旧あわら病院ブログ(2016年度までの軌跡)

福井県の北の端にある「独立行政法人国立病院機構あわら病院」の
2008年11月から2017年3月までの記録です。

靴のすゝめ ♪

2016年09月14日 13時57分12秒 | リハビリテーション

こんにちは。リハビリテーション科です。

あわら病院リハビリテーション科では、関節リウマチの方や足に悩みのある方にオススメできる『靴』を、スタッフや患者さんとで試し履きを行って、「これだ!」というものを探し続けてきました。(←ちょっと大げさ

 

足の悩みってなに?と思う方。

足のトラブルを抱えている方は意外と多く、次のようなものがあります。


外反母趾、内反小趾、扁平足、開張足、重複趾などの変形

足裏のうおの目、タコなど


このような症状のある方は、今まで履いていた靴では痛みや疲れのため歩きにくかったり、更に症状が悪化する可能性があります。中には靴を履けずに常にサンダル履きという方も。


なので、靴選びはとても大切

市販の靴でも適切なものを選ぶことによって、痛みを軽減するだけでなく、今後の変形の進行予防にもなるのです!

 

当科では以下のポイントを重視し、いくつかの靴を揃えてみました!

ゆったり幅広

土踏まずの支え

かかとのホールド感

靴底のクッション性

踏み返しのしやすさ

 





 中でも一押しの靴は、健常な足のスタッフが履いても、足部にトラブルのある患者さんが履いても「ラク~」「歩きやす~い」と☆5つレベル!
(履きやすさには個人差があり、変形の程度により足に合わない方もいらっしゃいます。)

上記の靴はサンプルとして置いていますので、試し履きもできます。

詳しくはリハビリテーション科まで! 

 

リハビリテーション科にはシューフィッターはいませんが、理学療法士が患者さんの足の状態を評価し、履物だけではなく、中敷きや装具などの説明、変形予防の指導なども行っています。

 

― リハビリテーション科 M ―

 

 

あわら病院は今日も元気です。


今ごろ、10月のことについて。(リハ研修会)

2015年11月15日 16時10分29秒 | リハビリテーション

さて、ブログを再開しましたので、溜まっていた(溜めていた)記事を放出しなければなりません。

紅葉も見ごろを過ぎた11月ですが、9月に引き続いて10月の記事をアップさせてください。

 

リハビリテーション科のMさんからです。

 

こんにちは。リハビリテーション科です。

秋晴れの10月18()
理学療法士県士会 業務推進部主催の研修会に参加しました。

テーマ:『平成30年度 医療・介護同時改定における本邦の動向と協会活動について』(←難しい…)

講師:(公社)理学療法士協会 事務局職能課 主任 野崎 展史さん(理学療法士)でした。

 

第1部は『理学療法を取り巻く社会情勢と期待』のタイトルで、
社会情勢をリハビリテーションの視点で解析し、豊富なデータを交えながら、今後、理学療法士に期待される分野や専門性についてお話していただきました。

第2部は『平成28年度診療報酬改定に向けての論点整理』
中医協などで審議されている最新の情報や診療報酬が設定される仕組みについてお話しいただきました。

なるほど~!といった感じでした。

少し話はズレますが。
理学療法士協会の事務局の方が講師という事で、てっきりベテランの理学療法士(イメージは素敵なオジサマ)かと思いきや、
な、な、なんと、20代後半のお兄さんでした←失礼
もちろん私より年下です・・・。
 

理学療法士は、病院や介護施設、訪問など臨床の現場で患者さまや利用者さまにリハビリを提供することが主な仕事だと思っていましたが(←もちろんそうなのです)、
野崎さんは診療報酬や介護報酬に関する調査の実施、要望書の作成、厚生労働省担当官との実務者レベルのやりとりなどを担当されている理学療法士なのです。

 

 
野崎さんです。(←編集委員Yによりご尊顔が隠されました。せっかくのイケメンが・・・。)

研修終了後も質問者の長い列ができていましたが、最後まで丁寧に答えていらっしゃいました。

 

今回は貴重なお話をとても分かりやすく講義して下さって、とても勉強になりました。

そして、私たち理学療法士はじめリハビリ専門職も、変化する社会のニーズに対応し、より一層、専門性を高めていかなければいけない大切な時期なのだと改めて感じました。

 

― リハビリテーション科 M ―

 

あわら病院は今日も元気です。


喀痰吸引研修

2015年06月29日 12時01分15秒 | リハビリテーション


6月24日(水)から小児科外来を休診しています。
ご迷惑をおかけして申し訳ありませんが、何卒、ご了承ください。

 

ここからが本文です。

リハビリスタッフの喀痰吸引研修を実施しました。

 

前提

数年前の平成22年4月、厚生労働省医政局より、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士による喀痰等の吸引の行為を合法化する通知が出されました。

あわら病院でもリハビリスタッフが現場での喀痰吸引を行えるよう、吸引の知識と技術についての研修と指導・評価を行っています。

今回、新採用の言語聴覚士と研修を受け損ねている理学療法士の2名が、喀痰吸引研修を受けました。

 

研修の実際

まずは看護副部長から、感染予防の基本や吸引の手順についての説明。


初心にかえります(意外と忘れています)。

 

