2022年の日本映画「この子は邪悪」。
心理療法室の院長・窪司朗(玉木宏)の一家は5年前に交通事故に遭い、司朗は
脚に障害が残り、妻(桜井ユキ)は植物状態になり、次女は顔に重度の火傷を負
い、長女の花(南沙良)は軽傷だったものの心に深い傷を抱えることとなった。
花はある時、母親が心神喪失状態で、その原因を探っているという高校生・四
井純(大西流星)と出会い、次第に心を通わせていく。そんなある日、花の母が
奇跡的に目を覚まし、司朗が家に連れて帰ってくる。司朗や次女は久々の家族
団らんを喜ぶが、花は母にどこか違和感を覚える。
サスペンス映画だろうか、ホラー映画だろうか。設定に色々無理があるが、な
かなか不気味でおもしろかった。くぼ心理療法室の長女・花は高校生くらいの
年齢だが学校へは行っていない。花の家族は5年前に遊園地の帰りに交通事故
に遭い、花は軽傷で済んだものの、父の司朗は脚に障害が残り、母は植物状態
で眠ったまま入院しており、妹は顔に大火傷を負って、仮面をつけて暮らして
おり外には出ない。花は自分だけが軽傷だったことや、遊園地に行きたいと言
い出したのが自分だったため、自分がそう言わなければ…という罪悪感を持っ
ていた。事故当時司朗は「花は何も悪くないんだよ」と花を慰めていた。この
一家はとても仲が良かった。
花はある時自分と同じ年くらいの高校生・純と出会う。純は子供の頃花に会っ
たことがあると言う。花は思い出せなかったが、純はうさぎと一緒に遊んだと
言った。純の母は心神喪失状態で全く意志の疎通ができず、祖母と3人で暮ら
している。そして純はその街に母と同じような症状の人が何人もいることに気
づいており、彼らをデジカメで撮っていた。再び花と会った純は「僕と友達に
なって欲しい」と言う。この心神喪失状態の人たちが気持ち悪い。純の母は放
心状態でずっと水槽を眺めており、目が赤かった。他にもアパートの廊下をよ
つんばいで歩く人や、ベランダの柵をずっと舐めている人などがおり、本当に
不気味。
そんな時花の母が退院して家に戻ってきた。司朗は「奇跡が起きたんだよ。お
母さんが目を覚ましたんだ」と言った。皆で喜んで抱き合うが、5年も植物状
態だった人が目を覚ましたからといってリハビリもせずにすぐ退院できるもの
だろうかと思った。やがて花は母に違和感を覚える。何となく母じゃないよう
な感じがするのだ。それを司朗に言うが、「整形手術もしているし、ずっと寝
たきりだったからそんな気がするんだろう」と言う。でも料理は昔の母の味だ
し、昔の記憶もある。花はそのことを純にも言うが、純は「もしかしたら本当
のお母さんじゃないのかも」と言う。
純は自分の母があんな状態なので精神病に興味を持ち、ネットで色々調べてい
た。そして花の家族の事故についても調べたが、そこには「次女は死亡」と書
かれていた。それを知った花は司朗に言うが、ネットはあることないこと書く
んだよ、信用するものじゃないよ、と言う。純は花の母や妹は本物ではなくて、
本物だと司朗に洗脳されているのではないかという疑問を持つが、花は信じら
れない。しかし花と純は妹が死亡しているという証拠を掴んでしまう。
司朗の診察室にはうさぎがたくさん飼われていて、いつも花が世話をしている
のだが、そのうさぎたちが物語の大きなポイントになっている。真相がわかる
と本当にゾッとする。実際には有り得ないことなのだが。と言ってしまうと身
も蓋もないが。玉木宏の演技がすごい。マッドサイエンティストを熱演してい
る。ラスト近くでうさぎたちが花の家から逃げ出していくところもいい。果た
してあれはいい結果になるのか悪い結果になるのか。映画のタイトルの意味を
考えながら観ていたが、ラストシーンでなるほど、となる。突っ込みどころの
多い物語だが、私はこういう狂った映画は好きである。
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心理療法室の院長・窪司朗(玉木宏)の一家は5年前に交通事故に遭い、司朗は
