今から十何年も前のこと。
厚木キャンパス教育課程の1年間の島流しに苦労していた頃の話になる。
厚木キャンパスから新宿まで、小田急か京王を使って帰る。
50分程度もかかるもんだから、当然帰りの電車の中では寝ちゃったりもした。
埼玉から厚木に通うのに、往復4時間である。
学業熱心でない俺が、そんな事態にって、耐えられる訳もナシ。
毎日あるはずの授業は、いつしか俺の間引き受講になっていた。
その日は、天気予報と違い雨が降ったかと思う。
電車内も各駅停車車両ときたものだから、そこそこ座れた。
新宿駅まであと20分位の所で、フト目が覚めた。いつしか、寝てしまったようだ。
目を開けると、丁度、俺の前に誰かが立っている。手の甲が目に入る。
ず、随分と焼けてますねぇ。チョコレート色の手。
握り締めているのは、緑色のビニール傘(笑)。
手首には金色の格子模様が時計盤に付いている、腕時計。
やけに、ビニ傘との対比が気になった俺(笑)。
ナ、成金さんデスかぁ?・・・
少しずつ、視線を上げていく。そして、やけに日に焼けたその人の顔を拝むことになった。
う、ウィッキーさんじゃねぇー!(笑)
英語できねぇーよぉ。 単位だって来年持ち越し決定済みだ。
当時、日本中のサラリーマン、OLが英語で話しかけられ、無様な姿をTVに放映されていた。
『今、一番街中で会いたくない人、怖い人ランキング』があれば、ベスト3に入っていたはずだ。
その、ウィッキーさんが今、俺の目の前に立っている。
何気に片目を気づかれないよう、開けて上目づかいで様子を見てみた・・。
●観察結果
①俺は、ウィッキーさんがどこかの大学で教鞭を取り出した事を知っていた。
(新聞報道読んでいたのね。)
②教鞭を取った後の帰路らしい。非常に、疲れている・・・ラシイ!
出来の悪い学生が多くて苦労が絶えないのか?(笑)
③緑色のビニール傘をしっかりと握っている。・・だれも盗りません。
以上を考察して、俺の取るべき行動を真摯に検討してみた。
『ヘヘッッ!ウィッキーさんですねぇ?エヘ。いつもテレビ見てますよ。』
こんな事を言ってしまえば、たちまち英語が分からん俺は、英語の嵐で恥を書くだろう。
ウィッキーさん、機嫌悪そうだし・・。英語で必要以上に、まくし立てられる俺を想像(汗)。
これは、没だな・・。
『お疲れでしょう。さあ、僕の席にお座りくださいマセ!!』
なんか、変だな。譲る言われもないし、譲られても困るだろ。没。
そして、最後の案。
そのまま、ウィッキーさんを立たせた状態を観察し続ける。
下手に席を譲るより、『ウィッキーをたたせ続けた男!』を選択した俺だ!
お別れの新宿駅到着。立ち上がったら、ウィッキーさんは意外に小ぶり。あんまり背は高くはないのね。
それ以来、ウィッキーさんとは会っていない(笑)。TVを見ない俺はウィッキーさんの事も忘れていたの。
ところが、黄色の帽子の地デジキャンペーンの新聞折込広告で再会したのだった。
最初、本物の熊かと・・。何も着ぐるみになることもないと思う。
何気に、アメリカだと問題になりそうな・・役回りだし。
一体、ウィッキーに何があったんだぁ?
サトウキビとか・・先物取引に手でも出したんだろうか?って心配しちゃうよ。
折込広告の写真には、
十何年前、緑のビニール傘が握られていた手には、
着ぐるみの熊の頭が乗っていた。
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厚木キャンパス教育課程の1年間の島流しに苦労していた頃の話になる。
厚木キャンパスから新宿まで、小田急か京王を使って帰る。
50分程度もかかるもんだから、当然帰りの電車の中では寝ちゃったりもした。
埼玉から厚木に通うのに、往復4時間である。
学業熱心でない俺が、そんな事態にって、耐えられる訳もナシ。
毎日あるはずの授業は、いつしか俺の間引き受講になっていた。
その日は、天気予報と違い雨が降ったかと思う。
電車内も各駅停車車両ときたものだから、そこそこ座れた。
新宿駅まであと20分位の所で、フト目が覚めた。いつしか、寝てしまったようだ。
目を開けると、丁度、俺の前に誰かが立っている。手の甲が目に入る。
ず、随分と焼けてますねぇ。チョコレート色の手。
握り締めているのは、緑色のビニール傘(笑)。
手首には金色の格子模様が時計盤に付いている、腕時計。
やけに、ビニ傘との対比が気になった俺(笑)。
ナ、成金さんデスかぁ?・・・
少しずつ、視線を上げていく。そして、やけに日に焼けたその人の顔を拝むことになった。
う、ウィッキーさんじゃねぇー!(笑)
英語できねぇーよぉ。 単位だって来年持ち越し決定済みだ。
当時、日本中のサラリーマン、OLが英語で話しかけられ、無様な姿をTVに放映されていた。
『今、一番街中で会いたくない人、怖い人ランキング』があれば、ベスト3に入っていたはずだ。
その、ウィッキーさんが今、俺の目の前に立っている。
何気に片目を気づかれないよう、開けて上目づかいで様子を見てみた・・。
●観察結果
①俺は、ウィッキーさんがどこかの大学で教鞭を取り出した事を知っていた。
(新聞報道読んでいたのね。)
②教鞭を取った後の帰路らしい。非常に、疲れている・・・ラシイ!
出来の悪い学生が多くて苦労が絶えないのか?(笑)
③緑色のビニール傘をしっかりと握っている。・・だれも盗りません。
以上を考察して、俺の取るべき行動を真摯に検討してみた。
『ヘヘッッ!ウィッキーさんですねぇ?エヘ。いつもテレビ見てますよ。』
こんな事を言ってしまえば、たちまち英語が分からん俺は、英語の嵐で恥を書くだろう。
ウィッキーさん、機嫌悪そうだし・・。英語で必要以上に、まくし立てられる俺を想像(汗)。
これは、没だな・・。
『お疲れでしょう。さあ、僕の席にお座りくださいマセ!!』
なんか、変だな。譲る言われもないし、譲られても困るだろ。没。
そして、最後の案。
そのまま、ウィッキーさんを立たせた状態を観察し続ける。
下手に席を譲るより、『ウィッキーをたたせ続けた男!』を選択した俺だ!
お別れの新宿駅到着。立ち上がったら、ウィッキーさんは意外に小ぶり。あんまり背は高くはないのね。
それ以来、ウィッキーさんとは会っていない(笑)。TVを見ない俺はウィッキーさんの事も忘れていたの。
ところが、黄色の帽子の地デジキャンペーンの新聞折込広告で再会したのだった。
最初、本物の熊かと・・。何も着ぐるみになることもないと思う。
何気に、アメリカだと問題になりそうな・・役回りだし。
一体、ウィッキーに何があったんだぁ?
サトウキビとか・・先物取引に手でも出したんだろうか?って心配しちゃうよ。
折込広告の写真には、
十何年前、緑のビニール傘が握られていた手には、
着ぐるみの熊の頭が乗っていた。
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