日本の輸出制裁が国家イメージの失墜になってもいいです。
韓国全国経済人連合会の許昌秀会長
韓国全国経済人連合会(全経連)が日本政府の輸出制裁を撤回するよう求める建議書を経済産業省に伝達したと15日、明らかにした。
【ソウル共同】韓国の文在寅大統領は15日、大統領府で会議を開き、日本政府による半導体材料の輸出規制強化について、元徴用工訴訟を通商問題に関連付けていると指摘し「両国関係発展の歴史に逆行する措置だ」と批判した。
「サンマルクカフェ」が失速している。店舗数が伸びず、既存店売上高もマイナスが続いている。看板商品「チョコクロ」で人気を得てきたチェーンが、なぜ伸び悩んでいるのか。店舗経営コンサルタントの佐藤昌司氏は「低価格帯のカフェでも、居心地の良さが重視されるようになった。サンマルクはそこに対応できていない」と分析する――。
「サンマルクカフェ」の失速が鮮明だ。拡大路線を進んできたが、ここ数年の店舗数は伸び悩んでいる。
2019年3月末時点のサンマルクの店舗数は404店。1年前からは、わずか2店増にとどまった。数年前までは年に20店程度増えていたが、ここ数年の年間増加数は10店に満たない。店舗数の伸びが明らかに失速している。
既存店売上高の苦戦も続いている。19年3月期は前期比1.0%減と、マイナス成長だった。前期である18年3月期も不調で、17年3月期から2.5%も減っていた。各店の稼ぐ力が衰えていることは明らかだ。
サンマルクといえば、遠赤外線効果があるオーブンで焼き上げたパンが売りだ。特にクロワッサン生地でチョコレートを包んだ「チョコクロ」が有名で、看板メニューとなっている。ブランドロゴにも「CHOCOCRO(チョコクロ)」の文字が入っているほどだ。そのほかにも、デニッシュ生地の上にソフトクリームを載せた「デニブラン」などパンメニューを豊富に取りそろえている。
サンマルクの失速によって、運営会社サンマルクホールディングス(HD)の業績もさえない。19年3月期の連結売上高は、前期比1.4%増の700億円と微増にとどまった。純利益は19.6%減の29億円だった。純利益の減少は2期連続で、30億円を下回ったのは06年3月期以来、13年ぶりとなった。
カフェチェーン業界では、「スターバックス」と「コメダ珈琲店」が店舗数を大きく伸ばして存在感を高めている。スタバは1400店超、コメダは800店超を展開し、どちらもまだ成長途上だ。サンマルクを尻目に、今も店舗増が続いている。
好調なスタバとコメダに共通しているのが「居心地の良さ」だ。スタバは積極的な改装を実施するなどして、常におしゃれな空間を保ち続けている。コメダはふかふかのソファを設置し、新規店舗では全面禁煙を原則とするなど、居心地の良い空間を作り出すことに成功している。スタバとコメダはいずれも、業界内では中価格帯に位置する。そのため顧客は、値段に見合った居心地の良さを期待しており、そこに応える必要がある。
一方、ブレンドコーヒーSサイズを208円(税込)という低価格で提供するサンマルクに対しては、それほど顧客の期待が高くない。とはいえ、競争の激化やニーズの高まりなどで、低価格帯の店でも居心地の重要性は高まってきている。
サンマルクは、そういったニーズに対応しきれていないように見える。顧客満足度が決して高くないのだ。日本生産性本部・サービス産業生産性協議会の「日本版顧客満足度指数(JCSI)」調査における、カフェ部門の「顧客満足」ランキングで、サンマルクを上位で見かけることはない。
19年度第1回調査では、1位が「ドトールコーヒー」、2位が「カフェ・ベローチェ」、3位が「スタバ」、4位が「コメダ」となっている。サンマルクはトップ4に入ることができていない。競合と比べて、サンマルクは顧客からの満足を獲得しきれていないことがわかる。
なお、同調査では顧客満足度を含めて6つの指標のランキングを出しているが、コストパフォーマンスを表す「知覚価値」においては、ベローチェ(1位)、ドトール(2位)、ミスタードーナツ(3位)に次ぐ4位にサンマルクは付けている。いずれのチェーンも低価格を武器としており、それがそのまま知覚価値に反映されたといえるだろう。
