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多発性骨髄腫にCarfilzomib(カーフィルゾミブ)は有効性に優れ、神経障害が少ない

2010-01-05 | 血液、リンパ腫etc
Carfilzomib(カーフィルゾミブ)が患者の45%に寛解を誘導、神経障害を軽減
M.D.アンダーソンがんセンター  2009年12月7日

多発性骨髄腫患者を対象とした第2相試験で、第2世代プロテアソーム阻害剤であるcarfilzomib(カーフィルゾミブ)が顕著な奏効率を示し、かつ副作用発生率が低かったことが、本日行われた第51回米国血液学会年次総会において報告された。

17の施設で行われたこの試験の最新データは、第1世代プロテアソーム阻害剤であるボルテゾミブによる治療歴がなく、それ以外の1~3種類の前治療歴を有する、再発性あるいは難治性多発性骨髄腫患者が対象とされた。

またWang氏は「新薬は平均余命を延ばす一方で、重篤な神経障害を含む副作用を伴うことが多いのです。カーフィルゾミブは奏効率が良好で、副作用において改善がみられます」という。神経障害とは末梢神経の疼痛あるいは麻痺であり、治療中止を余儀なくするほど患者を衰弱させることもある。(略)

評価可能な患者51人で奏効率は45%、そのうち完全寛解は1人、部分寛解は18人であった。やや有効であったのが9人、6週間以上にわたり病態の安定がみられたのが10人であった。新薬の併用投与療法にもかかわらず腫瘍が進行した患者に対する単剤投与レジメンとして、この結果は注目すべきものである。

「有害事象の多くは軽度であり、倦怠感、悪心および貧血などでした」とWang氏は述べている。神経障害の発生率は、評価可能患者51人のうち7人(12%)に減少した。投与量変更はほぼ不要であった。試験参加時に腎機能低下があった患者が、腎臓への副作用を理由に投与量を減らす必要はなかった。
全文訳



2 コメント

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おめでとうございます (一休)
2010-01-06 09:41:08
遅ればせながら、あけましておめでとうございます。

骨髄腫の記事の翻訳ありがとうございます。カーフィルゾミブは、今後の注目株のひとつですので、特に注意して開発状況を見守っています。

下記掲示板にリンクさせて頂きましたので、事後承認ですがよろしくお願いします。
http://8533.teacup.com/myeloma/bbs

なお、私のブログでもASH2009のアブストラクトの概要を紹介しています。
カーフィルゾミブ(ASH2009から)
http://ikyu3.at.webry.info/200911/article_7.html
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今年もよろしくお願いします ()
2010-01-06 17:16:52
一休さん、精力的で迅速なご活躍、いつも頭が下がります。
薬剤の情報、詳しく書かれていますね。

カーフィルゾミブ、期待したいです。が、それよりまだレナリドミドが承認されてないとブログに書かれていましたね。そちらにギャップを感じます。

遅くなりましたが、先月NCIからニュースも出ていて、訳はまもなく掲載できます。
http://www.cancer.gov/newscenter/pressreleases/MyelomaLenilidomide

今年も、お元気でよいお年をお過ごしください。
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