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EGFR(上皮増殖因子受容体)の予想外の役割が発見!

2008-05-21 | 癌の経路・因子
糖とシグナル:癌におけるEGFRの2つの役割
上皮増殖因子受容体(EGFR)は多くの癌細胞にみられる表面タンパク質で、薬物の標的として一般的となっており、シグナルを細胞内に伝達して増殖を促進することがよく知られている。今回、研究者らはEGFRの別の役割を発見した。5月6日のCancer Cell誌に掲載された研究によると、EGFRが必須栄養素である適量のブドウ糖の細胞への供給維持を助けているという。
長期にわたりブドウ糖が供給されない場合、自食作用とよばれる自らの細胞を食べる作用を通じて細胞が破壊される。
EGFRの第2の重要な細胞における機能が発見されたことにより、EGFRのシグナル伝達を標的とするエルロチニブ(タルセバ)やゲフィチニブ(イレッサ)などの薬剤が、EGFRを高レベルで発現している少数の癌に対してしか効果がないことの説明となりそうだ、と研究者らは言う。
EGFRは癌細胞における適量のブドウ糖量を維持してエネルギー欠乏を防ぎ、そのことによって化学療法や細胞内シグナル伝達を阻害する薬剤から生き延びている可能性がある。これらの癌細胞を根絶するには、EGFRが持つブドウ糖に関連した活性と、増殖を促進するシグナル伝達の両方を阻害する必要があるだろう、と研究者らは結論づけている。NCIキャンサーブレティンより抜粋

さらに詳細は:EGFRのもつ予想外の役割:癌細胞を餓死から守る(M.D.アンダーソン)


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