猫のひたい

杏子の映画日記
☆基本ネタバレはしません☆

菖蒲

2012-12-27 02:26:36 | 日記
ポーランド映画「菖蒲」という映画を見にいった。アンジェイ・ワイダの映画。
ちょっと変わった映画だった。
クリスティナ・ヤンダというポーランドを代表する女優、この人の独白、
彼女が主演する「菖蒲」という映画、そして撮影現場の様子、という三重構成になっている。
冒頭はクリスティナ・ヤンダの独白。彼女は「菖蒲」という映画の撮影監督だった夫を亡くした
らしい。その夫との生活、闘病、愛と死について語る。薄暗いホテルの1室で。
場面が変わり、「菖蒲」の物語に入る。医師の妻マルタが主人公。マルタの夫は、マルタが
病気でもう長くないことをわかっていたが、マルタに言えないでいた。
ある日マルタは、ボグシという青年と出会い、心をときめかせる。人なつこいボグシは、
自分の恋人のことなどをマルタに話す。
マルタと夫は、第二次世界大戦中のワルシャワ蜂起で2人の息子を亡くしている。
ボグシに息子たちの姿を重ね合わせたのかもしれない。
親しくなった2人は、一緒に川で泳ぐようになる。だがある日、不幸な出来事が起きてしまう。

ホテルの中のヤンダの独白と、「菖蒲」の映画と、映画を撮影している場面(アンジェイ・ワイダも
写っている)が、交互に写され、少しわかりにくかった。
わかりにくいと言うより、私が好きじゃないと言うべきか。私はこういう暗い映画が好きなのだが、
この映画はあまりいいと思わなかった。
「生と死」について描いているのだろうか。女優ヤンダの夫の死。ヤンダが演じるマルタの
やがて訪れる死。そしてボグシの死。
ベルリン国際映画祭で賞をとっているし、ネットのレビューでも高評価なのだが、私はちょっと
…ダメだった。ヨーロッパ映画を見てこんなふうに思うのは珍しい。
アンジェイ・ワイダだから期待していたのだが、残念。
そういえば「カティンの森」を見ていないなあ。これは是非とも見たい。

今年最後の、映画館で見た映画でした。
コメント
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