猫のひたい

杏子の映画日記
☆基本ネタバレはしません☆

哭悲 THE SADNESS

2023-05-19 22:34:12 | 日記
2021年の台湾映画「哭悲 THE SADNESS」。

台湾で感染拡大していた謎のウイルスが突然変異を起こし、人間の脳に
作用して凶暴性を助長する恐ろしい疫病が発生した。感染者たちは罪悪
感に苦しみながらも暴力衝動に抗えず、街中に殺人と拷問が横行する事
態に。感染者たちの殺意からどうにか逃げ延びた女性・カイティン(レ
ジーナ・レイ)は、数少ない生存者たちと共に病院に立てこもる。カイ
ティンから連絡を受けた同棲中の恋人・ジュンジョー(ベラント・チュ
ウ)は生きて彼女と再会するため、1人で狂気に満ちた街でさまよい始
める。


グロテスクな描写が満載のパニック・ホラー。R18なのも頷ける。謎の
感染症に長い間対処し続けてきた台湾。"アルヴィン"と名付けられたそ
のウイルスは、風邪のような軽微な症状しか伴わず、不自由な生活に不
満を持つ人々の警戒はいつしか解けてしまっていた。ある日、ジュンジ
ョーは、スマホのニュース動画を観ていた。そこではウォン博士(ラン
・ウエイホア)がアルヴィンウイルスの危険性を力説していた。司会者
は感染症の危険性を煽っているだけではないかと言うが、ウォン博士は
「アルヴィンウイルスは突然変異を繰り返しており、狂犬病に近い性質
を持っている」と主張する。
ジュンジョーにとっては大して興味のないニュースだったが、彼はベラ
ンダに出た時隣のビルの屋上に白い服の老婆が立つ姿を目撃する。不審
に思った彼が声をかけると、老婆の服は大量の血で汚れていた。驚いた
ジュンジョーだったが、カイティンが声をかけた時老婆の姿は消えてい
た。ジュンジョーは出勤するカイティンをミニバイクで地下鉄の駅まで
送るが、途中で2人はパトカーを目撃する。警官が血まみれの人物を取
り押さえ、ストレッチャーに横たわる人物にかけられた白布には大量の
血が付着していた。
凄惨な光景を見て驚く2人だったが、カイティンは仕事に向かう。その
後なじみのファストフード店に立ち寄ったジュンジョーは、そこへ先程
見た白い服の老婆が入ってきたのに気づく。老婆の目は黒くなっており
(白目がない)、老婆は店員を襲って殺害する。客たちも他の客を殺し、
何が起きているのかわからないままジュンジョーはミニバイクで逃げだ
すが、至る所で人が人を襲う惨劇を目撃する。自宅に帰ったジュンジョ
ーがテレビをつけると通常の放送は停止され、緊急事態を告げる文字が
画面に映し出されていた。
その頃地下鉄に乗っていたカイティンは座って本を読んでいたが、隣に
座った会社員風の男(ジョニー・ワン)にしつこく話しかけられ、馴れ馴
れしく「君は美人だ」などと言われ、「セクハラはやめて」と言う。そ
の言葉に男は怒り出す。カイティンは乗り込んできたマスクをした女性
リーシン(アップル・チェン)に席を譲るが、男は突然、リーシンの目を
傘の先で突き刺す。カイティンはリーシンと一緒に逃げるが、男はどこ
までも追ってくる。同時にあちこちで殺戮が起きていた。テレビの生放
送では総統までもが殺害される。
リーシンと共に台北大学病院へ逃げ込んだカイティンは、スマホでジュ
ンジョーに大学病院にいることを知らせ、ジュンジョーは必ず助けに行
くからそこを動くなと言った。病院の中は襲われて負傷した人であふれ
ており、リーシンは満足な手当てを受けられないでいたが、カイティン
はリーシンを励ます。物語としてはシンプルで、突然変異のウイルスに
感染した人々が生きている人々を襲い、あちこちで惨劇が起きるという
もので、「新感染 ファイナル・エクスプレス」や「#生きている」と
いった韓国映画に似た感じなのだが、あちらよりはるかにグロテスクで
とにかく流血シーンが多い。
感染者の目が黒くなっているのが気持ち悪かった。セクハラ男のしつこ
さもすごいし、どこまでカイティンとリーシンを追いかけるんだ、とい
う感じ。カイティンは途中でウォン博士に出会うが、彼が味方なのかど
うかもよくわからない。なかなか見応えがあっておもしろかったので、
グロテスクな描写が平気な人はお勧め。リーシン役のアップル・チェン
が顔も体型も渡辺直美そっくりだった。それとカイティンがすごいミニ
スカートのスーツを着ていて、台湾の女性はあんなミニスカートで会社
に行くのだろうか、と思った。




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コメント (4)
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