西園寺由利の長唄って何だ!

長唄を知識として楽しんでもらいたい。
軽いエッセイを綴ります。

時代のテンポ・11

2021-09-07 | よもやま話 (c)yuri saionji
上方の長歌が江戸に逆輸入されたのは
1731年2月、中村座の「無間の鐘・むけんのかね」だ。

日本一の女形、瀬川菊之丞が京で大評判を取った『けいせい満藏鑑・まくらかがみ』
の所作「無限の鐘」をひっさげ江戸に初お目見えをした。
作曲は上村作十郎という上方の三味線弾き。
遊里にも菊之丞の所作を真似た、無間の鐘遊びが大流行したほど、この狂言は大当たりした。

これがメリヤス物の嚆矢となるのだが、
何しろ辛気臭くて、あくびが出るほどゆっくりで、暗い。
この時代は依然としておっとりした時代だったのだろう。

    
    瀬川菊之丞おおあたり、とある。
    夫のために金が必要となった傾城葛城が、手水鉢を無間山中山寺の鐘に見立てて一心不乱に打つと、
    天から小判が降ってくるというストーリー。
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