乳がん患者のサロン2 - ノエル編

乳がん患者の皆様、このサロンでのびのびと雑談しましょう。くつろぎの場です。

トラスツズマブ-DM1のフェーズ2試験

2011年11月15日 | 病気・症状
インフルエンザの予防接種を受けてきました。
受けた直後、軽くめまいと呼吸が乱れました。これって、術後補助療法でハーセプチンを投与した時も、毎回、同じような症状に教われました。投与から15分間は、ハーセプチンの点滴のスピードを遅くしてもらっていました。で、その後は普通の速度でも大丈夫でしたっけ。
というように、私は体内に異物が入ると、敏感に反応してしまうようです。

さて、トラスツズマブ(ハーセプチン)の新たな展開ともいわれるトラスツズマブ-DM1の、フェーズ2試験の結果が出たようです。
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【トラスツズマブ-DM1がHER2陽性の転移性乳癌患者のPFSを41%改善】

   第16回欧州癌学会/第36回欧州臨床腫瘍学会  2011年9月23日~27日 Stockholm, Sweden

 未治療のHER2陽性転移性乳癌患者に対し、抗体-薬剤複合体であるトラスツズマブ-DM1(T-DM1、trastuzumab emtansine)が、トラスツズマブとドセタキセルの併用に比べ、無増悪生存期間(PFS)を41%改善することが、フェーズ2試験(TDM4450g)の最新結果で明らかになった。9月23日から27日までスウェーデン・ストックホルムで開催されているEMCC2011で、米University of California, Los AngelesのSara Hurvitz氏らが発表した。

 T-DM1は、抗HER2モノクローナル抗体製剤トラスツズマブに、微小管重合阻害剤誘導体であるDM1を結合させた抗体-薬物複合体(ADC)。

 フェーズ2試験は、HER2陽性の転移性乳癌患者137人を対象に、T-DM1単剤を投与する群(T-DM1群)と、トラスツズマブとドセタキセルを併用投与する群(H+T群)を比較した。主要評価項目はPFSと安全性、主な副次的評価項目は全生存期間(OS)、奏効率(ORR)、奏効期間、完全奏効(CR)と部分奏効(PR)、6カ月以上の安定(SD)を合わせた臨床的有益率(CBR)とした。

 T-DM1群では、T-DM1は3.6mg/kgを3週おきに投与した。H+T群では、トラスツズマブを初回投与は8mg/kg、その後は6mg/kgを3週おきに投与し、ドセタキセルは75 mg/m2または100mg/m2を3週間おきに投与した。いずれも病勢進行(PD)または許容できない毒性が発現するまで継続した。PDとなった後、併用群からT-DM1群へのクロスオーバーを許可した。

 今回の結果は、T-DM1群へのクロスオーバー前の2010年11月15日までの臨床データに基づいている。この時点で、治療継続中の患者はH+T群で21.4%だが、T-DM1群は43.3%であり、治療期間の中央値がH+T群でトラスツズマブは8.1カ月、ドセタキセルは5.5カ月だが、T-DM1群は10カ月だった。

 フォローアップ期間の中央値は、H+T群が13.5カ月、T-DM1群が13.8カ月だった。PFS中央値はH+T群が9.2カ月、T-DM1群が14.2カ月、ハザード比は0.594(95%信頼区間:0.364-0.968)、p=0.0353だった。

 奏効率はH+T群が58%、T-DM1群は64.2%で、CRはそれぞれ4.3%、10.4%、PRは53.6%、53.7%、臨床的有益率は81.2%、74.6%だった。奏効期間中央値はH+T群が9.5カ月、T-DM1群では達していない。

 グレード3以上の有害事象は、H+T群が89.4%であるのに対し、T-DM1群では46.4%と少なかった。有害事象による治療中止もH+T群が28.8%、T-DM1群は7.2%であり、有害事象による死亡が各群1人だった。重篤な有害事象はそれぞれ25.8%、18.8%だった。

 またグレード3以上の好中球減少が、H+T群では60.6%だが、T-DM1群では5.8%だった。非血液毒性(全グレード)では、H+T群では脱毛が66.7%、T-DM1群では4.3%、下痢がそれぞれ45.5%、15.9%、末梢性浮腫が43.9%、10.1%だったが、AST上昇はH+T群が6.1%に対し、T-DM1群は39.1%だった。T-DM1群で心毒性(LVEFの低下)は見られなかった。

 これらの結果から「T-DM1によるPFSの改善は、忍容性や治療期間、奏効期間の改善による結果だろう」とHurvitz氏は述べた。T-DM1についてはHER2陽性乳癌対象に3つのフェーズ3試験(MARIANNE、EMILIA、NCT01419197)が進行している。
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トラスツズマブ-DM1は、単独投与でも随分と奏効するように見えます。トラスツズマブとドセタキセルを併用投与する群よりすぐれた点が多いのか?と思うぐらいです。ハゲるし、白血球減少で休薬リスクの大きいタキサン系の薬より、患者にはメリットがあるようにも見えます。

トラスツズマブ-DM1の有害事象で、AST上昇が気になります。ASTは、肝臓機能障害や急性心筋梗塞などの疾患と関係するといわれています。が、この報告では、心毒性(LVEFの低下)は見られなかったとあるので、微妙な感じでしょうか。

3つのフェーズ3試験に注目です。

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なかのひと

This blog “The salon of breast cancer women authored by Noe:l” is able to read in Japanese:-)

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