だが、前述の通り、ドトールとベローチェは顧客満足度でもそれぞれ1位と2位を獲得している。サンマルクは上位4位に食い込めていない。つまり、ドトールとベローチェはコスパ以外の面も評価されて顧客満足度が高くなっているが、サンマルクはコスパ以外の面が評価されていないのだ。
もう一つ注目したい指標がある。「ロイヤルティ」だ。ロイヤルティは顧客に「また利用したい」と思わせているかを表す指標だが、この指標でも1位がドトール、2位がベローチェで、サンマルクは4位以内には入っていない。「また利用したい」と思わせる要素が、価格以外にないためだろう。
ドトールを「また利用したい」と思っている顧客が多いのは、価格以外では「利便性の高さ」が大きい。ドトールは、駅前のビルの1階など好ロケーションに立地していることが多い。そのため、ホッとひと息つきたいときや待ち合わせで利用するのに非常に便利だ。
また、ドトールはサンマルクの3倍近い1100店超をも全国に展開しているため、好立地との合わせ技で、カフェを探す際に「きっとここにもドトールがあるだろう」という安心感が顧客に根付いている。それゆえに「また利用したい」と思われているのだ。
ベローチェに関しては、「居心地の良さ」が大きそうだ。席のスペースを広く取っている店舗が主流となってきているほか、一部店舗ではソファを配置しており、居心地の良い空間を提供できている。ゆったりとくつろげる「快適な空間」をこだわりとし、そこを追求していくと表明している。ここを評価する顧客は少なくない。ベローチェもドトール同様に、「また利用したい」と思わせる空間を提供できているといえるだろう。
一方、サンマルクはドトールほどの利便性の高さはなく、ベローチェほどの居心地の良さもない印象がある。
また、看板メニューの「チョコクロ」は、今となっては似たようなものがコンビニエンスストアなどでも売っており、大きな差別化ができなくなってしまった。スタバの「フラペチーノ」や、コメダの「シロノワール」ほどの独自性がないのではないか。チョコクロだけで集客を図ることは難しいように思える。また、「デニブラン」はシロノワールの二番煎じの感が否めず、これを売りとするのも難しそうだ。
つまるところ、サンマルクは「低価格」以外の売りが弱い状況だ。再成長を果たすには、新しく売りを作る必要がある。特に、居心地の良さを高めることとメニューの強化は、即効性が期待でき、早急に取り組むべきだろう。
競合のスタバは積極的に改装を実施して、居心地の良さを追求している。サンマルクもスタバのように積極的に改装すべきだろう。また、清掃を強化して常に整った環境を構築する必要がある。そして、店員のサービス品質を上げる必要もある。この点は、居心地を大きく左右するからだ。
メニューに関しては、季節商品を定期的に高頻度で投入するなどして顧客を飽きさせないようにする必要がある。
スタバは毎月のようにフラペチーノを含む新作ドリンクを投入している。コメダも季節限定のシロノワールを次々と投入している。前期(19年2月期)だけで、8種類のシロノワールを発売した。昨年9月下旬からコーヒー味の「大人ノワール」を、10月下旬からは森永製菓の人気チョコレート菓子「小枝」とコラボした「シロノワール小枝」をそれぞれ期間限定で販売している。いずれも好評だったという。
サンマルクも、「ロイヤルミルクティーチョコクロ」や「いちご大福チョコクロ」など、期間限定商品は販売している。だが、個性が弱く、パンチに欠ける印象がある。魅力的な季節商品の開発が必要だろう。
サンマルクHDは正念場にある。そうしたなか、昨年8月に、実質的な創業者である片山直之社長(当時)が逝去したことが不安材料だ。創業の1989年から全国的なチェーン店を擁する企業に押し上げてきた辣腕家(らつわんか)が居なくなったことで、今後の成長が危ぶまれる。
サンマルクのテコ入れは待ったなしの状況だ。抜本的な対策を早急に講じることが求められているだろう。
佐藤 昌司(さとう・まさし)店舗経営コンサルタント立教大学社会学部卒業。12年間大手アパレル会社に従事。現在は株式会社クリエイションコンサルティング代表取締役社長。店舗型ビジネスの専門家として、集客・売り上げ拡大・人材育成のコンサルティング業務を提供している。