Cafe & Magazine 「旅遊亭」 of エセ男爵

志すは21世紀的ドンキホーテ?
はたまた車寅次郎先生を師に地球を迷走?
気儘な旅人の「三文オペラ」創作ノート

連載小説『フォワイエ・ポウ』(28回)5章3「旅行会社の新入社員登場」

2006-05-12 11:35:45 | 連載長編小説『フォワイエ・ポウ』
above an attached Photo:"Ducati March 1", from wikipedia.

連載小説「フォワイエ・ポウ」を通してお読みになりたい方、あるいはもう一度読み直したい方、こちらのカテゴリー「長編連載小説フォワイエ・ポウ」からご覧いただけます(こちらから入れます)。

   -------------------------------------

 長編小説『フォワイエ・ポウ』 5章
                     著:ジョージ青木   

2(料理との出会い)

(1)-2

「こんばんは~」
「いらっしゃい! あ~ 五反田さんだ。早いなあ~」
「今日の仕事は終わり、もう止めた!って、途中で放り投げて、大急ぎでやって来ました。お言葉に甘えておうかがいしました。早く来すぎましたでしょうか?」
「いえいえ、そんなことない。こちらとしては、こんなとき、いや、いつでも早い方がありがたいのです!」
珍しくも、今夜の五反田は二人連れであった。
まず、本田は驚いた。しかも二重に、驚いていた。

(以上、前回掲載まで・・・)

毎日一回、クリック応援を!(人気ブログランキング)


(本日本文の開始・・・)

連れの若い男は、今まで見たこともない大男である。おおらかに伸びやかに、その男は大きい。
(この男は、いったい何者だろうか?)
などと、本田が思うと同時に、五反田が発言する。
「マスター、紹介します。同僚の、といっても後輩です。入社三年目の大田君です」
「はじめまして、本田です、どうぞよろしく・・・」
「ま、どうぞ、お二人ともカウンター席におかけください」
五反田は席に着いた。
大男は立ったまま挨拶する。
当然といえば当然であるが、最近の本田にとっては、珍しくも礼儀正しい若者の一人であった。
「はじめまして。大田和彦です。本田さんのお店のこと、いつも五反田先輩からお聞きしています。自分ひとりで一度、お伺いしたいと思っていたのですが、結局のところ先輩と一緒に連れて来てもらったりして、それが今日になっちゃって・・・」
「はい、こちらこそ、どうぞ宜しくごひいきにお願いします。五反田さんと一緒にお越し頂き、どうもありがとうございます。電話で五反田さんに無理お願いして、今日は急に試食会することになったのですから、ちょうどよい日に来ていただいた・・・」
「僕、食いしん坊です。初めてお伺いする日が、ちょうど試食会の日の、今日になっちゃって・・・」
「いえいえ、大丈夫ですよ」
「初めてのところに一人で出向くのは、どうも苦手でして。恥ずかしくて、とにかく先輩にくっついてまいりました。これで次からは一人で来ます。宜しくお願いします」
「遠慮なくいらしてください。今日の試食会の料理、しっかり召し上がってください」
「あの~ 先生・・・」
「ダメダメ、ここは教室じゃないんだから、本田といわなければ・・・」
「はい、本田マスター! 実は太田君、学生時代は相撲部でして、体格、いまでも立派でしょう」
本田の第一印象は、これで一致し、納得した。
「そうか! 学生相撲ですか。なるほどなるほど。よくわかりました。では相撲の事、いろいろと教えてくださいね。楽しみだなあ・・・」
「いえいえ、僕は相撲取りとしては、落第生でして・・・」
「そう、大学時代に相撲部の落第生でも、いまどきJGBに入社できれば、結果オーライで、いいじゃない・・・」
「いや、ダメなんです。それが、まだ僕、仕事も半人前でして、あの、ちょっとトイレに行って宜しいでしょうか?」
「あ~、どうぞ、入り口手前の左手です」
話し途中でそそくさと、大田はトイレに向かった。

 <Intermission,,,(ちょっと休憩!)>
 *ストーリーの流れを損なわないよう意識して「文章の区切り」を調整した結果、本日は少し長くなってしまった。結果、3000文字を少しオーバー!久しぶりの「禁じ手」か?この辺りで少し休憩。読者の皆様には休憩をかねて「現代小説のトレンド情報」、チェックしてみて下さい・・


