チョイさんの沖縄日記

辺野古や高江の問題等に関する日々の備忘録
 

琉球セメント安和桟橋敷地内への埋立土砂「仮置」問題について沖縄県北部保健所長と交渉 --- 赤土条例に基づく、県の立入調査、改善命令を拒否し続ける琉球セメントと防衛局

2019年06月21日 | 沖縄日記・辺野古

 6月20日(木)、強い雨の中を名護に向かった。こんな豪雨にもかかわらず、琉球セメント安和桟橋ではダンプトラックによる土砂の搬入が続いている。皆、びしょ濡れになりながら抗議行動を続けているという。私は風邪をすっかりこじらせて現地にかけつけられなく、申し訳なく思う。

 今日は、オール沖縄会議現闘部会長の山城博治さんの呼びかけで、琉球セメント安和桟橋敷地内の辺野古に搬送する土砂「仮置」問題について沖縄県北部保健所長との交渉を行った。本部島ぐるみ会議や沖縄平和市民連絡会等から約30人が集まった。ほとんどは、琉球セメント安和桟橋での抗議行動からそのまま駆けつけてきた人たちだ。

 この土砂「仮置」問題の経過・概要については、私の先日のブログを参照されたい。この土砂「仮置」は赤土条例に基づく県への届出なしの違法行為だったが、最終的には県が琉球セメントと話し合い、3月8日に事業行為届出書を提出させ、県は4月11日に計画変更不要通知書を出してしまった。そのため、「違法状態」はなくなり、今ではこの場所に次々と土砂が運ばれ、それが海上搬送されるようになった。土砂搬出のペースが飛躍的に早くなっている。県民の間には、「県は辺野古の埋立のための土砂の『仮置』を何故、『許可』したのか?」、「条例違反の行為にペナルティはないのか?」という疑問の声が沸き上がっているのは当然だ。 

                           (北部保健所長との交渉)

 交渉の中で、沖縄防衛局、琉球セメントのとんでもない違法・不当な対応が明らかになった。しかし残念なことに、県はそれに対して毅然とした対応を取っていない。「現場としてはどうしようもない。これ以上の話は本庁の方に行ってほしい」という所長の態度に、集まった人たちから強い批判が集中した。

 4月11日に沖縄県が計画変更不要通知書を出したことについても抗議が続いた。所長は、「これは『許可』ではない。マスコミの報道の誤りだ」と言って、同席していた新聞記者らを批判したが、届出もないままの違法な土砂「仮置」に対してペナルティを課すことなく、「計画変更不要」としたことは、「許可」と受け取られても仕方がない。

 沖縄県の対応の批判は後日まとめるが、まず、沖縄防衛局、琉球セメントの違法・不当性について指摘したい。

 

① 条例に基づく県の立入調査を拒否

  5月31日、この土砂「仮置」場にかけられていたブルーシートが外され、土砂の海上搬送が始まった。最近は連日のように雨が続いているが、ブルーシートで被っていないから、赤土が海に流出している。

 県の赤土等流出防止条例第20条では、県が赤土等流出防止施設の状況を確認するために立入調査を行うことが認められている。県は条例に基づき立入調査を求めているが、琉球セメントは、「責任者が不在」「日程があわない」等と言って拒否し続け、今も実施できていないという。

 条例では、県の立入調査を拒んだ場合は、罰金刑が課せられることになっている(25条)。県は条例をもとに、何故、毅然と対応しないのか? この日、所長は「条例には県に立入権限があるが、無理やり入ることはできない。対応については本庁で検討してもらっている。弁護士とも協議していると聞いている」と答えるだけだった。

 天気予報ではまだしばらく雨が続く。県は、一刻も早く立入調査を行い、赤土等流出防止施設の現状を確認しなければならない。防衛局は、県の土砂の性状を確認するための立入調査要請についても拒否したままだが、不都合なことについては、応じようとしない。(ただ、土砂の性状問題に関する立入調査に関しては知事の名で何回も行政指導を行っているが、赤土条例に関する立入調査については文書で要請はしていない。) 

 

② ブルーシートをかけよという県の指示も無視

 また、5月31日にブルーシートが外されて「仮置」土砂の積出が始まって以後、雨が降り続いているが、土砂の山にはブルーシートもかけられていない。この点についても、沖縄県北部保健所はブルーシートをかけるよう指示しているというが、防衛局、琉球セメントはそれを拒否をしたままだ。これだけの豪雨が続いているのだから、裸のまま積み上げられた土砂からは大量の赤土が流れているだろう。

 この指導は赤土等流出防止条例に基づく県の改善命令(14条)と言える。この命令に従わない場合にも、やはり罰金刑が課せられる。

 沖縄防衛局、琉球セメントの高飛車な対応はあまりに目にあまるが、沖縄県ももう少しは毅然とした対応をとるべきであろう。

               (現地の写真を示して交渉)

       (現地の写真 。雨の際もブルーシートはかけられておらず、汚濁水はそのまま海に流れる)

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