猫のひたい

杏子の映画日記
☆基本ネタバレはしません☆

極道統一

2023-06-24 10:11:10 | 日記
2022年の中国・香港合作映画「極道統一」。

1997年、香港は返還を前に英政府、香港政府、黒社会それぞれの思惑
が渦巻き、大混乱に陥っていた。そんな中、黒社会のボスであるチョン
(サイモン・ヤム)は刑期を終えて戻ってきた側近ロク(リッチー・レン)
に重要な任務を託す。しかし実はロクは麻薬取引を調査する香港警察の
潜入捜査官だった。上流社会や警察組織とつながりながら、仁義なきポ
ジション争いが繰り広げられる黒社会で、ロクは暴力と汚職を撲滅する
ためにある決断をする。

返還前夜の香港を舞台に、黒社会に潜入した捜査官の戦いと葛藤を描い
た任侠ドラマ。黒社会のボス・チョンは引退して新しいボスを立てよう
としており、新ボスの座を狙う部下たちの間ではいさかいが起きていた。
チョンは皆から信頼されており、部下たちのこともかわいがっていたが、
年齢のことを考え、新しいボスを投票で決めようとしていた。そこへ3
年の刑期を終えて側近のロクが出所してくる。チョンはロクに重要な任
務を託すが、しかしロクの正体は、麻薬取引の真相を暴くため潜り込ん
だ潜入捜査官だった。
ロクは仁義と正義の間で選択を迫られるが、やがて自分以外にも内通者
がいるのではないかと疑い始める。中国・香港合作映画とはいえ舞台が
香港でメインキャストも香港俳優で、セリフも広東語なので香港映画と
いう感じ。香港映画といえばやっぱりアクションだ。カーアクションが
すごいし、炎に包まれた建物の2階から飛び降りたり、火のついた車を
走らせたり、迫力がある。近年のジャッキー・チェンの映画などと違っ
てちょっと古い感じがするのがまたいい。
香港の返還前って実際にああいうふうに混乱していたんだろうな、と思
う。イギリス政府、香港政府、警察、黒社会、上流階級が入り乱れてい
るし、人間関係もちょっとわかりづらい。もちろんよく観ていればわか
るのだが。残酷なシーンもあるにはあるが、R指定がついていないので
そうでもない。紳士然としていたあのイギリス人があんな曲者だったと
は…。他にもあいつはああいう奴だったのね、という意外性があってお
もしろい。黒社会の仁義とは私にはもちろんわからないが、黒社会で真
面目に生きている(変な表現だが)人々にとっては重要なのだろう。
主演のサイモン・ヤムはお久しぶりな感じ。この人は昔多くの香港映画
で刑事役をしていて、「香港1刑事役が似合う俳優」と言われていた。
本作ではヤクザのボス役だった。香港映画界の重鎮サモ・ハンもちょい
役で出ている。1986年の名作香港映画「男たちの挽歌」の主題曲であ
る、レスリー・チャンの「當年情」が挿入歌やエンディング曲として使
われており、感激した。いい曲だなあ。本作のサム・ウォン監督は「男
たちの挽歌」みたいな映画を作りたかったのかな。


薄暗くて見にくいですがベルとノエルです

コメント (6)
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