それは突然の出来事だった。
主人が寝ようと思ってパソコンの前から立ち上がり自分の布団に入る前に枕の横にいつも置いてあるビーズの小さなクッションにうっかり足を乗せて転倒し、斜め横の自分の服に頭をぶつけた。
私は主人の身体を起こして、その後主人はキッチンに行き冷蔵庫からヨーグルトドリンクを取り出し「これ飲んで寝るわ」言った。
ヨーグルトドリンクを少し飲み出した頃に唇に激しい痙攣を発した。
私は主人に声をかけてあわてて救急車を呼んだのは言うまでもない。
どれくらいの時間だっただろうか?
大丈夫だと言う主人を説得し、到着した救急隊員に説明し、とりあえず主人は救急車で総合病院に向かった。
救急車の中で主人の意識ははっきりしていた。
それでもマスク越しに話す主人の声に私は一抹の不安を抱えていた。
夜間なので帰りのタクシーが無いとのこと。
義兄に事情を話して報告する。
今夜はなぜか救急患者は多かった。
診察も順番待ちになるようです。
脳の検査をして大丈夫なら帰されます。
母はすっかり寝ていたので、母には声をかけられずに出てきました。
留守電を入れましたが、母は留守電の聞き方がわかりません。
込み合う待合室で一組二組と帰っていく家族もいます。
明日は地元のショッピングモールに行きたいと言っていた主人です。
今日は昼間は風が強かったので外出もしませんでした。
昨年末に退院してきてからと言うもの杖を突いてなら近所の散歩や駅前の書店等には私と一緒に歩けるようになったのに…。
自宅での転倒もしなくなったのに…。
食欲もあり、ふらふらしなくなったのね。
お風呂も一人で入れるようになったのにね。
突然のことで驚いたのは言うまでもありません。今年からのデイケアも3回通ったら施設の2階でクラスターが発生し、関係ない1階のデイケアもお休みになりました。
今、私は病院の救急待合室にいます。