うっかりユーザのパソコン奮闘記

パソコンを使っていて感じたあんなこと、こんなこと、気ままに書いていきます。

効用

2010年09月16日 | 忘れかけていたこと
YouTube の効用は、検索、閑暇救済のほかにもう一つあった。

音楽は聴くもので観るものでない。もう忘れかけているこのことを思い出させてくれる効用がそれである。

奏でられる音楽の聴感と、姿態の優美さは無関係であることがよくわかる。
背筋を伸ばして上体を左右にわずかに揺らせながら、フォルテッシモの直後、さあ見てくださいとばかりに手をピンと上に跳ね上げる。
そういう仕草で弾くピアノの音に、小学生の頃持っていた鉱物の標本のような、臭いはあっても温か味のない、あまり好ましくないものを感じるのはなぜか、大げさに言えばそんなことがわかるのである。

グールドやイエペスの、背を丸められるだけ丸めたような演奏姿態を見れば、観せるが先の演奏との違いがよくわかる。

もちろん姿勢のよいほうが見ていて気持ちはよい。
だが、ヴィジュアル時代でもナニ時代でも、音楽はやはり聴くものなのだ。