乳がん患者のサロン2 - ノエル編

乳がん患者の皆様、このサロンでのびのびと雑談しましょう。くつろぎの場です。

セルフグリーフケア

2009年04月28日 | 緩和ケア
前回の「生前グリーフケア」に興味をお持ちの方がとても多かったので、もう少しグリーフケアについて私の体験談を書きましょう。

家族の一人が亡くなると遺族は大変悲しい。
まして、がんなどの闘病生活の末に訪れた死となると、その家族も患者と一緒に病気と闘い続けてきたわけで、心身ともに大変疲弊しています。ですから、グリーフケアはとても必要に思います。

私の場合、生前は緩和の先生に癒やされ、通夜には病院長が弔問に来て遺族を見舞い、病院関係者としてのケアはなかなか行き届いていたと満足感を持ちました。
しかし死者を前にすれば、やっぱり悲しい。

通夜が始まる頃、近隣の方が次々と弔問に訪れ、故人がどのように亡くなったか、私に説明を求めます。で、かいつまんでそれを話していると、、、やっぱり悲しくなって自然と泣けてきます。すると相手も故人の生前はあーだった、こーだった、、、と、涙です。涙顔を見ると、こっちも更に涙です。親族のような近しい関係者が相手だと、もーみんな一斉に涙です。で、やはり故人について私は涙で語ることになります。

これを20回ぐらい繰り返していたら、、、あの~、なんというか、、、その~、、、不謹慎かもしれないけど、、、悲しみに飽きるというか…(苦笑)。
なんだかとっても冷静になってきて、次の人にはもっとコンパクトに話そうとか、ここは泣き所だから、もっと感情を込めて言おうとか。。。
う~ん、、、辛い気分にも飽きちゃうんですよね(やっぱり苦笑)。

そして、自分の気持ちを親しい友人に電話でずーっと話していたら、3時間後にはスッキリしました。相手は超長電話で迷惑だったかもですが(^^;)。
で、その友達が別の友達に伝え、えー、何で言ってくれなかったのよ、と始まります。で、次の友達からも電話がかかり…。やっぱり私の話はコンパクトになってきます。友達にはそれぞれ、温かい励ましとランチおごりの約束をとりつけ、それを十人ぐらいに繰り返すと、悲しいというより最後のほうは事務連絡口調です(笑)。いやはや、持つべきものは友達です。。。

というわけで、悲しい時は思いっきり悲しむ。辛い気持ちを声に出したり涙したりすることって、案外大切だったなと思った次第です。まあこれは、その時その時を大切にするってことにも繋がるのでしょうけど。

それからももう一つ、とても大切に思ったことがあります。
がんで亡くなる場合、一般的には告知から時間がありますよね。その間、患者と一緒に病気や治療について学んだり、看護したりの充実した時間を過ごしますよね。

それと並行して私は、左リンクにある医師のブログや本などを読んでいました。がんだとどんなふうに亡くなるのか、亡くなるということはどういうことなのか、残された人はどんな気分になるものなのか、、、今から思えば、看取りのイメージトレーニングを無意識に行っていたような気もします。

病気での看取りは初体験という方は特に、刻一刻と変わる患者の状況に大きな不安を感じるかもしれません。そんな時に、死に向かう人はこういう状況になる、、、などの知識を入れておくと、多少は方向性がつかめて冷静になれるかもしれませんよ。がんはそういう準備期間を用意してくれる病気でもあります。

自分が乳がんになった時、自分と同じような体験者を探そうと、ネットを彷徨って探しだしたのがyukoさんです。なかなか自分の意とする人を見つけ出すのは難しいし、時間もかかるのですが、いつかは見つかるのがネットの長所です。ですから、同じ状況下にある人をネットで探すのも一つの手だと思います。

・・・と、ここまで書いてきましたが、この書き出す作業もセルフグリーフケアになると思います。

仕事で漫画を描く場合、描きあげるまでは、あーだこーだと悩んで色々考えが飛ぶ。更にまたぶち壊したり、再構築したり…、ぐちゃぐちゃした頭の中からなんとか考えをまとめて仕上げる、という作業をしています。(これでもね)

で、描き上げてしまうとですね、、、もうそれは終わったこと。
私は描き上げた作品を再度読み返すことって、ほとんどしないんです。頭の中は既に、次の作品のことを考えている。
私にとって、書く・描くという作業は、気持ちにケリをつける作業でもあります。
皆さんも、自分なりのセルフグリーフケアを探してみて下さい。


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なかのひと

This blog “The salon of breast cancer women authored by Noe:l” is able to read in Japanese:-)