(2)-1

 彼がトイレに立ったと同時にタイミングを見計らったようにして、五反田恵子は、やや緊張気味に本田に話しかけてきた。

「先生、今夜、お願いがありまして、太田君を連れてきました。先に、私からの話し、聞いていただけますか?」
「はい、もちろん・・・」
本田は喜んで同意したものの、
「でも、私でお役に立てるかな?・・・」
和らいだ表情になった五反田は、あらためて話を続けた。
「あのこ、いや失礼しました。太田君のことですが、是非、先生に指導して頂きたいのです・・・」
「どんな指導かな?まさかここで旅行取り扱い主任者の講義をする訳にはいかないし、五反田さんの言う指導とは、いったい何だろう・・・」
「身体は大きいのですが、気が小さいのです。ガールフレンドも居ないようですし、先輩が誘っても、お酒も飲みに行かないし、自分独りでも、夜の街に出てないようだし・・・」
「?・・・」
「いや、仕事中にいろいろ私に相談してくるものですから、先生の事、話したりしていたら、『本田先生に是非お会いしたい!』っていい始めたんです。だから今夜、連れてきたのです」
「そうか、そうですか・・・」
五反田の会話を聞く本田には、ようやく全てが読めてきた。
「わかった、わかりました。でも、私は自信ないな。もともと基本ができていて優秀な人材を教えるからあの難しい試験に合格するのですよ、例えば五反田さん、あなたのように、でも、ダメな人間はダメなんです。いくらこちらが教えても、そういう人間は他人の忠告や教えなど、全く聴く耳持っていない。耳の悪い人間何をやってもダメ。工夫しようという気持ちがないから。そういう人間にはいくら教えてもダメなのです」
「いいえ、本田先生のお話しなら、太田君は聞くはずです。マスターとして、普通の若い男性客を相手するつもりで、彼の話し相手をしていただくだけでいいのです。彼、誰も相談する先輩や仲間がいないのですから・・・」
ここまで話した五反田の表情さらに和らぎ、少しずつ笑みに代わり始めた。
「私は、客の話は何でも聴きます。お客さまから質問があれば、答えましょう。それならできます。が、彼に何かを教えることは、私には不可能だ。彼に私からの忠告は、これはできない・・・」
「・・・」
わずか十数秒であるが、二人の間で沈黙の時間があった。
本田から、話しかけた。むしろ五反田のリクエストに対する、より詳細な返事をした。
「ウム、五反田さんのお話し、よく解りました。まず、彼の話を聴く。いや、彼から私に話しかけやすい状況だけは、私が作りましょう。それだけなら、私にもできるだろう・・・」
あくまでもクールな、本田らしい返答だった。
「はい、そうですよね・・」
そんな本田の性格から発生する彼流儀の自然な対応は、今まで本田の講義を聞き慣れている五反田には、十分理解できた。そんな本田は、五反田に対し自分流の再確認をする。
「五反田さん、そういう事で、いいですね」
本田は確認した。
「はい、よく解りました。宜しくおねがいします」
納得した五反田は、明快に返事する。
「あ~よかった、ありがとうございます。でも、なんだか、申し訳ございません・・・」
今までの五反田の緊張は、ここで解き放たれた。
「ま、これから先、大田君が気に入ってこの店の客として出入りしてくれさえれば、それなりに判りますよ。ひとまず、じっくりと彼を観察してみないと」
「大丈夫です。太田君、きっとフォワイエ・ポウに来ますよ。これは確かです」
ちょうど二人の話しが終わったころにトイレのドアが開き、大田がカウンター席に戻ってきた。

トイレから出てきた大田に最初に話しかけたのは、五反田だった。
「太田君、なにか飲み物注文しましょう。私は、そうだな、久しぶりにビール頂きましょうか。太田君の飲み物、自分で決めて下さいな」
「僕も、ビールでお願いします」
「お二人ともビール、りょうかいです・・・」
注文し終わった二人にビールを用意しながら、本田は大田に話しかけた。会話の内容は、大田がトイレに立つ前の会話の続きだった。

「ところで太田君、どうして君は?自分から相撲部の落第生?って、自分から云うのかな?」
「はい、入部して半年目で、相撲部を止めたのです。ですから僕は、だめな男です」
「相撲部を辞めた。それからどうしたの?」
「いえ、辞めてからは他のクラブ活動はしていません」
「それはそれで問題ない。大学は学問の場所だから、クラブ活動しに行く場所じゃない。でも、なぜ辞めたの?」
「あ~、辞めた理由ですね」
「そう、それ、それが問題なんだ」
「単純です。あんなに頭が痛いスポーツだとは、思っていなかったのです。相撲の立会い稽古は、頭からぶつかる。だから、ぶつかっただけで頭が割れそうに痛いんです。想像していたより頭が痛いんですから、練習中に何回も脳震盪(のうしんとう)になったし、毎日頭が痛くて泣いていました・・・」
「今の大田君の感想、相撲の練習の事、初めて聞いたな。そうか、そんなに頭が痛いスポーツだとは知らなかった」
「・・・」
「太田君、大丈夫だ。大学相撲、途中で辞めてよかった。もうそんなこと忘れて、今の仕事に集中したら如何ですか・・・」
そんな会話の進む中、
本田の知り合いに、大相撲で十両まで昇進した人が、チャンコ料理店を開いていたのを思い出した。