脚に障害が残り、妻(桜井ユキ)は植物状態になり、次女は顔に重度の火傷を負
い、長女の花(南沙良)は軽傷だったものの心に深い傷を抱えることとなった。
花はある時、母親が心神喪失状態で、その原因を探っているという高校生・四
井純(大西流星)と出会い、次第に心を通わせていく。そんなある日、花の母が
奇跡的に目を覚まし、司朗が家に連れて帰ってくる。司朗や次女は久々の家族
団らんを喜ぶが、花は母にどこか違和感を覚える。
サスペンス映画だろうか、ホラー映画だろうか。設定に色々無理があるが、な
かなか不気味でおもしろかった。くぼ心理療法室の長女・花は高校生くらいの
年齢だが学校へは行っていない。花の家族は5年前に遊園地の帰りに交通事故
に遭い、花は軽傷で済んだものの、父の司朗は脚に障害が残り、母は植物状態
で眠ったまま入院しており、妹は顔に大火傷を負って、仮面をつけて暮らして
おり外には出ない。花は自分だけが軽傷だったことや、遊園地に行きたいと言
い出したのが自分だったため、自分がそう言わなければ…という罪悪感を持っ
ていた。事故当時司朗は「花は何も悪くないんだよ」と花を慰めていた。この
一家はとても仲が良かった。
花はある時自分と同じ年くらいの高校生・純と出会う。純は子供の頃花に会っ
たことがあると言う。花は思い出せなかったが、純はうさぎと一緒に遊んだと
言った。純の母は心神喪失状態で全く意志の疎通ができず、祖母と3人で暮ら
している。そして純はその街に母と同じような症状の人が何人もいることに気
づいており、彼らをデジカメで撮っていた。再び花と会った純は「僕と友達に
なって欲しい」と言う。この心神喪失状態の人たちが気持ち悪い。純の母は放
心状態でずっと水槽を眺めており、目が赤かった。他にもアパートの廊下をよ
つんばいで歩く人や、ベランダの柵をずっと舐めている人などがおり、本当に
不気味。
そんな時花の母が退院して家に戻ってきた。司朗は「奇跡が起きたんだよ。お
母さんが目を覚ましたんだ」と言った。皆で喜んで抱き合うが、5年も植物状
態だった人が目を覚ましたからといってリハビリもせずにすぐ退院できるもの
だろうかと思った。やがて花は母に違和感を覚える。何となく母じゃないよう
な感じがするのだ。それを司朗に言うが、「整形手術もしているし、ずっと寝
たきりだったからそんな気がするんだろう」と言う。でも料理は昔の母の味だ
し、昔の記憶もある。花はそのことを純にも言うが、純は「もしかしたら本当
のお母さんじゃないのかも」と言う。
純は自分の母があんな状態なので精神病に興味を持ち、ネットで色々調べてい
た。そして花の家族の事故についても調べたが、そこには「次女は死亡」と書
かれていた。それを知った花は司朗に言うが、ネットはあることないこと書く
んだよ、信用するものじゃないよ、と言う。純は花の母や妹は本物ではなくて、
本物だと司朗に洗脳されているのではないかという疑問を持つが、花は信じら
れない。しかし花と純は妹が死亡しているという証拠を掴んでしまう。
司朗の診察室にはうさぎがたくさん飼われていて、いつも花が世話をしている
のだが、そのうさぎたちが物語の大きなポイントになっている。真相がわかる
と本当にゾッとする。実際には有り得ないことなのだが。と言ってしまうと身
も蓋もないが。玉木宏の演技がすごい。マッドサイエンティストを熱演してい
る。ラスト近くでうさぎたちが花の家から逃げ出していくところもいい。果た
してあれはいい結果になるのか悪い結果になるのか。映画のタイトルの意味を
考えながら観ていたが、ラストシーンでなるほど、となる。突っ込みどころの
多い物語だが、私はこういう狂った映画は好きである。
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患者を洗脳するヤバい精神科医ですね。
でも実際、こんなに催眠術みたいのを駆使し、
人を洗脳する事が現実にできるんでしょうかねぇ…ビックリです!
