歌劇「ウリッセの帰還(Il Ritorno d'Ulisse in Patria)」 (2002)
ヴェッセリーナ・カサロヴァ (Vesselina Kasarova)
マリン・ハルテリウス (Malin Hartelius)
イザベル・レイ (Isabel Rey)
マルティナ・ヤンコヴァー (Martina Jankova)
コルネリア・カリッシュ (Cornella Kallisch)
ニコラウス・アーノンクール (Nikolaus Harnoncourt) 指揮
シンティッラ管弦楽団 (Orchestra La Scntilla Of The Opernhaus Zurich)
〇2002年、チューリヒ歌劇場で収録
〇輸入盤、Arthaus、100353
〇2006年8月24日、hmv通販、2827円税込み、2693円税抜き
〇イタリア語歌詞、155分
〇英語、イタリア語、フランス語、スペイン語、日本語字幕
〇ヴェッセリーナ・カサロヴァのサイト
〇Vesselina Kasarova
〇あらすじ
プロローグ
「人間のはかなさ」、「時」、「幸運」、「愛」のそれぞれを寓意的に現す人物が登場し、物語の始まりを告げる。
第1幕
第1場 ユリッセの館
ユリッセの妻ペネーロペはトロイ戦争に出征したままの夫の不在を嘆く。ペネーロペは20年も戻らない夫の身を案じながらも多くの求婚者に囲まれ、盛んに再婚を促されていた。一方、侍女のメラントーは愛人と密会している。
第2場 河岸の洞窟
トロイ戦争出征中に海神ネプチューンの息子である一つ目の巨人を殺したユリッセは、父神の怒りをかって幾多の苦難に遭遇していた。帰還を諦めずについに故郷の島イタカに流れ着いたユリッセは、そこで羊飼いに姿を変えた女神ミネルヴァに出会う。ミネルヴァはユリッセに、求婚者たちから妻を取り返すよう進言する。ミネルヴァはユリッセを老いた羊飼いに姿を変え、彼に老羊飼いエウメーテのもとへ行くように言う。さらに、生き別れになっていたユリッセの息子テレーマコを連れ戻してくると約束する。
第3場 ユリッセの館
ユリッセの館では求婚者につきまとわれるペネーロペが、再婚の意志がないことを告げている。
第4場 泉のほとり
老羊飼いエウメーテのもとに求婚者たちの従者である大食漢のイーロがやって来て、歌い踊ったすえに去っていく。次にみすぼらしい老人の姿のユリッセが一夜の宿を求め、エウメーテは快く迎え入れる。
第2幕
第1場 泉のほとり
女神ミネルヴァがユリッセの息子テレーマコを伴って現れる。老羊飼いエウメーテは、息子の帰還を知らせるためにテレーマコの母親であるペネーロペの待つ王宮に向かう。その間に天から光が届き、ユリッセは元の姿に戻る。父子は感動的な再会を果たす。
第2場 ユリッセの館
求婚者に取りまかれたペネーロペが登場する。老羊飼いエウメーテが息子の帰還を告げ、ユリッセも間もなく戻るだろうと告げる。だが、ペネーロペは、不確かな噂は私の哀しみを増すだけだと言い残して去る。
第3場 森
王宮に向かうユリッセの元に女神ミネルヴァが現れ、王宮で妻ペネーロペの再婚相手選びの競技会が開かれると告げる。
第4場 ユリッセの館
ペネーロペはスパルタから戻った息子を迎える。老羊飼いエウメーテに伴われて謎の老乞食姿のユリッセが現れ、求婚者の一人を瞬く間にねじ伏せる。これによりユリッセはペネーロペの婚約者を選び出す競技会に加わることを認められる。
ペネーロペはユリッセの弓を取り出すと、それを最も見事に引きしぼることができるものを夫とする、と宣言する。求婚者たちが試みるがいずれも失敗する。最後に残ったユリッセだけが軽々と弓を引く。その時、雷鳴と共に女神ミネルヴァが登場し、求婚者たちはユリッセの弓で次々と射殺されてしまう。
第3幕
第1場 屋敷の外
求婚者たちが射殺されたため寄食するところがなくなった大食漢のイーロは、仕方なく自殺する。
第2場 ユリッセの館
エウメーテは呆然とする母親のペネーロペに向かって、あの老人こそ父親のユリッセなのだと伝えるが、彼女は信じようとしない。
第3場 海上
女神ミネルヴァの取りはからいにより、海神と相談したジュピター大神がユリッセを許し、イタカの島に平和をもたらすよう命じる。。
第4場 ユリッセの館
ユリッセは無事元の姿に戻る。しかし、妻ペネーロペはこれはまた魔術であろうと疑う。そこでユリッセは二人のみが知っている寝室のベッドカバーの模様が、ペネーロペの手になる月の女神の刺繍であることを言って、ようやく妻との再会を果たすのであった。
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