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脳腫瘍のシグナル伝達阻害薬、小児に重大なリスク

2008-04-01 | 小児癌
小児脳腫瘍、髄芽腫の治療に用いられる最新薬剤"HhAntag"と呼ばれるシグナル伝達阻害剤(STI)に骨損傷、発育不全という重大なリスクがあることが動物実験で判明した。Cancer Cell誌3月号にてフィラデルフィアの小児病院から発表された。
「この薬剤は脳腫瘍の約3分の1の患者に大変効果がある。しかし、この経路は小児における発育にも重要な役割をになうため、大きな問題である。実験では、HhAntag投与後たった2日後に、若いマウスに骨の縮小と関節の異常が認められた。」
この障害は、治療中断後も改善しなかった。
ヘッジホッグ経路を標的とするこの薬は、今のところ、成人においては毒性がないことが示されている。
「小児においてもマウスの実験と同様のことが現れると思われることから、この薬を骨を回避して脳にだけ送達させる方法を見いだしたい。しかしながら、製薬企業は、年間数百名しかいないこの癌の小児のために、利益の見込めない開発研究は行わないだろう。」
フィラデルフィア小児病院原文記事


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