猫のひたい

杏子の映画日記
☆基本ネタバレはしません☆

戦慄の絆

2013-05-07 02:13:20 | 日記
1988年のカナダ映画「戦慄の絆」。
一卵性双生児のエリオットとビヴァリーのマントル兄弟(ジェレミー・アイアンズ二役)は、
産婦人科クリニックを開業している。
見た目は瓜二つだが、性格はかなり違っていた。エリオットは社交的で傲慢、ビヴァリーは
内気で繊細だった。
ある日クリニックに女優のクレア(ジュヌヴィエーヴ・ヴィジョルド)が訪れた。クレアを
診察したエリオットは、彼女の子宮が中で3つに分かれていることに驚く。
エリオットはクレアに、子供は産めないと告げる。その日2人は関係を持った。
翌日クレアの元をビヴァリーが訪れるが、双子と知らないクレアはエリオットだと思い、
今までの乱れた生活について話し、ビヴァリーと関係を持つ。
それ以来、マントル兄弟はクレアを共有するようになった。ビヴァリーは双子だと隠して
いることに苦しむが、エリオットは平然としている。
クレアはある日、友人に「あそこの医者は双子よ」と聞かされ、愕然とする。
そして激怒してクリニックにやってきて、もう会わないと告げる。「私を弄んでいたのね!」
そのことにショックを受けたビヴァリーは、精神のバランスを崩し、薬を乱用するように
なる。
子供の頃からずっと一緒だった兄弟の均衡が崩れ始める。

デヴィッド・クローネンバーグ監督のサイコ・サスペンス映画。
クローネンバーグらしく、グロテスクな映画だった。なんだか不気味な形の医療器具が
出てきて、産婦人科だけに気持ちが悪い。
双子と知らずに代わる代わるデートをして、自分が共有されていたと知ったクレアはたまった
ものじゃないだろう。ものすごい侮辱だ。
それにしてもジェレミー・アイアンズの演技がすごい。本当に双子の人が演じているんじゃ
ないかと思うほど、エリオットとビヴァリーの違いを演じ分けている。
傲慢なエリオット、気弱なビヴァリーと、本当に別人に見えるのだ。
ラストも本当に「戦慄」する。
コメント
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