西園寺由利の長唄って何だ!

長唄を知識として楽しんでもらいたい。
軽いエッセイを綴ります。

時代のテンポ・14

2021-09-10 | よもやま話 (c)yuri saionji
「傾城道成寺」の後、菊之丞は「二人椀久」(1734年・市村座)を出すが
この時の椀久は残されておらず、
伝存している椀久は「其面影二人椀久」(1774年・市村座)だ。

この曲の他に「京鹿子娘道成寺」(1753年・中村座)や「吉原雀」(1768年・市村座)
などにもタマや踊地といわれる、ウルトラCのテクニックを聴かせる入れ事の部分があるのだが、
それらは初演当時からあったわけではない。
江戸末期以降になって挿入されたものだ。

現在「二人椀久」と「吉原雀」は入れ事超絶技巧の2大巨頭となっているが、
時代が下り、三味線弾きがテクニックを競うようになると
必然的にこうなってくるのだろう。


     
     初演時の正本
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