家内が入院してた頃の順天の二階は病院内レストランって感じだったよね。和食と洋食と中華が一つになった食堂って感じだった。和洋中華といったって、天丼かつ丼ざる蕎麦、餃子炒飯ラーメン、ハンバーグとカレーとかの絞込みメニューだったけど。味は…病院内食堂ってどこでもこんなものでしょうって味だったね。だから昼時になると、近所の蕎麦屋か三津浜海岸通りまで車飛ばして分厚い刺身定食とするか迷ったものだった。
ところがすっかり様変わり。なんと、病院二階にDOUTORとコンビニがオープンしてるではないか。
現役時代は職場の周りにも通勤途上にも自宅の周辺にも、ドトール、スターバックス、タリーズとかの洒落たカフェがいくらもあったし、美味いカフェラテ・カプチーノは勿論、サンドウィッチやスイーツも企業戦士の息抜きの場だったっけ。そういう味は伊豆高原に移ってからは随分とご無沙汰になってしまった。観光客向けの店は多いけど、垢ぬけた味と洒落た雰囲気を提供する飲食店は極めて少ない。
ところが、伊豆長岡の順天堂病院の二階にはDOUTORがあるんです。病院は日々進化しているんです。
痛みも日一日と薄くなって体力も回復してくると…一日が長くなるでしょ。暇な時間を持て余すようになる。当然、病院食のみでは我慢出来なくなる。
小腹がすいたねぇ。で、パジャマ姿でヨロヨロヒョコヒョコ、病室のあるフロアーから一階のロビーを廻ってもあっという間。で、二階フロアの一角にあるDOUTORとコンビニに足が向く。普通の人も、そうでない人も、お医者さんも、研修医も、看護婦さんも、介護師さんも、事務員さんも、掃除のオバサンも、尿袋ぶら下げた人も、点滴を引きずっている人も、車椅子の人も、糖尿病の患者も、高血圧の患者も、泣いている人も、笑っている人も、怒ってる人も、そしてパジャマ姿の僕も、喧騒の店内をウロウロしている。
メニューを見る。
コーヒーだけでも、ブレンド、アメリカン、エスプレッソ、カフェラテ、カプチーノ、カフェモカ、ココア、キャラメルナントカ…
スイーツも、チーズケーキ、ミルクレープ、タルト、トルテ、スフレロール、
フードは、ミラノサンド、ミラノA、ミラノB、ミラノC、カルツオーネチキン、カルツオーネペスカトーレ…いずれも高カロリーである。
となりのブースでは天ぷら蕎麦が売れている。
コンビニではスイーツがずらり。
(更に銘柄のビール、ウィスキー、焼酎がずらり。バニーガールが「あらジローさん、お久しぶり!そろそろ退院ね、寂しくなるわ、今日はゆっくりしてってね。いつものマッカラム、ロックのWでいい?」なんて設営してくれたら、まさにここはパラダイスなんだけど。病院大繁盛間違いなしね。そうだ、伊東市民病院も建て替えするし、このアイデイア上申してみようかな。)
「いらっしゃいませ~、店内でお召し上がりですか?お持ち帰りですか?」
あのさ、このパジャマ姿で外に出られる?病室に持って帰る訳にいかないし。店内で食べるしかないっしょ。なんて意地悪爺丸出しの返事はしないで、素直に (店内で食させていただきま~す)。いい子にしてなくっちゃ。
これ、五日間続けたけど、結果どういう事になったか。
看護婦さん登場「今日は体重測りましょうね」
ガ~~~ン、絶句…なんと
4㌔も増加してんじゃないの。
入院して回復が順調にいくと、パラダイスにヨタヨタと足を運び、カロリー過重摂取で血糖値増加、生活習慣病復活で再入院へ。
これって病院事務局の陰謀じゃなかろうか。