西園寺由利の長唄って何だ!

長唄を知識として楽しんでもらいたい。
軽いエッセイを綴ります。

花の友

2010-04-06 | 長唄の歌詞を遊ぶ (c) y.saionji
41ー「花の友」(天保年間)


”花の友”とは、お茶の銘。
昔は、宣伝ソングも三味線曲でやった。

だが、あからさまに商品を売り込むだけじゃないところが、時代のゆかしいところだ。

作詞が、江戸千家不白流の二代目宗匠、川上不白というだけあって、
品があふれている。
まして茶道具の名づくしで、男女の睦言を綴るなんてのは、にくい。

『立てし誓いの行く末は
 其の姥口のふとん釜
 二人しっぽり 嬉しい仲を
 誰が水さして 替帛紗
 さばきかねたる中々に
 思いの丈の竹台子
 その折据の末までも
 月と花との戯れを
 過ぐるすさびの面白や』

●二人の愛の行き着く先は、ふわふわの布団でしょう。
 二人でしっぽり濡れているのに、一体誰が邪魔するの。
 なかなか言えない思いの丈。
 時には立場が入れ替わり、恋愛ごっこは面白い。

「姥口の布団釜」「水差し」「替帛紗」「竹台子」「折据」「月と花」
いずれも茶道具だ。それを縁語的に組み合わせて歌詞にする。
さすが、宗匠だ。

 〓 〓 〓

tea breaku・海中百景
photo by 和尚

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