近畿大生物理工学部4年の森田真裕(まさひろ)さん(22)が、体細胞クローンマウスを作成することに成功した。国内最年少での成功とみられる。熟練した専門家でも、クローン胚(はい)の段階から作成に成功する率は2%以下にとどまるといい、専門家からも称賛の声が上がっている。
体細胞クローンマウスは、卵子の核を取り除き、別のマウスの体細胞の核を移植して作ったクローン胚を、メスの子宮内に着床させて作る。核は直径80マイクロメートル(マイクロは100万分の1)、胚を注入する卵管は直径150~200マイクロメートルと微小で、基礎技術の習得だけで1年近くかかるといわれている。
森田さんは、昨年9月に同学部の三谷匡(たすく)准教授の研究室に入り、発生工学の技術を一から学んだ。夜中に排卵される卵子を新鮮なうちに採取するため、朝7時には実験を始め、休日も没頭した。今年6月にメスのクローンマウスを誕生させ、「風鈴(すず)」と命名。風鈴は9月、自然交配で10匹の子どもを出産し、正常な生殖能力を持つことも示した。
森田さんは「卒業までに成功すれば幸運と思っていたので、自分でも驚いた。教わった技術を一つ一つ丁寧に覚えていったことが良かったのかも。先生や先輩、友達にも助けてもらった」と話す。
97年に世界初の体細胞クローンマウスを誕生させた理化学研究所発生・再生科学総合研究センターの若山照彦チームリーダーは「練習時間の短さは異例で、本当にすごい。世界でも最年少ではないか」と話している。【須田桃子】
[毎日新聞 / 2007年12月26日]
http://mainichi.jp/select/today/news/20071227k0000m040081000c.html
体細胞クローンマウスは、卵子の核を取り除き、別のマウスの体細胞の核を移植して作ったクローン胚を、メスの子宮内に着床させて作る。核は直径80マイクロメートル(マイクロは100万分の1)、胚を注入する卵管は直径150~200マイクロメートルと微小で、基礎技術の習得だけで1年近くかかるといわれている。
森田さんは、昨年9月に同学部の三谷匡(たすく)准教授の研究室に入り、発生工学の技術を一から学んだ。夜中に排卵される卵子を新鮮なうちに採取するため、朝7時には実験を始め、休日も没頭した。今年6月にメスのクローンマウスを誕生させ、「風鈴(すず)」と命名。風鈴は9月、自然交配で10匹の子どもを出産し、正常な生殖能力を持つことも示した。
森田さんは「卒業までに成功すれば幸運と思っていたので、自分でも驚いた。教わった技術を一つ一つ丁寧に覚えていったことが良かったのかも。先生や先輩、友達にも助けてもらった」と話す。
97年に世界初の体細胞クローンマウスを誕生させた理化学研究所発生・再生科学総合研究センターの若山照彦チームリーダーは「練習時間の短さは異例で、本当にすごい。世界でも最年少ではないか」と話している。【須田桃子】
[毎日新聞 / 2007年12月26日]
http://mainichi.jp/select/today/news/20071227k0000m040081000c.html