こんな事が出来るなら、医者が誘拐されかねないですね。
その能力を買われ、悪用されそうです。
妹がとりあえずビジュアル的に不気味ですね…(^^;。
白い気持ち悪い仮面被っています。
古めかしい、昭和の時代のような家屋なのも不気味な雰囲気にピッタシです。
事故でお母さんが整形手術したんなら、
妹も整形手術すればいい気もしますが、
年齢が幼いから整形手術するには成長期だから
不適格なので、不気味な仮面を被っているんのか疑問が湧きました。
でも母も妹も偽物なので、整形手術はしてませんね。
近所の少年の純は、比較的早い段階から
医師の司朗に疑念を抱いてあれこれ調べている印象です。
まず、特に切っ掛けも無く疑っている印象です。
ネットで5年前の事故の事調べたり、
純もちょっと変だと最初、思いました。
でも、純のお母さんが診療所の患者だったんですね。
お母さんの事が気になるから調べまくってたという事ですね。
「5歳女児死亡」とスマホには出てますよね。
ネットでも調べがつくレベルの事を花が知らないのも変です。
でも、ネットの誤情報だと司朗に誤魔化されますね。
司朗の誤魔化しが通用は、普通ならするはずないですが、
学校も行ってない花は世間との付き合いが少ないので騙されるんですね。
お母さんが本物じゃないという疑っている花が
ホクロが化粧だと分かる場面で
お母さんの目がグルグル回る場面がキモイですね。
総合病院にまで行き、母が別人な証拠や妹が実は死んだ事も掴みますね。
関係無い人を洗脳して、魂を入れるなんて、ヤバいですね。
催眠術的な事でやってて、魔法とも違うみたいだけど、
魔法のような感じです。
虐待親から子供を救っているにしても
やり方には問題ありますね。
タイトルの意味は最後に繋がっていますね。
コメントありがとうございます。精神科の催眠療法というのはありますが、
いくら何でもここまではできないですよねえ…
もう超能力とか魔法の世界です。
妹の仮面姿不気味ですね。「呪怨」の顔が白い男の子を思い出します。
私も妹は整形手術できないのかなあと思いました。
今ほ火傷もかなり治せると思うのですが、ひどすぎるんですかねえ…
あの目がグルグル回るシーンは気持ち悪いですね。ギョッとしました。
花は学校も行ってないし家族以外との接触がないから、スマホもパソコンも
持ってないんじゃないでしょうか。
それで妹が既に死んでいるということを知らなかったんじゃないでしょうか。
父にいくらでも言いくるめられますしね。
父は児童虐待から子供たちを救うことに熱心なあまり、一線を越えてしまいましたね。
妹に成り代わった子も誘拐してきてるんですよね…
邪悪なのは父?と思ったけど、あの結果になるんですね。
私はおもしろかったです。
今からM-1です!(笑)
他の映画から、良いところを取ってきてくっつけた感はありますが、最初から最後まで、貫かれた空気感がすごいと思いました。
ラストで、家族で楽しく暮らしているシーンで、これで良いのか? という不安があるのが良いです。
家族に尽くした人間が邪悪なものとして取り除かれ、残された家族が幸せに生きるとか、カフカの『変身』に似たところがあると思いました。
最期の落ちは、なるほどと思いましたね。次女さんが邪悪なのかと思ってました。(お父さんを刺し殺したのだから邪悪なのかもしれませんが)
コメントありがとうございます。私も不穏な空気感が好きです。
ラストの家族みんなで楽しく暮らしているシーンは、母と次女は戸籍上死んだことになっているのに、
このまま普通に暮らせるのだろうか?と思いました。
カフカは読んだことがないのでわかりませんが…
私は「父が邪悪?でもこの子っていう年じゃないしな…」と思いながら観ていましたが、
ラストシーンでなるほど、となりました。
好きなタイプの映画でした(^-^)
今日深夜観て観ようと思います。
ご紹介ありがとうございます。
コメントありがとうございます。観たい映画がたくさんあるんですね。
oyajisannさんも映画お好きなんですね〜。
私の紹介や感想が参考になれば嬉しいです(^o^)
彼女の違った演技が見てみたいので、探してみます!
コメントありがとうございます。とても不気味な映画ですが、私の好みです(笑)
桜井ユキさんという方は知りませんでした。私の知っている人は玉木宏だけでした。
玉木宏の熱演ぶりがいいのですよ…お勧め?かもしれないです(^o^)