西園寺由利の長唄って何だ!

長唄を知識として楽しんでもらいたい。
軽いエッセイを綴ります。

紀文大尽

2010-05-18 | 長唄の歌詞を遊ぶ (c) y.saionji
78-「紀文大尽」その2


奇跡的に品川沖に着いた文平の船。
幽霊丸がみかんを運んで来たと、江戸の町は大騒ぎ。

『積んだ蜜柑は八万五千籠
 陸に運んで車に載せて
 載せた車は八百五十輛
 引けやひけひけ 神田の市へ
 鞴祭りの折りからに
 蜜柑の払底時を得て
 一挙に握る五万両
 黄金の花咲く 実も結ぶ
 初代紀文が運開き』

八万五千籠ものみかんを命がけで運んだ文平。
待ってましたとばかりに、蜜柑は一つ残らず売り切れ、
文平が手にしたのは、およそ30億円!

その頃大阪で水害が起き、伝染病が流行りだした。
機を見るに敏な文平は「流行病には、塩鮭!」と噂を流し、
江戸中の塩鮭を買い占め、船に積み込んで帰路大阪に向かった。
噂の効果は絶大で、塩鮭は飛ぶように売れ、またしても大金ガッポリ。


tea breaku・海中百景
photo by 和尚

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