猫のひたい

杏子の映画日記
☆基本ネタバレはしません☆

世界で一番醜い女

2021-05-15 22:24:59 | 日記
1999年のスペイン映画「世界で一番醜い女」。

大晦日の夜、マドリッド。老人ホームでの老女惨殺の報を受け現場に向かった
アリバス刑事(ロベルト・アルヴァレス)。監視カメラが捉えた犯人は、尼僧の
恰好をして老女をメッタ刺しにしていた。捜査を続けるアリバスはやがて、学
会から追放された整形外科医ウェルナー(エクトル・アルテリオ)に犯人との接
点を見出す。そして、ウェルナーの革命的な整形手術により絶世の美女へと変
身した1人の女性が浮かび上がる。ウェルナーによると彼女は、伝説の美女と
同じ名を持つ”世界で一番醜い女”ローラ・オテロ(エリア・ガレラ)。その醜さ
は、母親でさえ生んだ直後にショック死してしまったほどだった。

何というのか、サスペンス・コメディ?整形美女が連続殺人を犯すというスト
ーリーである。大晦日の夜、ある老人ホームで年越しのパーティーが行われて
いた。ヨーロッパはあんなふうに(クリスマスみたいに)年末年始を祝うんだな、
と思った。1人の老女が疲れたからと言って自室へ戻るが、その後殺害されて
いるのが発見される。警察が到着し、防犯カメラに尼僧の姿の何者かによって
刺殺されたのだとわかる。捜査責任者のアリバス刑事はやがて学会を追放され
た高名な整形外科医・ウェルナーに行き当たる。
色々と突っ込みどころの多い映画で、おもしろいのかおもしろくないのかよく
わからない感じだった。ウェルナー医師はかつてローラという女性に違法な手
術を施したことで学会を追放されていた。ローラはこの世のものとは思えない
顔で生まれてきて、生んだ母親でさえショック死してしまい、孤児院で育った
という経緯があった。当然孤児院でもひどいいじめに遭った。ローラのことを
かわいいと言ってくれるのは盲目のシスターだけだった。でもシスターもロー
ラの顔を触れば普通の顔ではないことはわかったと思う。
ローラは醜いというより何らかの病気だったのではないだろうか。ウェルナー
医師は美容整形をする前に病気の治療を考えるべきだったと思うのだが。ロー
ラは老女以前にも殺人を犯しており、更に犯行は続く。今度の標的はミス・ス
ペインのコンテスト参加者だということを警察は突き止める。警察はローラの
目的を復讐だと言うが、ただの逆恨みに見えて共感できないのだが。彼女の気
の毒な生い立ちを考えても、そんなことして何になるの?と思う。そもそも彼
女のような人がいくら手術で美しくなったからといって、モデルなんかやるだ
ろうか。しかも同じ名前で。ひっそりと生きていくものだと思うのだが。
アリバス刑事はローラに「重要なのは内面だ」と言って説得しようとするが、
その言葉はローラには空しく響く。「今まで私の内面を見てくれた人はいない
わ」と。最後の方のCGがすごかった。すごいというか笑えるというか。結局
ローラにとってあれはハッピーエンドということでいいのだろうか。ローラは
彼女なりの安らぎを見つけたのかもしれない。何だか変わった映画だった。




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コメント (4)
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