ノアの小窓から

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聖書劇――役者

2015年04月22日 | 観る



      役者!
      いい言葉ですね。
      伝統的な言葉なのに、いまも「生きていて」、使われている。

      同じように伝統的な言葉でも、絵師(画家)とか文士(作家)とかは、
      ほとんど死語ですね。
      絵師は日本画製作者のイメージが強いですね。座敷で、床に紙をおいて、書道のように
      描いている図です。大小のイーゼルを立てて大きな絵を制作する洋画の
      絵描きさんは、やっぱり、画家と呼ばれる方が合っているでしょう。

      私の知り合いの作家さんたちは、「物書き」「ライター」などと、わざわざ呼び名が軽くしています。
      照れ屋さんが、多いためでしょうか。 


 
                  ★ ★  


      教会の劇では、「役者」は、慢性的に不足しています。

      一般社会では、潜在的にも、顕在的にも、役者を志願する人たち、すでに
      役者としての実績と名声を確立している人たちもいて、
      芝居も映画も、制作する側の準備が整っていれば、役者さんを募集することができます。

      しかし、MCC劇団の場合、そもそも役者を志願する人や、芝居が特技の人はいません。
      ほとんどが、学生とサラリーマンです。

      演出家は、毎回、キャストに入ってくれる人を捜して苦労するのです。

      いざ、キャストを引き受ければ、素人であってもある水準を要求されます。
      脚本の流れと意味を読み取り、
      セリフを覚え、ふりを覚え、互いの絡み合いや、間の取り方を習得して
      初めて、観客の前に、見てもらえる舞台になるのです。

      素人劇とはいえ、稽古は、真剣勝負です。


                  ★ ★  


      芝居作りは、エキサイティングな時間です。      
      
      稽古で、演出家と役者、役者同士がぶつかり、
      劇が、作り上げられていく時、次第に、
      人のキャラが変わっていきます。
      
      無償の奉仕ですが、それゆえ、高まってくるものもあります。
      主役も、わき役もありません。
      効果音を出すだけでも、
      明かりのスイッチを押すだけの人も、なくてはならない存在です。

      もちろん、いつもうまくいくとはかぎりません。

      でも、100点満点の80点であっても、懸命に創り上げた経験は貴重です。

      そこで、私たちは、人と人のきずなを再確認します。
      足りない者たちをまとめて、劇を作らせてくださった神様を思います。

      劇作りが行われて八年、
      毎月のように作られる多くの劇。しかし、今まで一度も、上演中止になることがなかったのは、
      ほんとうに奇跡です。

      ハレルヤ!