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医学研究関連記事の新聞紙面から切り抜き
再生医療、薬理学、生理学、神経科学、創薬

iPS細胞で脊髄損傷のマウスの症状が改善=慶應義塾大学

2007年12月25日 | 再生医療
 慶応大学の岡野栄之教授(生理学)は25日、京都市で開かれたシンポジウム「多能性幹細胞研究のインパクト」で講演し、京都大との共同研究で、脊髄(せきずい)を損傷したマウスに、iPS細胞から分化させた神経前駆細胞を移植し、症状を改善できたことを明らかにした。

 岡野教授らのチームは、胸髄損傷により後ろ脚がまひしたマウスに対し、マウスの体細胞を使ってつくったiPS細胞から分化誘導した神経前駆細胞を損傷後9日目に移植した。その結果、症状は、後ろ脚に体重をかけられるまでに回復したという。腫瘍(しゅよう)はできなかった。また、神経前駆細胞が神経細胞に分化するだけでなく、移植を受ける側の神経の再生も促していることも分かった。

 iPS細胞が実際に治療に使えるかどうかについては、マサチューセッツ工科大のチームが重症の貧血のモデルマウスを使って症状改善に成功している。脊髄損傷の再生医療をめぐっては、米国では来年にもES細胞を使った臨床試験が始まる見通しだ。

[朝日新聞 / 2007年12月25日]
http://www.asahi.com/science/update/1225/OSK200712250065.html