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旧あわら病院ブログ(2016年度までの軌跡)

福井県の北の端にある「独立行政法人国立病院機構あわら病院」の
2008年11月から2017年3月までの記録です。

実践で学ぶ!超音波検査~初期研修医に対する取り組み~

2014年06月20日 08時20分20秒 | 検査科

突然ですが、国立あわら病院は、福井大学医学部附属病院の卒後研修における「臨床研修協力施設」の一つであり、毎年数名の初期研修医を受け入れています。

「長寿医療、血液・免疫医療、障がい児(者)医療」を政策医療とし、地域医療に力を入れている当院の特色を生かして、研修に来た初期研修医の皆さんには地域医療の実際を学んでもらいます。

そしてもう一つ!当院が力を入れているのが。

検査科による、初期研修医に対する超音波研修の取り組みです。

実践で超音波検査(エコー検査)のスキルを手に入れる!これぞ「あわら実践方式」!
ということで希望者には、「超音波検査の基本を身につけ、患者様の協力を得て実際の症例を体験し、報告書を作成できるまでに成長してもらう1か月」のコースを用意しています。2か月コースも可能です。

初期研修医は当院検査科の指導で、基本操作、血流評価、腹部エコー、心エコーについて、順次1か月かけて習得してもらいます。
そして検査科は、研修医の技術向上について検証し、また研修医へのアンケートを行って、研修内容の改善点を探っていきます。
もちろん、画像だけでなく患者様の疾患の全体像について評価をしなければならないので、医局の協力も欠かせません。

 

検証:上達したでしょうか?(研修医のエコーの描出の上達の様子をお示しします。)

腹部エコー:

2週目  

4週目

心エコー:

2週目  

4週目

 

あわら病院は、今日も頑張っていきます。


悲願達成! 近畿ブロックQC活動報告会最優秀賞受賞

2012年08月03日 17時21分43秒 | 検査科

 

平成19年から始まり、6年目を迎えた「できることから始めよう! 国立病院機構QC活動奨励表彰」において、毎年表彰を受け、機構本部では最優秀賞も受賞したあわら病院ですが、何故か近畿ブロック合同企画会議での最優秀賞とのご縁が今までありませんでした。

QC活動の評価視点は、「経営改善への貢献」「新規性」「分析手法」「着眼点」「創意工夫」「改善効果の明確性」の6項目。

あわら病院は、「新規性」「着眼点」「創意工夫」においては高い評価を頂いていたという自負がありますが!?、「改善効果の明確性」の面で大きな経営利益の産出にやや乏しかったためか?近畿ブロックの報告会ではなかなか最優秀賞には至りませんでした。
しかし今回!悲願の近畿ブロックQC活動報告会最優秀賞に輝きました!!
(金額的には数百万の改善効果があった施設とは比べものにならない微々たるものでしたが、)当院の持ち味である?「新規性」「着眼点」などが高く評価されたのではないかと、勝手な想像をしております。


前振りが長くなりました。肝心要の受賞活動の紹介をいたしましょう。
臨床検査室、チーム名「もっと検査受け入れ隊」が取り組んだ、「新たなるチャレンジ、検査技師の営業活動!」です。

 近畿ブロック理事から表彰状を授与されるリーダーのN非常勤検査技師

 N氏と応援隊で、記念撮影(応援隊の方が嬉しそうです。)

以下は取り組みの概要です。

今日の医療政策においては、診療機能を分担して役割を果たすことが不可欠である。
当院も、地域医療連携室が中心となって積極的に医療連携に取り組み、地域医療の基幹施設として一翼を担っている。

当院検査科においては、平成21年度の技師0.5人増員を背景に、過去5年間の超音波検査を中心とした経営改善の成果と血管診療技師ライセンス取得をセールスポイントとして、臨床検査技師の、受託検査による地域医療への参画を計画した。全国の国立医療機関では本計画のような前例はなく、検査科全体の活性化を促す新たなるチャレンジである。

具体的には、(当院が立地している)あわら市を旧芦原町と金津町のブロックに分け、1次計画として平成22年度に旧芦原町の7施設、翌23年度に2次計画として新たに加えた旧金津町の5施設を対象として、地域医療連携室の活動の一環としての営業活動・受託検査に取り組んだ。

結果、1次計画では3施設33人43件、2次計画では5施設49人74件と、検査件数が順調に伸び、地域の皆様に貢献することが出来た。3年目に入った今、検査を利用される連携医療機関からも評価をいただいている。

臨床検査技師の地域医療参画が、検査科の活性化とさらなる医療連携の充実につながるよう、今後ますます取り組んで行きたいと考えている。

 

(さらにスライド資料の一部を掲載します。)

  

  

  



  




臨床検査科の皆さん、本当におめでとうございます。これからもよろしく。

― カメラマンC ―

 

…悲願と言えば、体操の内村航平選手の金メダルと笑顔に、TVを見ていたこちらも朝からニヤニヤしてしまいました。


検査科からご挨拶。

2011年11月17日 08時48分31秒 | 検査科

 昨日の「放射線科からご挨拶。」に引き続き、
本日は「検査科からご挨拶。」をお届けします。



皆さま、こんにちは。あわら病院検査科です。

検査科では昨年から、
バーコードラベルを用いた血液検査・尿検査容器の管理を、本格的に開始しました。
これにより、血液検体・尿検体の採取忘れを減らすことに成功しました。
 

