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対照的な経過になった脳腫瘍の犬

2010-06-05 00:40:41 | Weblog
脳腫瘍の疑いで入院していたワンちゃん、昨日の夕方にお帰ししてその日の晩に亡くなられました。
ご遺体の処置のため、夜中に来ていただきました。
最近、発作を起こすようになり、しばらく入院していました。
以前から、脳腫瘍を疑うような所見がありましたが、他の持病もあり麻酔をかけてのCTやMRIの検査には至れませんでした。
比較的短期間の経過であり、飼い主さんご家族に長期間の負担をかけずに旅立っていきました。
いい子だったと思います。ご自宅で皆のいる所で看取っていただけたわけで、本当によかったと思っています。

以前のブログにも書いた、MRIで脳腫瘍が確認されたワンちゃん。こちらは、経過が極めてが厳しいことが予想されましたが、がんばっているようです。たいしたものです。歩けないものの、食事はとれていると聞いています。画像診断だけで安易に「もうダメです」、と言うことがいかにナンセンスか実感します。他院さんで、治らないとか、もうダメです、とか言われて流れてくる症例がけっこうあります。適切に対処すれば、苦痛なくがんばれるケースも多々あります。私はもうダメですと言わず、やれることをやって手を尽くしてみましょう、という言い方にします。だって、まだまだ一緒に過ごす時間を伸ばすことができるのも、また事実なのです。

全てが理想通りには運びません。でも、予想以上にすごいがんばりを見せる子がけっこういるんですよ・・・.。うちの患者さんである、マックちゃんやポピーちゃんは奇跡の症例と呼んでいいでしょう。普通の医療ならとっくにお迎えが来ているはずなのですね。何をしているかって?それは秘密ですが、ある種の漢方薬などを使っています。本当に効いているのか検証は難しいでしょうが、手応えとしては効いている、あるいは良いQOLでの延命ができている、と感じます。西洋医学と東洋医学の良い点を利用しています。「統合医療」と言われる治療で、案外よい経過、あるいは穏やかな進行による看取りを実現しつつあります。

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