ホタルの発光効率が定説の半分しかないことを、秋山英文・東京大物性研究所准教授(物理学)らが突き止めた。ホタルの発光効率は現在、知られている生物の中で最も高く、この発見でも地位は揺るがない。しかし、エネルギーを予想以上に浪費していることに、専門家は新たな謎が見つかったと驚いている。科学誌ネイチャー・フォトニクス1月号に掲載される。
研究チームは、全発光量を測定できる装置を開発、ホタルの中で最も明るい光を出す北米産ホタルを調べた。その結果、発光量は最大でも、ホタルの発光物質「ルシフェリン」から理想的な条件下で出ると考えられる光の強度の41%にとどまった。定説では発光効率は、半世紀前の一部の光の測定結果から88%と推定されていた。
また、ホタルが出す光の成分を調べると、赤色の光量を変えないまま、緑色の光だけを増減させて色を変化させていることも判明した。従来は赤色と緑色の間で発光量を変えると考えられていた。光の三原色の残りの青色は出していない。
秋山准教授は「光にならなかったエネルギーは熱に変化したと考えられる。今後、日本のゲンジボタルなどで測り、発光の仕組みに迫りたい」と話している。【河内敏康】
[毎日新聞 / 2007年12月24日]
http://mainichi.jp/select/science/news/20071225k0000m040073000c.html
研究チームは、全発光量を測定できる装置を開発、ホタルの中で最も明るい光を出す北米産ホタルを調べた。その結果、発光量は最大でも、ホタルの発光物質「ルシフェリン」から理想的な条件下で出ると考えられる光の強度の41%にとどまった。定説では発光効率は、半世紀前の一部の光の測定結果から88%と推定されていた。
また、ホタルが出す光の成分を調べると、赤色の光量を変えないまま、緑色の光だけを増減させて色を変化させていることも判明した。従来は赤色と緑色の間で発光量を変えると考えられていた。光の三原色の残りの青色は出していない。
秋山准教授は「光にならなかったエネルギーは熱に変化したと考えられる。今後、日本のゲンジボタルなどで測り、発光の仕組みに迫りたい」と話している。【河内敏康】
[毎日新聞 / 2007年12月24日]
http://mainichi.jp/select/science/news/20071225k0000m040073000c.html