非常勤として教えることとなった
専門学校の初授業・講義があった
前日、まる1日かけて準備し
講義に臨んだのだが
忘れていたことがあった
僕は人前で、それも知らない
大勢の人間の前で話すのが
何より苦手だったことを…
自意識が強すぎるのか
人前に出ると
ガタガタと足が震え
声がかすんでくる
何を喋っているのか
自分で判らなくなる
その場から逃れたい衝動にかられる
それが、出席をとった後に襲ってきた
数十人いる学生が、一斉に僕を見る
喉の奥から悲鳴にも似た空気が漏れる
「マズイ…」
その動揺は顔色に出ていただろう
それでも、初めて接する学生たちは
温かく、一人でテンパッているオヤジを
「落ち着くまで、ソッとしとこう」
という感じで見守ってくれた
それで、ようやく
僕は、話すべきことを話したのだった
しかし、理解して欲しい事の半分も
伝わらなかったようにも思う
次回は、もっと懇切丁寧にしようと思う
未来の一流クリエーターたちの
成長の手助けを
これから、させて戴くのだ
身が引き締まる
楽しみだ
この中から、未来の偉大な芸術家が
何人も出てくるだろう
世界をまたに駆ける
偉大な芸術家が…
しかし疲れた
たった3時間の講義なのに
帰宅した時はヘトヘトで
たまらずベッドに倒れこんだ
2時間の仮眠でようやく生き返った
まる1日講義し
それを何十年も続けている
わが大学の先生たちの大変さが
少し判った
カズチャン先生
お体、ご自愛くださいませ…