猫のひたい

杏子の映画日記
☆基本ネタバレはしません☆

最終目的地

2012-12-19 02:03:51 | 日記
アメリカ映画「最終目的地」を観にいった。
大学の文学科の講師をしているオマー(オマー・メトワリー)は、1冊の著作を残して自殺した
ある作家の伝記を書くために、遺族に許可を貰う手紙を書いたが、断りの返事が来た。
勝ち気な恋人にたきつけられて、遺族が暮らす南米ウルグアイに行き、直接交渉することに
なった。ウルグアイに着いたオマー。そこでは、作家の未亡人、愛人とその娘、兄、兄のゲイの
パートナーが同じ敷地内で暮らすという、奇妙な光景があった。
伝記を書くことについて、作家の兄のアダム(アンソニー・ホプキンス)はすぐに承諾してくれた。
愛人のアーデン(シャルロット・ゲンズブール)も、オマーの話を聞いて考えを変え、賛成して
くれた。が、未亡人のキャロライン(ローラ・リニー)は頑として承諾しようとはしなかった。
意固地なキャロラインとの交渉に限界を感じていたオマーだが、いつしかアーデンと惹かれ合う
ようになる。だが、18歳の時に作家と出会い、スペインから連れてこられたアーデンは、
後ろ盾を無くし、子供のために必死で生きてきたため、人を愛することに臆病になっていて、
オマーへの気持ちを抑えようとするのだった。
ある日アダムのパートナー、ピート(真田広之)の仕事の手伝いをしていたオマーは、蜂に刺されて
はしごから落ちてしまう。腕を骨折しただけでなく、アレルギーを持っていたオマーは、昏睡
状態になってしまう。心配したアーデンは、オマーの恋人に連絡し、呼び寄せる。昏睡から
目覚めたオマーだが、オマーの気持ちはもう恋人ではなくアーデンに向いていた。

なんと言えばいいのだろう。登場人物1人1人の人生が複雑に絡み合って、喜びや悲しみが
浮き出てくる様子が、感動的だった。
1番良かったと思ったのが、アダムとピート。アダムは、老人である自分から、25年連れ添った
パートナーのピートを自由にしてやりたくて、オマーに宝石の密輸でお金を作ることを頼む。
アダムは「私のような老人と生きるな」と言うが、ピートは「他の人生は望まない」と言う。
15歳の時にアダムの養子になり、パートナーでもあったピートにとって、アダムと別れることは
考えられないのだった。2人がお互いの気持ちを確認し合う姿が、感動的だった。
アーデンもまた、オマーと愛し合いながら、勇気を出せないでいる。オマーは「必ず戻ってくる」
と言うが、「取材が必要だものね」と答えてしまう。

シャルロットと真田広之さんが特に印象に残った。原作では、ピートはバンコク生まれのタイ人と
いうことらしいが、ジェームズ・アイヴォリー監督は真田さんのために「徳之島生まれの日本人」
に脚本を書き換えたそうだ。どうして徳之島なのかは、真田さんも知らないらしい。
1つ嬉しかったのは、シャルロットの服装がかわいかったこと。彼女はいつも映画の中でTシャツや
セーターにジーンズといった服装が多いので、この映画ではほとんど柄物のスカート姿だったのが
嬉しかった。シャルロットはスタイルがいいのでもっといろんな服装をさせてあげればいいのに、
と思う。映画の中のファッションって、俳優が自分で決める訳じゃないよね?

アメリカ映画なのだが、舞台がウルグアイであることや、メインの俳優がイギリス人やフランス人や
日本人であることなどから、ヨーロッパ映画みたいな雰囲気で、とても私好みだった。
コメント
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