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どこまでするか、はオーナーさん次第・・・

2010-06-03 00:01:51 | Weblog
 動物病院で診療していると、予算やリスクなどの関係上、こちらが必要と感じる医療を施せない場合が以外とあります。
保険の利かない「自由診療」の世界ですから、きちんと詰めようとすればそれ相応な費用が発生します。
言葉が話せない動物に対する医療では、本人をよく観察して原因を絞り込むことが無駄を減らすことにつながります。
しかし、見たり触ったりの診察だけでは、きちんと判断できないのもまた事実であります。
詳細な状態の把握、例えば、血管内点滴を行う前に、電解質や血液ガスの測定をして体液の状態を把握することは重要です。
これらの検査なしで点滴をするのは、適切ではないと思います。
特に状態が悪い、シビアな状態の患者さんでは必須だと感じますし、データに基づいて治療することで劇的な改善を体験します。

 動物病院側も、なるべく安価に済ませてあげたいと思う訳ですが、現実にはきちんとしたデータが欲しい。
「てきとう」に済ますほうが難しいのです。よい加減ではなく「いいかげん」になりがちです。
保険診療なら、一種のマニュアルの世界ですから、マニュアル以外のことは通常考えません。
我々動物病院の世界は完全自由診療ですから、結果と対費用効果が全てです。
 検査をうけた→嫌な病気が見つかってしまった
 費用をかけた→そのわりには改善しなかった  
 手術をうけた→経過が悪く命にかかわった(しなければよかった)

こういうことを考えないで動物病院に来てしまう方がけっこういます。
私たちは、検査や治療の必要性を説明します。そして見積もりも話すようにしています。
それでも、どこまでするか(できるか)は、オーナーさん(飼い主さん)次第なのです。
十分な話をして、お考えや事情をお聞きしてから、プランを決定するようにしています。
プロとして十分な手当てが施せない場合も少なくありません。
でもあくまで、飼い主さんあっての動物ですから、私たちが我慢できる点は我慢するように自分自身に言い聞かせています。

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