2022年のアメリカ映画「ドント・ウォーリー・ダーリン」。
1950年代のカリフォルニア。若い夫婦、アリス(フローレンス・ピュー)
と夫のジャック(ハリー・スタイルズ)は完璧な生活が保証された理想の街
ビクトリーで、平穏な日々を送っていた。そんなある日、アリスは隣人の
女性が赤いつなぎの男たちに連れ去られるのを目撃する。それ以降、彼女
の周囲では不可解な出来事が起きるようになる。次第に精神が不安定にな
り周囲からも心配されるアリスだったが、あることをきっかけに、この街
に疑問を抱くようになる。
サスペンス・ミステリー。アリスとジャックの若い夫婦は、ビクトリー社
が造った住宅地で、何不自由のない生活をしていた。美しく整然とした街
はまさに理想の街だった。夫たちは皆ビクトリー社に勤めており、朝は高
級車に乗って出勤していく。妻たちは家の掃除をし、習い事や近所付き合
いを楽しみ、完璧な夕食を作って夫の帰りを待つ毎日。ある日アリスはバ
スに乗って外出するが、飛行機が墜落するのを目撃する。驚いてバスの運
転手に言うが運転手は関心を示さない。呆れたアリスは助けに行こうとバ
スを降り、立ち入り禁止区域に入るが、そこにあるビクトリーの本社の大
きなガラス窓に触れると気が遠くなり、気がつくと自宅のベッドにいた。
そして早く帰宅したジャックが夕食を作ってくれようとしていた。
飛行機の墜落のことを話してもジャックは信じてくれない。そしてある日、
アリスは隣人のマーガレット(キキ・レイン)が屋根の上に立って、ナイフ
で自分の喉を切って転落するのを目撃する。アリスが駆け寄ろうとすると、
赤いつなぎを着た男たちがマーガレットを連れ去り、アリスも彼らに捕ま
えられた。そしてジャックはその話も信じてくれない。アリスは幻覚や幻
聴に悩まされ、精神が不安定になっていく。心配したジャックは医者に往
診に来てもらうが、アリスが医者にマーガレットのことを聞いても、医者
は「屋根から落ちたが命には別条ない」と言う。
最初の方で変だな、と思うところがある。街に住む妻たちは皆専業主婦な
のだ。仕事をしている主婦がいない。そしてこれは後で重要な意味を持っ
てくるのだ。舞台が1950年代なのも、女性たちが皆専業主婦なのも、映
画の半ば頃から物語のからくりに気づくポイントになっている。精神的に
参っていくアリスだったが、ジャックの仕事は好調で、昇進も決まる。だ
がジャックの昇進を祝うパーティーでアリスは不快でたまらなくなる。こ
の街は何かがおかしい、と感じる。
映画の途中で「あ~なるほど~」と気づくのだが、かなりおもしろかった。
アリスが掃除をしている時に窓ガラスと壁の間に挟まれたり、料理をして
いる時にラップで自分の顔をぐるぐる巻きにしてしまうシーンなどは、自
分が閉じ込められているということの暗示だ。アリスやマーガレットは気
づいてはいけないことに気づいてしまったのだ。この映画は女優でもある
オリヴィア・ワイルドの監督作で、女性ならではの作品だな、と思わせら
れる。「言いたいこと」がやはり女性目線なのだ。怖い物語だった。ハリ
ー・スタイルズがとてもかっこよかった。
映画評論・レビューランキング
1950年代のカリフォルニア。若い夫婦、アリス(フローレンス・ピュー)
と夫のジャック(ハリー・スタイルズ)は完璧な生活が保証された理想の街
ビクトリーで、平穏な日々を送っていた。そんなある日、アリスは隣人の
女性が赤いつなぎの男たちに連れ去られるのを目撃する。それ以降、彼女
の周囲では不可解な出来事が起きるようになる。次第に精神が不安定にな
り周囲からも心配されるアリスだったが、あることをきっかけに、この街
に疑問を抱くようになる。
サスペンス・ミステリー。アリスとジャックの若い夫婦は、ビクトリー社
が造った住宅地で、何不自由のない生活をしていた。美しく整然とした街
はまさに理想の街だった。夫たちは皆ビクトリー社に勤めており、朝は高
級車に乗って出勤していく。妻たちは家の掃除をし、習い事や近所付き合
いを楽しみ、完璧な夕食を作って夫の帰りを待つ毎日。ある日アリスはバ
スに乗って外出するが、飛行機が墜落するのを目撃する。驚いてバスの運
転手に言うが運転手は関心を示さない。呆れたアリスは助けに行こうとバ
スを降り、立ち入り禁止区域に入るが、そこにあるビクトリーの本社の大
きなガラス窓に触れると気が遠くなり、気がつくと自宅のベッドにいた。
そして早く帰宅したジャックが夕食を作ってくれようとしていた。
飛行機の墜落のことを話してもジャックは信じてくれない。そしてある日、
アリスは隣人のマーガレット(キキ・レイン)が屋根の上に立って、ナイフ
で自分の喉を切って転落するのを目撃する。アリスが駆け寄ろうとすると、
赤いつなぎを着た男たちがマーガレットを連れ去り、アリスも彼らに捕ま
えられた。そしてジャックはその話も信じてくれない。アリスは幻覚や幻
聴に悩まされ、精神が不安定になっていく。心配したジャックは医者に往
診に来てもらうが、アリスが医者にマーガレットのことを聞いても、医者
は「屋根から落ちたが命には別条ない」と言う。
最初の方で変だな、と思うところがある。街に住む妻たちは皆専業主婦な
のだ。仕事をしている主婦がいない。そしてこれは後で重要な意味を持っ
てくるのだ。舞台が1950年代なのも、女性たちが皆専業主婦なのも、映
画の半ば頃から物語のからくりに気づくポイントになっている。精神的に
参っていくアリスだったが、ジャックの仕事は好調で、昇進も決まる。だ
がジャックの昇進を祝うパーティーでアリスは不快でたまらなくなる。こ
の街は何かがおかしい、と感じる。
映画の途中で「あ~なるほど~」と気づくのだが、かなりおもしろかった。
アリスが掃除をしている時に窓ガラスと壁の間に挟まれたり、料理をして
いる時にラップで自分の顔をぐるぐる巻きにしてしまうシーンなどは、自
分が閉じ込められているということの暗示だ。アリスやマーガレットは気
づいてはいけないことに気づいてしまったのだ。この映画は女優でもある
オリヴィア・ワイルドの監督作で、女性ならではの作品だな、と思わせら
れる。「言いたいこと」がやはり女性目線なのだ。怖い物語だった。ハリ
ー・スタイルズがとてもかっこよかった。
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