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GM-CSFのワクチンによりイマチニブ治療患者の残存白血病細胞が死滅

2010-01-20 | 血液、リンパ腫etc
イマチニブ(グリベック)を服用している慢性骨髄性白血病(CML)患者を対象にした治療ワクチンの初期の臨床試験で、中央値22カ月の期間に参加者19人中7人で癌細胞が検出不能となった。試験結果はClinical Cancer Research誌1月1日号に発表された。イマチニブはCML患者の生存率を著しく改善させるが、ほとんどの場合、体内の癌細胞は完全には根絶されず、残存癌細胞により最終的に再発する可能性がある。

顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF)と呼ばれるタンパク質を発現するように遺伝子操作したCML細胞株から試験ワクチンが作製された。このワクチンはその接種部位に免疫細胞を引き寄せるのを助ける。これらの免疫細胞は遺伝子操作されたCML細胞表面にあるタンパク質(抗原)に遭遇する。ジョンズホプキンス大学シドニーキンメル総合がんセンターのDr. B. Douglas Smith氏を中心とする研究者らは、免疫細胞が抗原に遭遇した後に体内の他の部位にあるCML細胞を探し当てて死滅させることを期待している。

試験に組み入れられた慢性期CMLの患者19人は全員イマチニブを服用していたが(期間中央値37カ月)、依然測定可能な腫瘍細胞が体内に存在していた。試験期間中、患者はイマチニブの服用を継続し、3週間間隔で4回のワクチン接種を受けた。副作用はほとんどが軽度であったが、3人の患者で注射部位に疼痛性の反応が発現した。

中央値33カ月の追跡調査期間後に、74%の患者で分子遺伝学的寛解(血中のCML細胞数の大幅な減少)が、7人で分子遺伝学的完全寛解(CML細胞が検出されない)が認められた。発表時点で数名の患者(ワクチン接種後20~44カ月)でCML細胞が検出されない状態を維持している。研究者らは、イマチニブ服用の中止後も免疫療法の有用性が持続するかどうかを判定する追跡試験を計画している。
NCIキャンサーブレティンより
K562/GM-CSF免疫療法
ジョンズホプキンス原文記事


6 コメント

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イギリスのワクチンご存じ (SON)
2010-02-21 09:01:57
2010年4月から英国で、ワクチンを臨床試験に使用される。患者の細胞を利用して、ワクチンを作って、患者体内に注射する。
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どのようなものですか ()
2010-03-01 21:43:48
SONさま、
よければ教えてくださいな。
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このニュースについて (son)
2010-03-06 16:04:16
私は、中国のサイトで見つかった。
イギリス ロンドン大学 Kingdom 学院の2010/1/5発表して、このワクチンはすでに20年近く研究して、2010年4月人体臨床試験に入ります。下記は中国語サイトです。
http://world.news.cdqss.com/content/2010-01/06/content_193862.htm?node=137
私も本当かどうか確認したかったです。
私のEmail:sonmk2002@hotmail.com
是非交流してほしいです。
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遅くなりましたが ()
2010-03-19 10:20:02
もう少し手がかりがないとどのようなワクチンかさえわからなくて・・。
中国語は残念ながら読めませんが、白血病はわかります。

Professor Angus Dalgliesh, St. George’s University of London, United Kingdom
だとしたら、
Dalgliesh's spin-off company Onyvax currently has a prostate cancer vaccine,

とのことです。
このくらいしかわかりませんのでご容赦ください。

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正式URLを見つかりました(英語) (son)
2010-03-24 21:56:36
http://www.kcl.ac.uk/news/news_details.php?news_id=1257&year=2010

上記をご覧ください。
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ありがとうございました ()
2010-03-25 10:38:01
白血病患者にワクチンの試験開始ですね。

どのようなワクチンなのか詳しくは書かれていませんが、「2つの遺伝子を免疫システムに運ぶウィルス」とあります。結果を見守りたいです。

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