また、めまい・平衡障害の精査に役立てるため、重心動揺計を取り入れました。めまい・平衡障害の奥には、メニエル病、良性頭位性めまい等の耳疾患、脳こうそく等の脳疾患、血圧異常、頸性めまい、心因性めまい、自律神経失調等の様々な病態が隠れています。症状のある方は、一度、医師にご相談ください。

ここで改めて当院で取り扱っている検査について述べますと、血液学的検査、尿検査、細菌培養等の微生物学的検査、病理学的検査といった検体検査、超音波検査、心電図検査、脳波検査、呼吸機能検査、サーモグラフィー、重心動揺検査等の生理学的検査があります。

とくに超音波検査においては、血管診療技師を中心に、ASODVTの精査に力を入れ、研修医のエコー実習にも協力しています。

 

その他、検査科からも微生物学的検査結果を携えてICTに参加し、院内の感染管理の一端を担っています。これからの季節は、インフルエンザ抗原の迅速検査の件数が増えると思われます。

 



 

明るく楽しい検査科を、これからもよろしくお願いします。



神経内科開設のお知らせ

インフルエンザワクチンのお知らせ


血管診療技師!

2009年10月20日 20時05分37秒 | 検査科

「血管診療技師」とは、血管疾患の病態全般に関する基礎知識、血管疾患診療に関する専門知識と実技技術を有し、脈管疾患領域の治療に関る専門技師として、日本血管外科学会・日本脈管学会・日本静脈学会の3学会で構成する認定機構が認定するものです。現在、全国で371名が活躍しています。
このたび、当院のN検査技師が、この血管診療技師の資格を取得しました。

 
動脈疾患、静脈疾患、そしてリンパ管疾患を的確に治療するためには、いくつかの検査を組み合わせた診断法が必須です。
しかも、治療効果の判定などを繰り返し行うことが求められることから、無(低)侵襲であることが要求されます。
当院では、無侵襲診断法として機能的診断法と画像的診断法の2つの観点から検査を行っています。
動脈血行障害の検査として「足関節/上腕血圧比(ABI)検査」、「サーモグラフィ」、「血管超音波検査(頸動脈・腎動脈・下肢血管)」、
深部静脈血栓症(DVT)や下肢静脈瘤の検査として「下肢静脈超音波検査」があります。

「頸動脈超音波検査」は粥状硬化のごく初期の病変から高度な狭窄病変までを評価できるため、糖尿病や高血圧など、生活習慣病における動脈硬化の程度を知るための検査として活用されています。ときには、大脳動脈や椎骨・脳底動脈系の異常、鎖骨下動脈盗血現象や胸郭出口症候群が発見されることもあります。
また、一昨年に導入した「サーモグラフィ」は、下肢閉塞性動脈硬化症(ASO)にみられる下肢動脈血行障害や関節リウマチなどの自己免疫疾患にみられるレイノー現象、末梢神経障害など、しびれや冷感を訴える患者さまにも幅広く活用されています。さらに、当院の専門医療の一つである「末梢血単核球を用いた血管再生術」における治療効果を温度変化として見ることができる、客観的な検査としても活用されています。


血管診療技師からのご挨拶
これからも虚血性心疾患、脳梗塞、閉塞性動脈硬化症や肺塞栓症などの予防と、脈管疾患の患者さまのQOL向上を担う血管の専門技師として、皆さまのお役に立ちたいと思います。当院の無侵襲診断法を血管診療のファーストチョイスとしてご利用下さい。

あわら病院は今日も頑張っています。


動脈硬化の診断のために : 研究検査科の取り組み

2009年03月16日 17時15分55秒 | 検査科

  

あわら病院は長寿および血液疾患の専門施設として、50歳以降の男性に多く見られる動脈硬化の診断に力を入れています。とくに閉塞性動脈硬化(ASO)の予防・管理のために、月曜から金曜まで「血圧脈波図検査、超音波検査(血管エコー)、サーモグラフィー検査」を行っています。

ところで、「動脈硬化」って? という方のために。


動脈が強く弾力に富んでいれば、臓器や組織に必要な酸素や栄養素をスムーズに供給できます。しかし血液内の脂質が動脈壁にくっついて溜まったり(プラーク)、高血圧のために血管に負担がかかったりと、様々な原因で動脈は弾力性を失って硬くもろくなり、酸素や栄養素の供給が難しくなります。またプラークの表面が破れると血栓ができて血管が詰まってしまい、脳梗塞や心筋梗塞の原因となります。こういった状態が「動脈硬化」と呼ばれるものです。
動脈硬化の危険因子には、以下のものがあります。

高血圧
高脂血症
肥満
糖尿病
喫煙

あわら病院研究検査科では、年齢と喫煙歴のほか臨床症状を参考にしたうえで、各種検査を行っています。
気になる方はどうぞお問い合わせください。


写真左はASOのサーモグラフィーです。左足の血流が悪いことが分かります。
写真右はASOの下肢血管エコーです。浅大腿動脈が閉塞しています。



以上、研究検査科の取り組みについてでした。(取り組みシリーズはこれからも続けていきたいと思っています。)
研究検査科は今日も頑張っています。