チョイさんの沖縄日記

辺野古や高江の問題等に関する日々の備忘録
 

ブルーシートが外された! 安和桟橋に違法に堆積された土砂が辺野古に運ばれる! --- 不可解な沖縄県の弱腰の対応

2019年05月31日 | 沖縄日記・辺野古

 昨夜で月刊誌Sの原稿もやっと校了し、今日(31日・金)は久しぶりに辺野古に行った。ゲート前は少人数だったが、皆、屈せずに頑張っている。

 月曜日に奄美大島から戻ったばかりだが、明日からは熊本での講演、来週末は山口県での講演の後、東京で土砂全協の防衛省・環境省交渉と院内集会等が続いている。なかなか現場に行くことができないので焦るが、しばらくの間は仕方がない。

 午後は辺野古から安和桟橋に向かう予定だったが、今日の安和桟橋からの土砂積出は午前中で終了し、県警も防衛局職員らも引き上げたという連絡が入った。しかし今朝から、12月に防衛局が赤土条例に違反して運び込んだ土砂の搬出準備を始まったという。朝から、土砂を覆っていたブルーシートが外され、何時でも船に積み込み、辺野古に運ぶための準備が進んでいるようだ。

 この問題については、28日に県庁を訪ね、所管の環境保全課長に事情を確認した。そこで判明したのは、沖縄県が防衛局の違法行為に対して毅然と対応することができず、防衛局の赤土条例違反行為が黙認されてしまっているということだ。

       (ブルーシートが外された安和桟橋の土砂の堆積現場  写真はTさん提供

 この問題についての経過と問題点を整理する。

 防衛局の受注業者は昨年11月から、安和桟橋に辺野古埋立用の土砂を運び込み、敷地内に積み上げ始めた。しかし、沖縄県の赤土等流出防止条例では、1000㎡以上の土地の区画形質の変更(土砂の堆積も含む)については、事前に知事に届出をするように定められている。届出をしないままこうした行為を行った場合は、罰金刑まで設けられている。

 防衛局の安和桟橋への土砂堆積は明らかに赤土等流出防止条例違反であった。市民らの訴えもあり、県はただちに中止を指示。運びこんだ土砂にはブルーシートがかけられ、雨天時等の流出防止策がとられた。(しかし、12月には、この堆積された土砂の一部が辺野古にも運ばれてしまった。)

 県は業者に対して、赤土等流出防止条例の手続きを行うよう指示したが、業者は、「これは岩石であり、届出の必要はない」と応じなかったという。

 その後の県と業者の協議経過の詳細は分からない。しかし、5月になって突然、現地には下の写真のような看板が出された。これは、条例の手続きが行われ、県が承認したことを意味する。

 あの赤土混りの土砂が「製品」というのもおかしな話だ。

 5月29日、県の環境保全課長は次のように説明した。

「業者とは赤土条例の解釈をめぐって意見が異なっていたが、結局、3月8日に業者が条例に基づく届出を行った。県は4月11日に『特に意見なし』と回答した。」

 これにより、敷地内での土砂の堆積は条例上、問題がないこととなり、今まで積まれていた土砂を防衛局は何時でも辺野古に搬送できるようになった。また、届出の面積の範囲であれば、新たな土砂を持ち込んで積み上げることもできるという。

 こんな弱腰では、違法行為をそのまま黙認することとなってしまう。少なくとも、条例に違反して持ち込まれた土砂はいったん撤去させ、原状回復を図るべきだ。しかし、環境保全課長は、「無届で土砂が持ち込まれたからといって、条例上は原状回復を命じることはできない。流出防止策を指示するだけだ。」というのだ。結局、違法行為がそのまま黙認されてしまったこととなる。あまりの弱腰には呆れるほかない。

 来週から安和桟橋では、敷地内に積んでいた土砂の海上搬送が始まるだろう。敷地内だけの作業となるので、しばらくはダンプトラックの進入がないかもしれない。その分、警備員や防衛局職員、そして県警機動隊らは、安和桟橋を離れて本部港(塩川地区)に向かう可能性がある。

 この問題も、そして本部港(塩川地区)での防衛局の違法な港湾使用問題についても、辺野古新基地建設を阻止するのだという県の意気込みが微塵も感じられないのが残念である。

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