   <・・続く・・>


*人気ブログランキング参加中!人気blogランキングへ

連載小説「フォワイエ・ポウ」を通してお読みになりたい方、あるいはもう一度読み直したい方、こちらのカテゴリー「長編連載小説フォワイエ・ポウ」からご覧いただけます(こちらから入れます)。

    ---------------------------------------------

<添付画像>
かれこれ30年数年も以前になるか?初めての欧羅巴旅行中に、イタリアの街角でふと見つけたモーターサイクル!
いろいろ調べていたら、さすが、ウイキペディア!
それが、DUCATIに出会った最初の「型式マシーン」が見つかった。但し、イラストレーションであった。
クラシックオートバイ、バイクフォルムの美しさ、、、。
そう、
古き時代のホンダもヤマハもスズキも、もっと古いメーカーの名を思い出せないバイクの美しきフォルム。今はすでに消滅した往年の、数々の日本バイクメーカーを思い出す。
私見であるが、どうもハーレーダヴィットソンに代表されるアメリカンスタイルのバイクよりも、我輩はヨーロッパスタイルのモーターサイクルの方が好みだ。
英国バイクもいい。ドイツのBMW水平対向エンジンの姿も、屈強そのもの。
しかし我輩はなぜか、バイクは「イタリアンスタイル」がいいのだ。
これ、このDcati、これこそヨーロピアン・スポーツ・モーターサイクルの古典的スタイルの典型と思っている。

*イタリアーノロッソ、真紅の鋼鉄丸パイプフレームの骨格。

*逆砲弾型ライトに、超短い「一文字型ハンドル」。

*ライトの位置、長めタンクから平べったいシートへ伸びる、流麗なライン。

*何しろ驚くべき姿は、やや前傾に搭載されているドデカイ短気筒エンジン。

*裸のキャブレター。
野暮ったいフィルターなど一切付いていない「裸のキャブレター」丸出し。これが何しろ美しいいのだ。

現代のレーシングマシーンの空気力学的に叶った流麗さは、むしろ我々の年代には違和感あり、むしろこの時代のカタチをして、最もモーターサイクル的美しさを感ずる。何もかも、ドカの歴史的背景、現在に至るまでの努力と栄光との道、そして究めつけはドカの感性+芸術的センスなのか。全てが明らかにされている「ウイキペディア百科事典」は、すばらしい。詳細はこちらから・・・

Just introduction of Wikipedia,,,

"Ducati Motor Holding"
From Wikipedia, the free encyclopedia

Ducati logo all blackDucati Motor Holding (NYSE: DMH) is an Italian motorcycle manufacturer located in Bologna.
Ducati motorcycles have long been known for their excellence in design and performance. From the first post-war bicycle-like low-displacement motorbikes Ducati has grown over the years into a racing giant that is consistently competitive in both the racing arena and the world motorcycle marketplace.
In the 1960s, Ducati earned its place in motorcycling history by producing the fastest 250cc road bike available, the Mach 1.

Ducati Mach 1In the 1970s Ducati began producing large-displacement L-twin motorcycles and in 1973 released a L-twin with the trademark desmodromic valve design. In 1985, Cagiva bought Ducati and rebadged many of the Ducati motorcycles with the lesser-known Cagiva name (at least outside of Italy). In 1996, Texas Pacific Group bought 51% of the company for $325 million and renamed the company Ducati Motor SpA. In December 2005 Ducati went back into Italian hands with the sale of Texas Pacific's stake to Investindustrial Holdings, the investment fund of Carlo and Andrea Bonomi.
Ducati is best known for high performance motorcycles characterized by trellis-style frames and large capacity four-stroke, 90-degree L-twin engines featuring a desmodromic valve design. Modern Ducatis remain among the dominant performance motorcycles available today partly because of the Desmo valve design, which is nearing its 50th year in production. (Desmodromic valves are closed with a separate, dedicated cam lobe and lifter instead of the conventional valve springs used in most internal combustion engines). While most other manufacturers have adopted wet-clutches (with the spinning parts bathed in oil) Ducati uses dry clutches in almost all of their motorcycles. This eliminates the power loss from oil viscosity drag on the engine even though the engagement may not be as smooth as the oil bath versions. Although the higher than average cost of servicing the Ducati's finicky engine can shock some owners, most will still agree that the improved ride quality, performance, and styling of Ducatis is worth the extra cost.

"Contents"
1 Product history
2 Motorcycle design history
3 Company history (apart from motorcycles)
4 Racing History
5 See also
6 External links
 (and so on,,,
I would strongly like to recommend jumpng and watching Wikipedia's pages,,,)

これ、続きがすばらしいい!画像もあります。是非、レーシングヒストリーをご覧下さい・・・

*人気ブログランキング参加中!人気blogランキングへ