朝食の用意を整え、家内を椅子に座らせている丁度その時、
ドシ~~~ン
というような(音を感じたような)感じで強烈な横揺れがおこったのよ。我が家が1mくらい右左に揺れて…一瞬頭をよぎったのは東海大地震?
おっ!地震か? ?? 家内の顔を見る。家内、「??」
地震だろ、すごい揺れてる…ん?
家内、手を横に振って違うといってる身振り。
あれ?
と思う間もなく、立っていられないほどの強烈な眩暈が…。立ちあがり時のフラフラって感じじゃなくて、ド~~ンって感じの強烈な眩暈だ。と同時に両手両足の力が抜けて目の前の椅子に座りこむ。
これって…
脳梗塞?
う…動けない…なんか…変…頭が…ゴワ~~~
家内が心配そうな顔で僕を見つめる。
救急車…呼ぼうか…電話機まで…行けない…携帯…リビング…
不安と恐怖の塊が…もし脳梗塞だったら…我が家は地獄だ。
じっとしてる。じっとしながら…3分くらい経っただろうか。だんだんと手が動いて…喋れるようになってきた。
身体もだんだんと動いてくる。しゃがみこんだままだけど。
なんなんだ、これは…。もしかして…。ネットで症状を調べる。
脳梗塞の前兆!
やばいよ、これ。
娘に頼んで運転してもらい順天堂に連れて行ってもらう。脳神経外科ね。
「手の痺れはないようですねぇ、両足とも…大丈夫。はい、自分の鼻を人差し指で交互に指して…上向いて、左向いて、グッパグッパ…。脳梗塞はおこってないようですね。恐らく一過性脳虚血発作と思われますが、念のためMRI撮ってみましょうね。」
MRIってさ、痛くも痒くもないんだけど、横になって目をつぶって身体を動かさないようにして30~40分かかるのよ。ゴンゴンゴン、ドンドンドン、ガシガシガシ、ゴ~~~ン…。すごい音がする中で30分ね。鼻の頭が痒くなってさ、でも手を動かせないから、あれって苦しいのよ。掻きたくても掻けない歯がゆさ。
「MRIからは、出血や腫れはありませんねぇ。脳の萎縮は…ま、歳相応かな」
脳が委縮しちゃってるんですか?!
「歳相応です…ん?…この小さな白い点が…何カ所か…」
えっ?えっ?白い点???
「小さな脳梗塞の後 ですね…」
脳…梗塞?
「歳相応です…あなた位の歳になると誰でも出てくるんですよ。」
歳相応ですか…
「ほら、歳とると顔なんかにシミが出来るでしょ」(僕の顔ジーっと見て)
顔とか・・・ナニとか・・・確かに・・・
「んなようなもんです。ま、今回の症状は脳梗塞ではありませんし、脳の状態も問題ありません…が…」
・・・が…?
「一過性脳虚血発作は血栓なんかが瞬間的に脳血管に詰まってしまい、強い眩暈や脱力感や失神などを起こす症状なんですが、これを繰り返すと本当の脳梗塞になる危険性大なんです。今のうち、血液の流れをよくする薬と血栓を溶かす薬を飲んで脳梗塞の予防をしておいたほうがいいですね。」
は はい…
「あっ、それと、高脂血症ね、コレステロールが高いですよね、これ、治さないとね…食事ね、
それとお酒ね。ワカリマスネ!」
あっ、はい…
という訳で、お薬を飲むようになってしまった。
このせんせ、この間のメタボ特定検診の指導員のオバサンとおんなじこと言ってるなぁ。
ビール止めてポリフェノールたっぷりの赤ワインにしよっかな。ウィスキーはビールよりも体にいいって聞いたけど・・・
脳梗塞…これだけは避けなくっちゃ。
もし脳梗塞になっちゃったら・・・夫婦で車いす・・・どこかいい介護付き老人ホーム探しとこうかなぁ。夫婦でやっかいにならなくっちゃ。