「へンくつ日記」

日常や社会全般の時事。
そして個人的思考のアレコレを
笑える話に…なるべく

教師は専門職か労働者か、聖職か?

2008年05月24日 18時32分21秒 | Weblog
 
 就学児童・生徒にとって、学校は社会であり、
その社会の絶対的存在として映るのが教師である。
教師は児童・生徒に大きな影響を与える。
それ故に、教師の振る舞いが重要になってくる。

 教師は、児童・生徒の学業成績や容姿などで
差別するべきではないが、
実際は、学業成績や容姿によって
児童・生徒への認知が決まってしまうことがある。
これを「光背効果」という。
児童・生徒の学業が優秀だと、
教師は性格や生活態度も良いものと判断し
「望ましい児童・生徒」との印象を受け期待をかける。

 その期待を感じた児童・生徒が、
期待に応えようと、更に学業などで良い成績を修める。
これを「教師期待効果」
または「ピグマリオン効果」と言う。

 私事で恐縮だが、小学生の頃から中学2年の夏まで、
私の家は1年毎に引越しを繰り返した。
父の転職が原因である。
転校する度に教科書が変わり、
私は学業についていけなくなった。
中学2年の夏の頃の私の成績は、
学年最下位から2番目というものだった。
劣等生そのものである。

 ある日、数学の教師が内臓疾患で入院した。
学級委員らが見舞いに行った。
その際に、数学教師の口から私の名前が出た。
「彼は本当は頭が良いのだ。転校さえなければ
君たち(クラスの代表)より成績は上のはず」と…。

 そのことを学級委員から聞いた私は、
感動で胸が一杯になった。
その日から私は、1日5時間の勉強を始めた。

6ヵ月後、私は5科目平均で学年2番になった。
後ろの2番から、初めの2番になったのだ。
まさに「ピグマリオン効果」である。

 
 教師の児童・生徒への影響は学業ばかりではない。
教師は、子供達の人格形成の大事な時期に接する
“目標とすべき人格”であらねばならない。

 最近、北海道釧路市の小学校で、43歳の男性教諭が、
担任する1年生の男子児童の胸に
「うそつき」と書いた張り紙をしたり、
頭を叩いたりする体罰を加えていたことが判明した。
その行動は幼稚で、担当する小学1年生と同じレベル、
もしくは、それ以下である。

彼を“絶対的社会の上に立つ人格”と
勘違いした子供達の成長過程に、
どんな悪影響を及ぼすかと心配でならない。
その他にも、犯罪から守るべき子供達を、
自らの性の対象にするような鬼畜教員も頻繁に現れる。

 近年の少年による凶悪犯罪の底辺に、
このような唾棄すべき人格の毒素が流れているような気がする。

 教職は、「専門職」「労働者」
「聖職」に分ける考えがあるというが、
未来の世界に生きる子供達の人格形成に
大きく関わるこの仕事は、
自らの人格の研磨を欠かさない人間による
「聖職」であるべきと考える。



「聖職」の鑑 吉田松陰

自非読万巻書
安得為千秋人

万巻の書を読むにあらざるよりは
いづくんぞ千秋の人になるを得ん

(全ての書物を読む志いきおいがなくて
 どうして歴史の人になれるだろうか)


自非軽一己労
安得致兆民安

一己の労を軽んずるにあらざるよりは
いづくんぞ兆民の安きを致すを得ん

(自らの労を避けて、どうして民のために生きられようか)
コメント (4)
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