映画「脳内ニューヨーク」
原題は「Synecdoche, New York」
その意味は、“提喩法(例えを用いて)
で描くニューヨーク”という感じか
二年前のミニシアター系の映画なので
つい見過ごしていたが
先日ツタヤで発見し鑑賞した
いや面白いのなんのって
素晴らしいのひと言
アメリカの映画館で観たなら
間違いなくスタンディング・
オベーションだったろう
気が利いた言葉遊びも満載で
それが一見、筋とは関係ないように思えるが
実はチャンと伏線になっており
物語に深みを持たせている
これから観る人もいるだろうから
物語の中身は書かない
だが、主人公の人気劇作家ケイデン・
コタード演じるフィリップ・シーモア・
ホフマンが抜群に巧いことは伝えたい
そして、なにより素晴らしいのは
この映画で初の監督をした
脚本家のチャーリー・カウフマンだ
火事で燻(くすぶ)っている
最中の一軒家が売りに出され
「家主が売るのを急いでいる」との
女不動産屋の台詞にフッ飛んだ
その家が何十年経っても
燻ったままという
発想に舌を巻いた
そして、一人一人の人間は
とてもチッポケな存在だが
皆が皆、それぞれの人生という舞台の主役
その主役の代役は誰にも出来ない
自分以外の一人一人の人間は
自分と同じく等しく尊い
こんな高度で難解なメッセージを
サラリと伝えてしまう
彼の書き手としての技量と奇抜な発想
人間を見る目の愛情の深さと鋭さは
ただただ脱帽というしかない
彼の作品で思い出すのは
「マルコヴィッチの穴」だが
「脳内~」はそれを超えた
彼には書き手としての嫉妬より
大きな羨望を抱いてしまう
とうてい追いつけない才能だ
「参った。敵わねぇ~」のだ
「敵わねぇ~」といえば
頭脳集団「ジャパン・メンサ」が作った
不動産情報ポータルサイト提供のクイズ
下記の図から暗号を解けというのだ
僕はチラッと一見しただけで降参
解く気力も沸かなかった
その「ジャパン・メンサ」の基の組織
「MENSA」は、IQ(知能指数)
148以上の人間だけが所属できる組織で
「普通の人には理解されにくい
高い知能を持つ者同士の交流」が目的なんだと
因みに、IQ148以上とは人類全体の2%ほどという
会員数は全世界で約10万人
日本の会員は350人ほどとか
彼らはバカな我等には理解できない
高尚な悩みを語り合うため
毎月、銀座で定例会を開いているんだと
ご苦労様、だ
しかし、僕もIQは幾らかある
けれども、MENSAには絶対に入れない
何故なら、IQ145と僕のIQの差は
天と地ほどあるから
というのが入会拒否理由だ
憤慨したが仕方がない
なにせ、未だに割り算は
一桁で割るのが精一杯なのだから…