引き金になるが、睡眠の状態を知るためには通常、病院などで大がかりな装置を使い、多数の電極を装着して睡眠時の脳波を計測しなければならない。

[読売新聞(関西発) / 2008年01月04日]
http://osaka.yomiuri.co.jp/eco_news/20080104ke02.htm