朝日新聞 2013年1月13日の
「オオカミ探して40年・・「会いたい」奥秩父の山へ、 「人間の罪深さ」感じながら」という記事が印象的でしたので、切り抜いて保存しています。
数年前には、たしか、「オオカミの護符」というドキュメンタリー映画を見たような記憶もあります。
以前、多摩地方に住んでいたことがあるので、古びた家々の玄関口に貼られている「オオカミの護符」は実際にたくさん見かけたことを思い出します。
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(引用ここから)
精悍な顔つき、先が丸まった尾、絶滅したとされるニホンオオカミを探し求めて山を歩き続ける人がいる。
最後に確認されてから100年以上。
かつて守り神と崇められながら、近代化で消えていった姿が今も多くの人を引き付ける。
「大型動物の息遣いを感じ、草木を踏み締める足音が聞こえた。」
昨年12月中旬、埼玉県上尾市の八木博さんの元に知り合いから連絡が入った。
ニホンオオカミを探し続けて40年、埼玉と東京、山梨にまたがる奥秩父に向かう八木さんに同行した。
ヒノキや杉が生い茂る雪道を歩く。
「これはテンのふんですね、あれは鹿の足跡。」
雪の上にはさまざまな動物の痕跡があった。
山道脇の木に取り付けられているのは、赤外線カメラ。
動きに反応して自動で録画が始まる。
15年かけて周辺の山に20台設置した。
これまでカモシカやキツネ、熊が前を通ったが、ニホンオオカミらしき動物は映ったことがない。
新潟県出身で、19歳の頃、苗場山のブナ林で遠吠えを聴いた。
「ウォー」と、澄み渡るような長い声。
犬とは思えなかった。
声の主に会いたいと思った。
その後、奥秩父を登山すると多くの神社がオオカミを祀り、登山者の目撃情報や文献、毛皮が多く残されていた。
探し求めている相手がいるのはここだと思った。
月に一回は奥秩父に足を運ぶ。
1996年10月、捜索帰りに、林道脇から一匹の動物が姿を現した。
体長約1メートル、精悍な顔に艶のある毛並。
写真に収めた。
これに、動物分類学者が、「ニホンオオカミの生き残りの可能性がある」と指摘し、メディアを賑わせた。
2010年に関心を持つ仲間と「NPO法人ニホンオオカミを探す会」を立ち上げた。
「遠吠えを聞いた」、「似た動物を見た」という連絡が毎年10件前後ある。
もしかして、、かもしれない、、そんな話ばかりだが、無視したら絶対にみつからない。
「捜索を通じて感じるのは、人間の罪深さです」と八木さんは言う。
利便性の追求が生態系を破壊する。
去年はニホンカワウソが絶滅種に指定された。
昨年末の奥秩父。夜に及んだ捜索の最後、1996年に動物をみかけた場所に寄った。
冷気が肌を指す。
5分ほど周辺を歩いた。
狸が一匹、目の前を通り過ぎただけだった。
目撃情報は九州や紀伊山地などでもある。
ニホンオオカミは明治以降の開発や乱獲、伝染病で絶滅したとされる。
東京農工大の丸山直樹名誉教授は、「文明開化の犠牲になった。農地を荒らす鹿やイノシシを襲うため、かつては守り神と崇められた。しかし明治政府は家畜を襲う害獣とみなして駆除していった」という。
オオカミにくわしい元国立科学博物館の小原氏は、「100年もの間、確かな死骸を残していないのは不自然」と、生存には否定的だが、「孤独そうな精悍な顔だちと、守り神だった動物が消えてしまった謎めいた部分が人を引き付ける」と見る。
(引用ここまで)
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「NPO法人ニホンオオカミを探す会」HP
http://www.saitamaken-npo.net/database/kyoudou/group.php?mode=detail&id=100311170701
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などあります。(重複しています)
ゾロアスター教については、まだ終わっていません。。。