次はモデル人形での実践です。

吸引シミュレータ その名も『Qちゃん』


Qちゃんは心なしか表情がすぐれません・・・。
痰を吸引してラクにしてあげねば・・・。


『Qさん、お口から痰とりますね~』
 ↑
患者さんですので“ちゃん”ではなく“さん”と呼んでいます。


呼吸音も確認です。

 

研修が終了したので、この2名もいよいよ病棟での患者さんへの喀痰吸引の実施が可能になります。

「吸引技術チェック表」で自己評価、他者評価を行い、技術確認を重ねながら最終評価を受けます。

 

 

― リハビリ M ―

 

あわら病院リハビリテーション科は今日も頑張っています。


BLS研修 in リハビリテーションルーム

2012年06月01日 18時08分26秒 | リハビリテーション

これまで病院全体でのBLS研修を何度か開催し、その都度、リハビリスタッフも自由に参加していましたが、今回、時間内歩行試験を算定することになり、その強化として改めて「リハビリテーション科でのBLS研修」を行いました。

 

2010年にAHA(アメリカ心臓協会)が、心肺蘇生法ガイドライン2010を発表しました。ガイドライン2005からの改定ポイントは、次の通りです。

1.呼吸確認法が「見て、聞いて、感じて」ではなくなった
2.手順の変更:A-B-Cから「C(胸骨圧迫)-A(気道確保)-B(人工呼吸)」
3.より強く、より速い、成人の胸骨圧迫:(深さは少なくとも5㎝、速さは少なくとも100回/分)

4.乳児にもAEDが使える。

AHAガイドライン2010では、「見て、聞いて、感じて」方式の呼吸確認は削除され、
「気道確保(あご先拳上)は不要、胸の動きを目で見て、呼吸をしているか10秒以上かけずに確認する」
つまり、まず見るだけでの呼吸確認法に変わっています。
これならたとえば顔のあたりが血だらけの人が倒れていても、感染対策に余計な時間を割かずに、すみやかに呼吸確認できます。

 

日本版では、慣れた医療従事者は従来通り、呼吸をしていないか死戦期呼吸(あえぎ呼吸)のみであればCPRを行うとなっています。
繰り返しますが「反応確認をする際に一緒に胸の動きを注視し、呼吸の確認に10秒以上かけないようにすることが重要」です。

 

 胸の動きを見て、呼吸をしていないか死戦期呼吸のみであれば→胸骨圧迫開始!

C(胸骨圧迫)-A(気道確保)-B(人工呼吸)の順番のメリットは、発見から胸骨圧迫を始めるまでのタイムラグがきわめて短いことです。
30回の胸骨圧迫、頭部後屈あご先挙上で気道確保し人工呼吸2回、これをAED(自動体外式除細動器)が到着するまで行います。

胸骨圧迫の手技では、質の高いCPRのため、今まで以上に「強く、速く」が強調されています。
成人に対する圧迫の深さは5㎝以上←3~5㎝から変更
圧迫のテンポは100回/分以上←約100回から変更

 

 これは小児の場合。

 これは乳児の場合。

*補足:
成人に比べ、小児が心肺蘇生を必要とする場合の原因が、突然の心室細動や心筋梗塞といった心疾患であることは少ないです。小児の心停止の原因は多様であり(気道異物による窒息、溺水、喘息、けいれん、感染症、SIDS、先天性心疾患など)、呼吸のトラブルによる心停止が多いです。つまり成人と違って、除細動(電気ショック)の適応は少ないと思われます。AEDばかりに意識が集中して、胸骨圧迫、気道確保、人工呼吸に気が回らなくなってはダメです。

*補足2:
胸にボールなどが当たった衝撃で起こる心臓震盪に関しては、速やかなCPRとAEDが重要です。

 

 

今回の研修のインストラクターは4月に赴任された、M医師です。
M医師はACLSインストラクターの資格を取得し、常に携帯用マスク(と多分、手袋も)を持ち歩いてスタンバイしています。(流石です!

 

あわら病院は今日もトレーニングに励んでいます。


リハビリテーション科からご挨拶。

2011年11月25日 09時02分32秒 | リハビリテーション

 

国立あわら病院は「長寿」、「重症心身障害」、「血液・リウマチ」の分野を、政策医療として掲げています。
そして、リハビリテーション科は
3つの分野すべてに大きくかかわる部署です。

 

長寿・神経難病における意識障害、認知障害、構音障害、嚥下障害、運動失調、廃用症候群などに対するリハビリテーション治療、重症心身障害における発達を考慮した、または機能の維持を目的とした活動、そして関節リウマチでの関節・筋の運動や温熱療法、日常生活を無理なく過ごすための自助具作成などがリハビリテーション科の仕事です。

 

あわら病院には理学療法士(PT)、言語聴覚士(ST)、作業療法士(OTがそろっており、さらにリハビリテーションのチームとして、医師・病棟看護師・退院支援看護師・療育指導室などもそれぞれの専門性を活かして、各種活動や治療にかかわっています。

また、嚥下造影や嚥下内視鏡などの検査も積極的に行っています。

 

これからも、皆さまの身体機能の維持やQOLの向上のお役に立つよう、頑張っていきます。



昨日から急に、霰が降ったりする荒天となりました。奥越の勝山では雪も降ったようです。
皆さま、お体にお気を付け下さい。