西園寺由利の長唄って何だ!

長唄を知識として楽しんでもらいたい。
軽いエッセイを綴ります。

横笛-4

2012-04-09 | 泣けます、長唄
横笛-4


横笛は喜び勇んで庵の扉を叩いた。

「のうのう この庵に滝口の時頼殿はおはさずや
 開けて給え という声に」

横笛の声を聞いた時頼は、思わず読経の声を止めた。

 「それかとばかり滝口の 
  轟く胸を汲みて知る」

滝口の胸の内を、一瞬に見抜いた千代童。

 「閼伽桶(あかおけ・仏前に供える水を入れる銅製の手桶)
  置きて 千代童は
  門の内より 声をかけ」

 「いやとよ
  ここは世捨人の庵なれば
  人の訪うべきようはなし
  門違いにや候らわん」
  
● いやいや、どなた様かは存じませんが、ここは世捨て人の庵ですから、
人様が訪ねてくる用はありません。家をお間違えになったのでしょう。

 〓 〓 〓
tea b reak
photo by 和尚

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