65歳未満で発症する若年性認知症の人が、全国で推計3万5700人に上ることが、東京都健康長寿医療センターが27日に公表した調査でわかった。調査結果は厚生労働省に報告され、今後の認知症対策の基礎データとなる。
 調査は、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(東京)からの委託で2017~19年度に実施した。東京や大阪など12都道府県の医療機関や介護事業所(約1万7000か所)に対し、若年性認知症の人の利用などについて聞き、集計結果を分析した。
 同センターによると、若年性認知症を発症している人は18~64歳の人口10万人あたり50・9人。
これをもとに全国の人数を3万5700人と推計した。
 厚労省の研究班が06~08年度に5県で実施した調査に基づく推計では、若年性認知症の人は18~64歳の人口10万人あたり47・6人、全体で3万7800人だった。10万人あたりの人数は増えたが、18~64歳の人口そのものが減少した影響で全体では微減となった。
 また、本人や家族の生活に関する調査では、発症時に働いていた人は約6割。このうち約7割が調査時点で退職しているなど、失業や収入減に直面する人が多い実態も明らかになった。